プログラマーとは？仕事内容や年収、将来性について解説

プログラマーとは、特定の仕様書に基づき、ソフトウェアやアプリケーションを設計・開発する専門家のことです。本記事では、プログラマーの基本的な役割・種類・仕事の具体的な内容について詳しく解説します。今後プログラマーを目指している方は、ぜひ参考にしてください。

プログラマーとはどのような職業？

プログラマーは、プログラミング言語を活用してシステムやソフトウェア・アプリケーションを設計・制作する専門家です。

物流や金融といったビジネス分野だけでなく、スマートフォンやテレビのアプリケーション・ゲーム・家電製品など、私たちの日常生活で役立てられています。

プログラマーとエンジニアの違いとは？

エンジニアは幅広い技術分野での専門家を指し、プログラマーも含まれています。なかでもプログラマーは、主にプログラミング言語を使用してソフトウェアやシステムを開発する専門家です。

システムエンジニアは顧客との折衝から始まり、システム全体の設計や構築・運用を担当します。プログラマーはコードの実装などがメイン業務ですが、システムエンジニアはプロジェクトの開発全体に関わりより幅広い領域をカバーします。

プログラマーは部品を作る専門家で、システムエンジニアは部品を組み合わせて全体を構築・運用する専門家といえるでしょう。

プログラマーの主な種類

プログラマーは、プログラミング言語を使用してシステムやアプリケーションの開発をおこなう専門家です。

一部のプログラマーは、特定の分野や技術に特化して深く探求することを選びます。また、企業のニーズに応じて、一人のプログラマーが複数の分野にまたがって業務をおこなうことも珍しくありません。

プログラマーの種類には、以下のようなものがあります。

• Webプログラマー
• システムプログラマー
• アプリケーションプログラマー
• データベースプログラマー

このようにプログラマーの職種は多岐にわたり、一人が複数を兼務する場合もあります。

プログラマーの5つの主な仕事内容

プログラマーは、システムエンジニアが考案した設計書に沿ってプログラミング作業をおこないます。

IT技術者（エンジニア）の世界では、新人が入ったときプログラマーとして開発工程を担当することが多く、実務をおこないながらコンピュータシステムの知識や理論的思考を習得します。

プログラミング言語は、「Java」「JavaScript」「Ruby」「PHP」「Python」などさまざまです。どのようなシステムを構築するかによって、必要な言語も変わってきます。

プログラミング

プログラミングとは、特定のプログラミング言語を使って、コンピュータに作業指示を出すための指示書（＝プログラム）を作成する行為です。

家電製品やスマートフォン・ATM・LINEなどのサービスには、プログラムが組み込まれています。コンピュータは自ら動作を開始することはできず、人間の命令が必要です。

使用される言語には「Ruby」「Python」「Java」「PHP」などがあり、プログラマーはこれらの言語を使って指示を出します。

データベースの構築・操作

データベースは、情報の集まりを整理・格納するシステムで身近なものでは住所録や電話帳があげられます。

SNS・ECサイト・ブログ・スマートフォンのデータ管理・銀行の情報管理など、さまざまな場面でデータベースが活用されています。アプリケーションの多くはデータベースを備えており、情報の保存や編集が可能です。

データベースの操作や構築には「SQL」が使用され、他のプログラミング言語から命令が送られ動作します。

APIを開発する

APIとはアプリケーション・プログラミング・インタフェースの略で、異なるソフトウェア同士が連携する際の仕組みを指します。ECサイトがSNS連携の会員登録を提供する際など、特定のサービスの機能を他のアプリケーションに組み込むことがAPIの役割です。

プログラマーの仕事は、APIを開発し他のサイトやアプリに自社のAPIを提供することで、ユーザーやアクセスの拡大を図ることです。APIの実装は、プログラマーの主要な業務のひとつといえます。

テスト

完璧なプログラムを一から構築するのは非常に困難です。そのためプログラミングは、エラーを見つけ出し修正するトライ＆エラーの繰り返しとなります。

ここで欠かせないのが、テストという工程です。テストには、単体テストや結合テスト・総合テスト・パフォーマンステスト・セキュリティテストなどがあります。

プログラマーは、とくにモジュール単体を検証する単体テストや、いくつかのモジュールを連携させて検証する結合テストを担当することが多いです。駆け出しプログラマーの場合、テスト業務からのスタートが一般的です。

重大なバグを見逃すことは、機会的損失や大きなクレームにつながるため、テストでバグを発見し修正することは極めて重要な業務といえるでしょう。

バージョン管理

バージョン管理は、ソフトウェア開発における重要な作業のひとつです。この管理方法により、ソースコードの変更履歴を明確に追跡・記録できます。

具体的には、いつ・誰が・どのような変更がおこなったかという情報を緻密に管理します。そして、管理の対象はプログラミング言語で書かれたソースコードだけにとどまらず、SQLファイルやミドルウェアの設定・依存関係の定義まで範囲が広いです。

主なバージョン管理にはGitが導入されており、開発者間で最新のソースコードを共有しやすくなるだけでなく、もし問題が発生した場合、特定の部分だけを以前の状態に戻すといった対応も可能です。

プログラマーに必要なスキル

プログラマーとしての成功は、単にコードを書く能力だけでなくさまざまなスキルが起因しています。IT環境は急速に進化しており、プログラマーはこの変化に適応し、さまざまな課題に対応するためのスキルが必要です。

• プログラミングスキル
• 情報収集のスキル
• 論理的思考
• コミュニケーション能力

これらのスキルを磨くことで、プログラマーはプロジェクトを成功に導きチーム内での信頼を構築できます。

プログラミングスキル

プログラマーとしてのキャリアを考える上で、プログラミングスキルは避けては通れません。

しかし、初めから複雑な技術や複数のプログラミング言語を習得するのは難しいです。重要なのは、自分の興味や将来のキャリアパスに合わせてプログラミング言語を選び、基本をしっかり学習することです。習得した言語を土台として、他の言語や技術への学習もスムーズに進められます。

自分の目指す分野や目標に応じて、適切なプログラミング言語の選択と学習に取り組むことが、プログラマーとしての第一歩です。

情報収集のスキル

プログラマーとしての仕事をこなす中で、プログラミングスキルだけでなく情報収集のスキルも非常に重要です。

実際にプログラムを書く過程での複雑な課題や不明点、エラーが生じた際に解決策を見つけ出すには、適切な情報収集が必要です。

また、プログラミングの学習過程での疑問や困難を乗り越える力としても、情報収集能力は役立ちます。とくに、技術の進化が早いIT業界において、新しい情報や技術の動向をキャッチアップし活用することが求められます。

情報収集のスキルを磨くことで、効率的に問題解決へのアプローチができるため、より成果を上げやすくなるでしょう。

論理的思考

プログラマーが持つべきスキルの中で、論理的思考は非常に重要です。論理的思考とは、事象や問題を明確に筋道を立てて分析し、結論へと導く思考法を指します。

プログラミングの過程でコンピュータに指示を与える際には、論理的思考が欠かせません。コードを書く際の流れや処理の順序・条件分岐などを明瞭にするには、論理的に事象を捉える能力が求められます。

このスキルを磨くことで、より効率的でエラーのないシステム・アプリケーション開発が可能です。

コミュニケーション能力

多くの人々がプログラマーを個人で作業する職種と捉えがちですが、実際にはチームメンバーと相談しながら開発を進めるため、高いコミュニケーション能力が求められます。

プロジェクトを進行する上で、クライアントやシステムエンジニア・プロジェクトに携わるチームメンバーとの綿密な会話が必要です。自分の考えや意見を明確に伝え、他者の意見を受け入れる能力は、プロジェクトをスムーズに進める上で鍵となります。

とくに複雑なシステムの開発や大規模なプロジェクトでは、チーム内のコミュニケーションの質が開発の進行速度や成果物の品質に直結することも少なくありません。技術的なスキルだけでなく、人との関わり方やコミュニケーションスキルの向上も重要です。

プログラマーに向いている人とは？

プログラマーとしての仕事を円滑に進め成果を上げるには、ただ技術を持っているだけでは不十分です。プログラマーに向いている人の特徴や資質には、以下のようなものがあります。

• 向上心があり、学習し続けられる人
• コミュニケーション能力がある人
• 問題解決能力がある人
• 根気がある人

これらの要素は、プログラマーとしての成功を後押しする要因です。

向上心があり、学習し続けられる人

IT産業は進化が激しく、主流となっている技術やツールが数年後には使えない可能性があります。プログラマーとしてのキャリアを長く続けるには、日々の技術の変遷に柔軟な対応をし、新しい知識を絶えず取り入れる姿勢が必要です。

ひとつのプログラミング言語やフレームワークを完璧に理解しても、次の新しい技術に挑戦する向上心が重要です。常に新しいことを学び続ける人は、プログラマー職に向いているといえるでしょう。

コミュニケーション能力がある人

プログラマーとしての技術だけでなく、コミュニケーション能力も非常に重要です。

大きなプロジェクトになると、多くの人と連携して作業を進めていく必要があります。その中で、システムエンジニアの指示を正確に理解することや営業担当者と顧客のニーズを共有することなど、ミーティングで情報のやり取りが必要です。

また、進行状況や問題点に関する相談も受けることが多いです。情報交換をスムーズにおこなえるコミュニケーション能力は、プロジェクトを円滑に進めるために必要なスキルといえるでしょう。

問題解決能力がある人

プログラマーが取り組む作業は、単にプログラムを組むだけではありません。仕様書に沿ってプログラムを組んでも、意図しない動きやエラーが出ることがあるからです。

そのような場合に、エラーの原因や問題を迅速で正確に特定し、解決する能力がプログラマーには求められます。

仕様の不備や未発見のバグといった問題に直面した際、原因を突き止めて修正できる人は、プログラマーとしてのキャリアを積む上で大きなアドバンテージといえるでしょう。

根気がある人

プログラミングという作業は、コードを書くだけで終わりません。実際にコードを書き終えた後も作業は続きます。

たとえば、プログラムにはバグや不具合が潜んでいることがあり、それを見つけ出すためのテスト作業などがあげられますです。このテスト作業は、場合によっては何カ月にもわたって繰り返されることがあるでしょう。

そういった状況下で継続的に作業をおこない不具合を修正するには、確かな根気と忍耐力が求めらます。プログラマーとして成功するためには、一時的な情熱だけでなく長期的な取り組みを維持するための根気が必要です。

プログラマーの年収は？

プログラマー（システムエンジニアを含む）の平均年収は、20代で322万円、30代の平均年収で400万円とほかのIT業種と比較して低めです。

これはIT業界で開発経験があるエンジニアが不足している点が原因で、現在は自社で育成するのを前提として社員を採用します。

そのため、未経験者の採用が多くなり提示される年収は200万円から300万円とプログラマーの中でも低いため、業種全体の平均年収を下げています。ただし、経験を積み転職やキャリアアップをすることで、高収入を目指せる職種です。

将来プログラマーは仕事がなくなるといわれているのは本当か？

近年、AI技術の進展や初心者でも容易に開発をおこなえるツールの普及により、プログラマーの仕事が減少するのではないかといわれています。確かに技術やツールは一部の開発作業を自動化する力があり専門家でなくても開発です。

しかし、全ての開発タスクや複雑な問題解決が技術だけで補えるわけではありません。また、新たな技術が生まれることで、それに伴う新しい問題やニーズが生まれることもあります。

そのためプログラマーの仕事が完全に消滅することはないと考えられます。ただし、将来的に仕事の需要が減少する可能性もあるため、市場の変動に対応、求められるスキルを持つ人材として自己成長することが必要です。

プログラマーになるための3つの勉強方法

プログラマーになりたいと考えていても、どのように学びスキルを磨けばよいかわからない方も多いはずです。ここからは、プログラマーになるための効果的な勉強方法を3つご紹介します。

• 書籍を読む
• スクールに通う
• オンライン学習サービスで学習する

これらの方法を取り入れて効果的な学習をおこないながら、プログラマーとしてのスキルをしっかりと習得していきましょう。

書籍を読む

書籍の利用は、自分のペースで学習を進められることが最大の魅力です。好きな時間に書籍を読み、独自の進度で学習できます。

しかし書籍での学習は個人で取り組むため、学習の途中で不明点が出ても誰にも頼れない場合があります。たとえば、自身で作成した「Python」のコードが正しく実行されない場合、原因の特定や解決が難しいことがあるでしょう。

スクールに通う

スクールに通うことは、プログラミングの基本から専門的な技術まで系統的な学習に最適な方法です。

初心者が独学で学ぶ際に出てくる疑問や課題に、すぐに対応できる環境が整っています。また、経験豊富な講師からの直接的な指導によって、効率的な学習がおこなえるでしょう。

さらに、スクールでは同じ目標を持つ仲間とともに学習でき、互いに刺激を受けながら進むことが可能です。実際のプロジェクトをベースにした授業やチームでの開発経験は、実務に近い環境でのスキルの習得にもつながります。

一方スクールは高額な学費が発生する可能性もあるため、自分の学習スタイルや予算とのバランスを考慮して選ぶことが大切です。

オンライン学習サービスで学習する

オンライン学習サービスは、スクールに通うことが難しく独学も難しいと感じる方に最適な学習手段です。

オンライン学習サービスでは、スマホやタブレットから自分の好きな時間に学習できます。とくに動画を通じて学習することで、実際のプログラミングの流れを理解しやすくなるでしょう。また不明点や疑問点が生じた場合、サービスによっては専門家に質問が可能です。

オンライン学習サービスの中でもUdemyのようなサービスは、18万以上のビデオコースを提供しており、特定のトピックにフォーカスして学習できます。また、現場で活動している専門家が講座を提供しているため、高品質の内容が期待できるでしょう。

ただし、講師によって教え方が違いうため、自身に合う合わないがあるため購入する際は十分に確認してください。

プログラマーは将来性のある職業

プログラマーは、技術的なスキルを活かしてソフトウェアの開発や保守を担当する専門職です。日々の生活からビジネスの現場まで、デジタル化が進む現代社会において、プログラマーの仕事はますます重要性だといえます。

本記事では、プログラマーの仕事内容や必要なスキル、手順について詳しく解説しました。

技術の進化とともにニーズが増え続けるこの職種は、将来的なキャリアパスとして非常に魅力的であり、多くのチャンスがあるといえるでしょう。