OS(オペレーティングシステム)とは、「Windows」や「Android」などパソコンやスマートフォンを動作させるために必要なソフトウェアです。本記事では、OSの基礎知識や種類ごとの役割について解説します。
目次
OSとは、「Operating System(オペレーティングシステム)」の略称で、パソコンやスマートフォンの動作を制御するために必要なソフトウェアの総称です。具体的には、WindowsやmacOS・AndroidやiOSなどが該当します。
OSにはパソコンやスマートフォン(ハードウェア)と、アプリケーション(ソフトウェア)などの橋渡しの役割があるため、アプリケーションを使う際にも必要です。
そのため、仮にパソコンやスマートフォンにOSが搭載されていなかった場合、これらの端末は電源すら入らず何も動作しない状態となってしまいます。
OSの主な役割は、ユーザーがマウスやタッチパネル・キーボードなどを利用して操作した要求をソフトウェアに伝えることです。この役割を果たすことで、キーボードで入力した文字が画面上に表示されたり、マウスを動かすことでカーソルが動いたりするのです。
OSの役割は複雑で多岐にわたり、ユーザーからの要求を画面上に再現するだけではありません。ここからは、OSの主な以下の4つの役割について詳しく解説します。
タスクとは、コンピュータで処理されるプログラム単位のことです。タスクの順番やCPU・メモリの割り当てなどを管理することで、効率よくプログラムを処理できます。
たとえばブラウザで曲を聴きながらテキストエディタで文書を作成するといった操作をするときに、タスクの順番を決め効率よく作業できるようにCPUやメモリの動作をOSが管理するのです。
タスク管理には、「マルチタスク」と「マルチスレッド」があります。
マルチタスクは、複数のタスクを短い処理時間で順番に処理していく管理機能です。処理時間が短いため、順番に処理していても同時に複数の処理がおこなわれているかのように実行できます。
一方でマルチスレッドは、マルチタスクをさらに「スレッド」という単位に分割し、スレッド単位で並行処理していく機能です。タスク単位ではなくスレッド単位にすることで、より効率的にプログラムを処理できます。
メモリとは、一時的にデータを保管しておく記憶装置です。よく使用するデータをメモリに保管しておくことで、プログラムの起動や処理が円滑になります。メモリを例えると、作業机のようなものです。何らかの作業をする上で、机が広ければ広いほど作業ははかどり、同時に複数の作業をこなせます。
このように、メモリの大きさはマルチタスクを処理するスピードに直結するため、結果的に処理能力が向上するのです。またタスクにメモリを割り当てるだけでなく、タスクが終わった後のメモリ解放(片付け)もメモリ管理に含まれます。
メモリを解放することで、メモリに保管されていたデータを削除しメモリの空き容量を増やすことが可能です。メモリの容量が不足するとパソコンの動作が重く(遅く)なってしまうため、不要なデータの削除は作業の効率化に必要です。
作成したファイルやフォルダの保存形式・保存場所への格納などの管理も、OSの役割です。適切にファイルを管理することで、必要な情報をすぐに見つけられ効率的に必要なファイルにアクセスできます。その結果、作業効率の向上が期待できるのです。
端末に保存してあるフォルダやファイルを確認するには、Windowsではエクスプローラー、MacではFinderを使います。分類基準を決め基準に沿ってファイルを管理することで、必要なファイルをすぐに探し出すことが可能です。
ファイルの管理には、不要なファイルの削除も含まれています。不要なファイルを削除することで、ストレージ容量を増やせます。
周辺機器とは、キーボードやマウス・ディスプレイなど、端末本体に接続するハードウェアです。OSはキーボードやマウスなど周辺機器からの入力を処理し、ディスプレイに表示させたりプリンタに出力したり、外部ハードディスクに書き込んだりといった作業をおこないます。
つまり、キーボードをはじめとする周辺機器はOSがなければ動作しないのです。
OSには、ハードウェアを抽象化させる役割もあります。ハードウェアの抽象化とは、ハードウェアによる細かな違いをユーザーに感じさせないようにする機能です。ハードウェアの抽象化によって、アプリケーションの開発者はハードウェアの具体的な詳細を気にせずにアプリケーション開発ができるため、手間やコストの削減ができます。
一方でハードウェアの開発者には、抽象化により多くのアプリケーションが自社のハードウェア上で動作する可能性が高まることから、より多くのユーザーにハードウェアを販売するチャンスが増える点がメリットです。
OSがどのようなものか理解するためのポイントは、主に以下の3つです。
それぞれ詳しく解説します。
OSとアプリケーションは同じソフトウェアですが、その役割は異なるため両者の違いを理解しておくことでアプリケーションを開発する際に役立ちます。OSは、パソコンやスマートフォンを動かす上で最低限必要な機能をひと通り備えたソフトウェアです。
一方でアプリケーションは、OSが提供する最低限の機能を土台にさまざまな機能を追加・提供するためのソフトウェアです。
アプリケーションはOSの機能を土台にしているため、OSの機能や役割を理解することでアプリケーションを効率よく開発できるようになるといえます。
OSはパソコンやスマートフォンに欠かせない非常に重要な役割を持っていますが、プログラミング言語で作られたソフトウェアであることに変わりありません。そのため、OSの機能や役割を説明する際には、必然的にシステム開発に必要な用語が出てきます。
OSを理解しようと思ったときにシステム開発に必要な用語を事前に知っておけば、用語の意味を調べる手間が省け短時間でOSの本質を理解できるでしょう。
OSにはさまざまな種類があり、それぞれ役割も異なります。たとえばパソコンのOSの場合、動画の編集などクリエイティブな分野やiOS向けのアプリケーション開発にはmacOS、サーバーやシステム開発にはLinuxのほうがWindowsよりも適しています。
複数のOSの使い方を知っておくことで、開発できるシステムやアプリケーションの幅が広がるのです。OSごとにパソコンを用意するのはコスト面で負担はありますが、パソコン上に「仮想マシン」を構築すれば、ひとつのパソコンで複数のOSを切り替えられるので作業負担を軽減できます。
OSはいくつもありますが、代表的なものは以下の5つです。
それぞれのOSの特徴について、詳しく解説します。
OSの中でも知名度が高いのはMicrosoft Windowsです。Microsoft Windowsは、マイクロソフト社が開発・販売しているOSです。
1985年に「Windows1.0」が開発されて以来、現在までさまざまなバージョンが開発されました。マイクロソフトの共同創業者であるビル・ゲイツは、Windowsの発展に大きく貢献しました。
世界中に広く普及しており、パソコンのOSではトップのシェアを誇っています。多くのユーザーが利用していることから、Windowsに対応したシステムやアプリケーションも多く、ユーザーにとって普段使いに適したOSとされています。
ただし、ユーザー数の多さからウイルスなどのマルウェアも広がりやすいため、セキュリティ面には注意が必要です。
macOSは、パソコンのOSとしてはWindowsの次に世界で広く使われているOSです。1984年にApple社が、Macintosh System Softwareとして最初のバージョンを発表しました。
当時のOSはテキストベースのCUI(Character User Interface)が主流で、コンピュータを操作するには毎回コマンドを入力しなければなりませんでした。そのような時代背景の中、AppleのMacintoshは一般の消費者向けにGUIを広く普及させるためのプロダクトとして登場したのです。
CUIとGUIの大きな違いは操作感です。CUIからGUIになったことで、マウスなどを利用した直感的でわかりやすい操作ができるようになりました。
また、iPhone向けのアプリケーションを開発するための公式ツール「Xcode」はmacOS上でしか動作しないため、その開発環境としてmacOSが必要です。
Linuxは、パソコンのOSとしてはWindows・macOSに次ぐシェアを誇るOSです。無償で配布されており自由にカスタマイズできる点から、サーバーやシステム開発などの場面でよく使われています。また、自分がカスタマイズしたものを再配布することも可能です。
多くのディストリビューション(元のソフトウェアやシステムをベースに、特定の用途やニーズに合わせてカスタマイズされたパッケージ)が軽量で効率的に設計されているため、WindowsやmacOSよりも動作が軽い場合があります。
WindowsやmacOSでは動作しないような古いパソコンであっても、Linuxなら起動するという場面は少なくないでしょう。ただし、Linuxの全ての機能や特性を使いこなすためには、一定の技術的な知識や経験が必要です。
iOSは、iPhoneやiPadに搭載されているOSです。直感的でわかりやすい操作のため、誰でも扱いやすいOSとなっています。
多くのユーザーに愛用されているため、アプリケーションも豊富です。iOSのアプリケーションは、主に「Swift」や「Objective-C」などで開発されています。
iOSのアプリケーションは「App Store」で厳格に審査されているため、安全性が高い点も特徴です。しかし、同じスマートフォン専用OSであるAndroidと比較すると、端末の価格がやや高めです。
また、Androidを搭載した製品はさまざまな企業が開発しているのに比べ、iOSを搭載した製品の開発はApple社のみとなっています。これは、製品の多様性の点で違いと捉えられます。
Androidは、テクノロジー企業として世界的に有名なGoogle社が無償で提供しているOSです。無償で提供されていることもあり、さまざまな企業がAndroidを搭載した製品を開発しています。
シェアも非常に高く、iOS以外のスマートフォンはほぼAndroidといえ利用できるアプリケーションも豊富です。
Androidアプリケーションは、主に「Java」「Kotlin」などで開発されており、iOSとは使用する言語が異なります。アプリケーションの審査はiOSに比べて緩やかといわれているため、使用するアプリケーションには注意が必要です。
パソコンやスマートフォンのOSを選ぶ際は、コストや他デバイスとの連動性・用途などに注目して選ぶ必要があります。
パソコンのOSを選ぶとき、多くの人がWindowsを好む傾向にあります。普段使いに適しており、対応しているソフトウェアもmacOSやLinuxより多いです。明確な理由がある場合は、その他のOSを選びましょう。macOSは動画や音楽の編集といったクリエイティブな分野や、iOS向けアプリケーションの開発に興味のある方に向いています。
Linuxはサーバー構築やシステム開発に適していますが、専門的な知識が必要なため十分な知識がある場合は選択肢となるでしょう。
スマートフォンのOSにもiOSやAndroidなどがあり、それぞれ特徴がありますが、主要な機能に大きな差はありません。使用するアプリケーションの選択肢や価格面など、個別の要件や好みに基づいて選択することをおすすめします。
本記事では、OSの基礎知識や種類ごとの役割について解説しました。OSは、パソコンやスマートフォンに必須のソフトウェアです。さまざまな種類があり、OSによって特徴も異なります。
本記事を参考にOSごとの特徴を把握することで、場面に応じた適切なOSを選ぶことが可能です。さまざまな機能を持つアプリケーションは、OSの機能を土台にして開発されているためOSの知識を深められればアプリケーション開発の際にも役立つでしょう。
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