本記事では、データベースとは何かや、データベースの種類と構築法を具体的に紹介。また、データベースがどのような場面で使用されるか、ビジネスにおいてどのような役割を果たすのかについても解説します。
データベースとは、データを規則的に整理して効率的に管理するための仕組みです。データベースを活用することでさまざまな情報を適切に管理し、ビジネスに活用できます。手動での情報管理と比較して、データベースでは管理時間やコストを大きく節約でき、ビジネスにおいては欠かせない存在です。
目次
データベースとは、ある条件に合致するデータを集め、使いやすいように規則的に整理されたものです。基本的には、コンピュータ上で管理されたデータの集合をデータベースと呼びます。
本格的なビジネスアプリケーションで使用されるデータベースシステムは、高度な機能や強固なセキュリティを備え、大規模なデータの管理や処理に対応できるように設計されているのです。
データベースの定義は広いため、理解を深めるにはある程度分類をする必要があります。ここでは、データベースを以下の3種類にわけ、説明していきます。
具体例をあげながらそれぞれのデータベースの特徴を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
階層型データベースは、ツリー構造のような階層にデータを配置するデータベースです。上位のデータが下位のデータに対して1対多の関係を持ち、データの追加や削除が容易にできる特徴を持っています。
しかし、データの階層構造が複雑になるにつれて、データの検索や更新が困難になる傾向がある点がデメリットです。
階層型データベースの代表的な例は、IBMが開発したIMS(Information Management System)です。銀行業界で広く使用されており、預金口座や融資情報の管理に利用されています。
ネットワーク型データベースは、階層型データベースよりも複雑なデータの関係を表現するために開発されました。各データは複数のデータと関係を持ち、ツリー状に接続されています。そのため、階層型データベースよりも複雑な関係を持つデータ管理ができるものの、管理が煩雑になってしまう点がデメリットです。
ネットワーク型データベースの代表的な例は、CODASYLデータベースです。CODASYLデータベースとは、1960年代に米国のCODASYL(Conference on Data Systems Languages)で開発されたもので、主に海外で利用されています。CODASYLデータベースは高速なアクセスが可能で、複雑なデータ構造を扱えることが特徴です。
リレーショナルデータベースは、表形式でデータを管理できるデータベースです。データは複数のテーブルに分割され、各テーブルにはキーと呼ばれる識別子を用いてデータを参照できます。テーブル同士の関係を定義することで、複数のテーブルから必要な情報を取得することが可能です。
「SQL」という言語を用いてデータの操作ができ、複雑な問い合わせにも対応できます。
たとえば「students」というテーブルに、以下のカラムがあると仮定します。
このとき、条件をすべて満たすデータを抽出するデータを抽出するSQL文が、以下の通りです。
SELECT * FROM students WHERE age BETWEEN 20 AND 22 AND grade >= 'B' AND (department = 'Engineering' OR department = 'Arts');
リレーショナルデータベースは、階層型データベースやネットワーク型データベースに比べて柔軟性が高く、データの管理や取得が簡単です。
リレーショナルデータベースの代表例として、Oracle DatabaseやMySQL、Microsoft SQL Server、PostgreSQLなどがあげられます。これらのデータベースは、Webアプリケーションやビジネスアプリケーションなどに使われ、世界中で広く利用されています。
データベースは、重要な情報を長期的に保管し、データの共有をおこなうことが主な役割です。ここでは、データベースの持つ以下の役割を紹介します。
データベースの大きな役割のひとつが、複数の情報をまとめて管理することです。データベースでは情報が整理されており、必要な情報が確認しやすいというメリットがあります。また、膨大な情報を保管できるため、情報管理の効率化に貢献できるのです。
たとえば、企業が顧客情報や商品情報などのデータを一元管理することで、情報を探す手間が軽減できます。複数データの同時管理により、データごとの関係性が把握しやすくなり、ビジネスの意思決定にも役立ちます。
システムの処理において、必要なデータをすぐに取得できる点もデータベースの特徴です。在庫データの中から、在庫数が一定数以上ある商品を見つけたい場合などに、データベースが役立ちます。データが整理された状態であるため、データへのアクセスが容易です。
データベースをビジネスに取り入れると、手元にある情報を活用しやすくなります。
企業が顧客情報をデータベースに格納しておけば、顧客ごとの購入履歴や購買頻度などを把握しやすく、商品やサービスの提供に活かせるでしょう。
データベースは、データの編集や追加が簡単です。特定の条件下でのデータのみをまとめたり、表示したりできます。さらに、新しい情報を追加したり、変更したりすることも可能です。
データベースには一般的に、情報を簡単に編集できる機能が備わっており、データベース上で複数データの一括更新もできます。
また、データベースには情報のバックアップや復元機能も備わっているのです。データの管理や編集時に、情報の紛失や誤操作によるデータの破壊を防げます。
データベース管理システム(DBMS)とは、データベースを管理するために必要なアプリケーションの総称です。
データベース管理システムには、データの記録形式によっていくつかの種類があります。最も広く普及しているのは、リレーショナル型と呼ばれるシステム(RDBMS)です。
ここからは、データベース管理システムについて説明していきます。
データベース管理システム(DBMS)には、データベースを効率的に運用するためのさまざまな機能があります。
データベース管理システムには、データを定義したり整列させたりする機能のほか、重複するデータの登録を防ぐ機能や、データを保全する機能が備わっているのです。
データベース管理システムを効率的に活用すれば、運用時の人的ミスが入る余地を排除でき、データ制御においての必要な作業も軽減してくれます。
「SQL」(Structured Query Language)は、DBMSでデータベースを操作・制御するためのプログラミング言語です。
「SQL」を使用すれば、データベース内の特定のデータを簡単かつ迅速に抽出できます。「SQL」の構文はシンプルであり、SELECT・FROM・WHEREなどの句を使用して、必要なデータを指定可能です。
「SQL」には集計関数(SUM・AVG・COUNTほか)や結合(JOIN)などの機能があり、複雑なデータの取得も簡単に実行できます。「SQL」は国際標準化されており、ほとんどのDBMSでサポートされているため、さまざまなデータベースで利用可能です。
データベース管理システム(DBMS)は、ビジネスや組織、Webアプリケーションなど、多岐にわたる分野で利用される重要なツールです。
データベース管理システムには以下のように複数の種類があり、それぞれ特徴があります。
ここでは、4つの代表的なデータベース管理システムを紹介し、それぞれの特徴や適用分野について説明します。
Oracle社製のデータベース管理システムであるOracle Databaseは、リレーショナルDBMSの代表的な製品の一つです。グローバルなビジネスや組織などで広く使用されています。2015年には日本国内でのシェア49.9%を達成しており、利用は有償です。
高い信頼性があるほか、セキュリティや拡張性、パフォーマンスそれぞれが高い評価を受けており、大規模なデータベースの管理に適しています。Oracle Databaseには多数の機能があり、データ分析やデータ可視化も可能です。
さらに、Oracle Databaseはマルチテナント機能を備えており、一つの物理的なデータベース上で複数のプラグイン型のデータベース(プラガブルデータベース)を作成し、管理できます。そのため、管理コストの削減や、アプリケーションの柔軟性向上が実現できるでしょう。
高度な分散処理機能も備えており、大規模なデータベースでも高速な処理が期待できます。
Microsoft社製のデータベース管理システムであるMicrosoft SQL Serverは、Windowsプラットフォーム上で動作するリレーショナルDBMSです。中小企業でのシェアが多く、法人向けではOracleに次ぐ導入第2位となっており、有償です。
SQL Serverは高い拡張性と可用性、強力なセキュリティ機能・優れたパフォーマンス・分析機能などを備えています。また、SQL ServerはAzureに接続して、クラウドでのデータベース管理をサポートすることも可能です。
データ分析に関する機能として、SQL Server Analysis ServicesやPower BIなどが提供されています。
MySQLは高いパフォーマンスと安定性、高い拡張性・柔軟性・使いやすさなどの特徴を備えています。多数のプラットフォームで利用可能であり、WindowsやLinux、macOSなどに対応可能です。
商用利用の場合は、ライセンスを購入しなければなりません。個人利用では無償利用もできるため、学習コストを下げられるメリットがあります。また、さまざまなOSに対応しており汎用性も高く、オープンソースであるため自由なカスタマイズが可能です。
MySQLは高度な分散処理機能やクラスタリング機能を備えており、大規模なデータベースでも高速な処理を実現できます。
PostgreSQLは、オープンソースのリレーショナルDBMSの一つです。
複雑なトランザクション処理や並列処理、リレーショナルデータベースに加えて、JSONやXMLなどの非リレーショナルデータの取り扱いにも対応しており、柔軟性に優れています。
PostgreSQLには、SSL接続やクライアント認証・暗号化・アクセス制御など、多数の高度なセキュリティ機能が備わっています。多数のプラットフォームで動作するため、WindowsやLinux、macOSなどのOSで利用できるのです。
データベースが欠損しにくく、耐障害性に優れている点もメリット。複数のツールやライブラリを利用すれば、PostgreSQLの開発や管理を効率化できます。
基本無料で利用でき、より複雑な関数にも対応できるため、コスト面と機能性の高さで選ぶならPostageSQLがおすすめです。
データベースを構築する一般的な方法と、流れを紹介します。
効率的にデータを管理するためにどれも必要不可欠なステップであるため、ご確認ください。
まずは、データベースにしたい情報を調査・分析します。
調査と分析後は具体的にどのようなテーブルを作るか、テーブルの列構成や属性など、「概念データモデル」を作成し決定します。概念データモデルとは、情報の関連性を表現した図のことであり、データや業務の流れを可視化できるものです。
概念データモデルを作成するには、対象の業務プロセスやビジネスルールを理解し、どのような情報を集めるのかを明確にする必要があります。また、データの規模や複雑度・頻度・機密性などを把握し、データベースの設計や構造の方針を決定してください。
作成した概念データモデルをもとに、データベースを設計・構築します。必要な初期情報は、データベース内に格納しておきましょう。
データベースを構築したら、運用テストをおこないます。データの編集や更新、削除などの操作を実行し、データベースが正常に動作していることを確認してください。あわせて負荷テストや障害復旧テストもおこない、データの信頼性を確保します。
データベースは設計の段階で、データを効率的に管理できるかどうかが決めるため、十分に注意して設計しましょう。
データベースを運用し、仕様どおりの動きをするかを確認します。指定した条件でデータが抽出されるか、実際の業務を想定してテストをおこないましょう。システムに問題があれば修正とテストを繰り返し、データベースを完成させます。
リリース時に不具合が生じないよう、運用テストも十分に注意しておこなってください。運用テストの際には、セキュリティ面も考慮することが重要です。
データベース作成後は、定期的なバックアップやパッチ適用などのメンテナンス作業をおこない、データのセキュリティや信頼性を確保します。
利用状況やサーバーに負荷がかかっていないかなどの確認を定期的におこない、システムダウン時の対応の決定や、セキュリティ管理をするための担当者も配置しなくてはいけません。
また、データベースの内容は定期的にバックアップが必要です。ユーザーからの問い合わせ対応や、システム改修などの業務も必要となるでしょう。
適切な運用や保守をおこなうためには、専門知識を持った技術者が必要です。さらに、システムのトラブル発生時に迅速に対応するための運用マニュアルの整備や、必要な情報の記録も求められます。
このように運用や保守は、データベースの長期的な健全性を確保するために欠かせない作業だと言えます。
データベースにはさまざまな種類があり、自社に適したものを選びましょう。
まず、自社の業務や要件について理解し、どのようなデータを扱って、どのように処理したいのか明確にします。そのうえで必要な機能や性能、セキュリティなどを検討してください。データベースの導入後には適切な運用や保守をおこない、データベースの健全性の維持も重要です。
この記事を参考に、自社に最適なデータベースやデータベース管理システムを見つけてください。
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