近年注目されているプログラミング言語のひとつである「Groovy」について、新しくプログラミング言語を学びたい方に向け、特徴・できること・メリットとデメリット・インストール方法などを紹介しています。
「Groovy」はまだメジャーではありませんが、近年注目され始めたプログラミング言語のひとつです。
本記事では「Groovy」の特徴や使い方、できることやメリット・デメリットを紹介します。また、「Groovy」のインストール方法も紹介しますので、新しくプログラミング言語を学んでみたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
「Groovy」は、「Java」から派生したスクリプト言語です。2003年ごろに登場した、比較的新しいオープンソースの言語でもあります。コーディング時に型を宣言する必要がなく、動的型付けができるという特徴があります。
世界的にはGoogle・IBM・Linkedln・Oracle・Netflix、日本ではNTTグループをはじめ、大手通信会社など多くの有名企業が「Groovy」を活用していることでも有名です。
「Groovy」の持つ代表的な特徴は、以下の3つです。
それぞれの特徴について解説します。
スクリプト言語であることが、「Groovy」の代表的な特徴のひとつです。
「Groovy」は、スクリプト言語というジャンルに分類される言語です。スクリプト言語とは、ほかのプログラミング言語と比べて比較的簡単に記述ができ、実行できる言語を指します。
そのため、「Groovy」はなにかをやろうと思った際に、すぐにコードを書いて実行し結果を確認する、といった用途でも扱いやすい言語であるといえるのです。
動的型付けと静的型付けの両方をサポートしていることも、「Groovy」の代表的な特徴です。
動的型付けとは、プログラムの実行時にデータ型が決定する仕組みのことです。また、コーディング時に型を宣言するものは、静的型付けといいます。「Groovy」は動的型付けができるため、コードを書くときには「int」などの型指定が必要ありません。
また、「Groovy」は静的型付けもサポートしているため、明示的に型指定がおこなわれた場合は、コンパイル時に型チェックを実行する仕様になっています。
Groovy Ecosystemという機能が備わっていることも、「Groovy」の代表的な特徴のひとつです。Groovy Ecosystemとは、Groovyの使用をサポートするツールやライブラリ、フレームワーク、そのほかリソースの集合体のことを指します。
Groovy Ecosystemの代表的なツールには、Groovy GrapesやGroovyServなどがあります。Groovy Grapesはモジュールを管理するツールで、GroovyServは「Groovy」製のプログラムの起動時間を短縮するツールです。
「Groovy」を使うことで、以下の開発が可能です。
上記2つの開発について解説し、実際にGroovyを活用しているサービスや企業も合わせて紹介します。
「Groovy」で、Webアプリケーションの開発が可能です。
プログラミング言語「Ruby」のWebアプリケーションフレームワークに、Ruby on Railsがありますが、同様に「Groovy」には、Ruby on Railsにインスパイアされ開発された、Grailsというフレームワークがあります。
GrailsとRuby on Railsが多くの設計理念や構造において似ているため、Grailsを使うことで、Ruby on Railsと同じような感覚でWebアプリケーションの開発が可能です。
たとえば、どちらのフレームワークもMVC(Model-View-Controller)設計パターンを採用しているほか、コードが読みやすく簡潔に記述できる言語だという共通点があります。そのためRuby on Railsに慣れている開発者は、Grailsにも容易に移行が可能です。
NetflixやGoogle・CISCOといった世界的な企業では、「Groovy」を使用したWebアプリケーション開発がおこなわれています。
「Groovy」を使って、Androidアプリケーションの開発ができます。
「Groovy」は、Java Virtual Machine (JVM) で動作するスクリプト言語で、現在のAndroidアプリケーション開発でよく使われている、「Java」とよく似た文法を持っています。
また「Groovy」は「Java」との互換性があることから、「Javaで」書かれたコードを「Groovy」プロジェクト内でそのまま使うことが可能です。
「Java」はAndroidアプリケーション開発のための公式プログラミング言語のひとつであり、その「Java」と100%の互換性があります。また「Groovy」は「Java」よりも短く、効率的なコードが書けるように設計されていることから「Groovy」を使用したAndroidアプリケーションの効率的な開発ができます。
「Groovy」には主に、以下の4つのメリットがあります。
ひとつずつ詳しく解説していきます。
シンプルなコードが書けることは、「Groovy」を使うメリットのひとつです。
「Groovy」はスクリプト言語であるため、「Java」や「C」など、ほかのプログラミング言語と比べて、簡潔なコードで機能を実装できます。
視覚的にもコードを読み取りやすく、スピーディで管理しやすい開発が可能です。
Grailsが使えることも、「Groovy」のメリットです。
Grailsは、Ruby on Railsにインスパイアされ開発されたWebアプリケーションフレームワークです。
Grailsの操作感もRuby on Railsに近く、MVCモデルといった共通点があります。そのため、Grailsを扱うとRuby on Railsを学習する際に理解しやすくなる、というメリットもあるのです。
「Java」との親和性が高いことも「Groovy」のメリットです。
「Groovy」は、Java Virtual Machine (JVM) で動作するスクリプト言語です。そのため、「Java」との互換性や流用性が高く、「Java」で書かれたコードを「Groovy」でもそのまま動かせます。
また、「Java」のAPIやライブラリを呼び出すことも可能です。
「Groovy」には、「Java」を使える人は習得しやすいというメリットがあります。「Groovy」は「Java」との高い親和性があるため、「Java」開発者にとって「Groovy」は習得しやすい言語といえるでしょう。
しかし「Groovy」はあくまで「Java」を基盤にした別の言語です。そのため、「Ruby」のメリットを持った言語な点も踏まえ、動的型付けや文字列内に変数を直接埋め込める文字列補間といった「Java」にはなく「Groovy」にはある部分を別途学ぶ必要があります。
「Groovy」には、大きく分けて以下のような2つのデメリットがあります。
「Groovy」のデメリットについて、詳しく解説していきます。
日本語のドキュメントが少ないのは、「Groovy」を使うデメリットのひとつです。
インターネット上の日本語で書かれた情報も、2010年前後に「Groovy」が一時的に注目されていたころのものが中心です。公式ドキュメントも英語のみで書かれているため、最新の知識を得るためには英語を読むスキルが必要になります。
また、公式ドキュメントは「Java」の経験者を対象にした内容となっているため、「Java」の知識が求められます。プログラミング言語の学習そのものが初めてで、英語が得意ではないという方にとって、「Groovy」はやや学習のハードルが高いといえるでしょう。
日本ではまだ知名度も低く案件が少ないことも、「Groovy」のデメリットとしてあげられます。
Webアプリケーションを開発するための選択肢として、「Groovy」が候補になることは日本ではまだ少ないのが現状です。
そのため、「Groovy」の案件が少なく、「Groovy」を学習してスキルを習得しても、実際の仕事につなげていくことはまだまだ難しいといえるでしょう。
ここからは、「Groovy」を下記のOSでインストールする方法について解説します。
「Groovy」を使う前提として、どちらのOSも「Java」のインストールが必須です。
「Java」をまだインストールしていない方は、まず以下のURLから「Java」の最新版をダウンロードし、インストールしてください。
Windows OSの場合は、以下の手順で「Groovy」をインストールします。
まず、以下のURLにアクセスして「Groovy」をダウンロードしましょう。
引用: The Apache Groovy programming language – Download
少し下にスクロールすると、Windowsの最新バージョンのインストーラが見つかります(下図赤枠部)。
クリックしてインストーラ(msi)をダウンロードし、インストールしてください。
「Groovy」をWindowsで動かすためには、環境変数の設定が必要です。
Windowsの場合は、画面下のタスクバーにある検索窓に、「環境変数」と入力すると設定画面が表示されます。
環境変数の設定画面で「新規」ボタンをクリックし、環境変数を追加してください。変数名部分に「JAVA_HOME」と入力し、変数値には、「Java」をインストールしたフォルダ(binフォルダの場所)を指定します。
ここからは、macOSに「Groovy」をダウンロードする方法について説明します。以下の手順で行ってください。
macOSの場合もWindowsと同様に、事前に「Java」がインストールされていなければなりません。また、Macでは「Groovy」のインストールに、Homebrewというパッケージマネージャを使用します。
macOSにHomebrewがインストールされていない場合は、以下のURLにアクセスし、「Install Homebrew」という文字の下にある文字列をコピーしてください。コピーした文字列をターミナルに貼り付け、実行することでHomebrewのインストールができます。
引用: Homebrew — The Missing Package Manager for macOS (or Linux)
Homebrewがインストールされたら、ターミナルで以下のコマンドを入力すると、「Groovy」をインストールできます。
brew install groovy
「Groovy」のインストールが終わったら、実際にコードを書いて実行してみましょう。
「Groovy」では、Groovyスクリプトを実行できる、Groovy Consoleというツールが備わっています。ここでは、Groovy Consoleの使い方を解説します。
Groovy Consoleとは、「Groovy」インストールの際、合わせてインストールされる簡易実行環境のことです。
Groovy Consoleを使えば、プログラムを記述して実行ボタンを押すだけで、すぐにプログラムの実行ができます。手軽に実行できるうえに、実行結果もすぐに確認できるため、「Groovy」の学習にもおすすめのツールです。
ここからは、実際にGroovy Consoleを起動して、動作を確認しながら学んでいきましょう。
Windowsの場合は、タスクバーのスタートメニュー(Windowsアイコン)をクリックして表示されるメニューから、「Groovy Console」をクリックします。メニューに表示されない場合は、検索窓で「Groovy Console」と入力して検索してください。
macOSの場合は、ターミナルを起動し「GroovyConsole」と入力し実行すると、Groovy Consoleを起動できます。
例として、簡単なプログラムを実行してみましょう。以下のコードを、Groovy Consoleにペーストしてください。
println("Hello World!")
続いて、メニューから[Scriot > Run]をクリックしましょう。「Hello World!」と出力されたら、プログラムの実行は成功です。
「Groovy」はほかのプログラミング言語と比べると、日本での知名度は低いのが現状です。学習する際に英語のドキュメントやサイトを参照していると、どうしても学習に時間がかかってしまいます。
そこで、これから「Groovy」を学習したいと思っている方に向けて、以下の書籍と学習サイトを紹介します。
いずれも日本語のコンテンツであるため、最初に「Groovy」を学ぶ際の助けになるでしょう。
「Groovy」学習におすすめの学習コンテンツのひとつ目は、書籍「プログラミングGROOVY」です。本書は技術評論社という、コンピュータ関連の書籍を発行している日本の出版社から出版されています。
「プログラミングGROOVY」では「Groovy」の基本的な文法から、Groovy APIやJDK、Grapeにメタプログラミングなど応用的な分野までカバーされています。
ただし、本書で「Groovy」を学習するには、「Java」の最低限の知識が必要です。事前に「Java」の基礎的な範囲を学習しておきましょう。
引用:30分でわかる(かも知れない)Groovy超入門!(1/5):初心者のためのGroovy/Grails入門 – libro
「Groovy」学習におすすめの学習コンテンツの2つ目は、Webサイト「初心者のためのGroovy/Grails入門」です。Webサイトのため、無料で気軽に学習できるメリットがあります。
ただし、「プログラミングGROOVY」と同じく、「Java」について最低限の知識は必要です。しかし、基礎的な「Groovy」の使い方からGrailsアプリケーションの構成、データベースアクセスの基本についてまで、幅広い情報が日本語で公開されています。
「Groovy」は「Java」や「Ruby」と似た特徴を持つスクリプト言語であり、Groovy Consoleを使って、コーディングと実行を簡単におこなえます。
すでに「Java」を習得している方は、「Groovy」を新たに学習しやすいでしょう。また、スキルアップとしての学習もおすすめできるプログラミング言語です。
本記事を参考に、ぜひシンプルなコーディングが可能な「Groovy」を学習してみてください。
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