HTMLとCSSはともにWebページを表示するためのマークアップ言語です。本記事ではHTMLとCSSの違いや、これらを使ってWebページを構築する方法などを解説します。
「HTML」と「CSS」は、どちらもWebページの表示に必要なマークアップ言語ですが、それぞれ役割と機能が異なります。本記事では「HTML」と「CSS」の基本的な違いや、それらを組み合わせてどのようにWebページを効果的に構築できるのかについて、わかりやすく解説します。
目次
Webページの開発を手がける際には、「HTML」と「CSS」の理解が必須です。ここではそれぞれの言語の特性と役割に焦点を当て、以下の項目を解説します。
これらの知識を身につけることで、Webページの構築がよりスムーズに進められるでしょう。
「HTML」は、Hyper Text Markup Languageの略称で、Webページの構造や骨組みを作るための重要なマークアップ言語です。
HTMLには、テキストボックスや文字・表・画像・リンクなどの要素を配置する役割があり、これらの構成要素(部品)がブラウザ上でどのように表示されるのかをコントロールします。Webサイトに必要な基本的な部品を体系的に配置し、それらの要素を一体化して完全なページを作り上げる役割を担っています。
ユーザーに情報を効果的に提供するための基本的な枠組みを構成するという点で、「HTML」はWebページの基盤を築く重要な言語といえるでしょう。
「CSS」はCascading Style Sheetsの略で、Webページのデザインに欠かせない文字の色・大きさ・背景・配置といった、レイアウトやスタイルを調整する役割があります。
「CSS」は、デザインの一貫性と効率を保つために、現在Webページの作成で広く使われています。
すべてのWebページは、基本的に「HTML」と「CSS」から構成されており、Webページの基本的な構造や骨組みを「HTML」で作成し、「CSS」で見た目やデザインの調整をおこなうのが一般的です。
「HTML」と「CSS」は、Webページ作成における主要な2つの言語です。これらは相補的な役割を果たしますが、その書き方には明確な違いが存在します。ここからは、以下の2つの項目に分けてそれぞれの違いを解説します。
「HTML」の記述は、タグと呼ばれる特定のマークアップ要素を使用しておこないます。タグの使用方法は多岐にわたりますが、基本的に開始タグと終了タグで構成されているのです。
たとえば<h1>から<h6>のタグは階層的な見出しを生成し、<h1>が最も重要な見出しで<h6>が最も詳細な見出しとして扱われます。またリンクを作成するためには<a>タグを使用し、画像を埋め込むには<img>タグが使われます。
さらにこれらのタグは、特定の属性と値を使用して細かくカスタマイズすることが可能です。
たとえば、
<img src="image.jpg" alt="画像説明">
といった形で、画像のソースと代替テキストを指定できます。また、テーブルを作成するためには<table>タグ、リストを作成するには<ul>や<ol>タグなどを使用することで、柔軟なページのレイアウト構築が可能です。
「HTML」のタグの使い方を正確に理解し適切に使用することは、Webページの効果的な構築とユーザー体験の向上につながるでしょう。
「CSS」の記述はプロパティと値のペアでおこなわれ、各要素において特定の装飾を指定します。
たとえば、特定の段落の文字色を赤にし、フォントサイズを16ピクセルに設定したい場合、CSSで以下のように記述します。
p { color: red; font-size: 16px; }
「color」と「font-size」はプロパティであり、「red」と「16px」はそれぞれのプロパティに対応する値です。この記述によって、HTML内の<p>タグで囲まれたテキストが指定したスタイルで表示されます。
さらに、複雑なデザインを適用するためには、クラスやIDなどのセレクタを使用して特定の要素に対しスタイルを適用します。たとえば、クラス名「highlight」に対して背景色を黄色に設定する場合は、以下のように記述しましょう。
.highlight { background-color: yellow; }
このようにプロパティや値の設定の仕方を理解することで、効果的なWebデザインの基盤を作成することが可能です。
「HTML」と「CSS」を適切に使いこなすことで、機能的で魅力的なWebページを構築できます。ここからは、基本的なWebページを作成するプロセスを、順を追って解説します。
まずは、これらの手順に従って基本的な流れをつかみましょう。
Webページ構築の第一歩は、「HTML」ファイルの作成から始まります。「HTML」はWebページの骨組みを形作り、基本的な構造を定義します。
たとえば、<html>タグで全体を囲み、<head>タグと<body>タグでセクションを分けることが一般的です。サンプルコードは以下のようになります。
<!DOCTYPE html> <html> <head> <title>タイトル</title> </head> <body> ここが本文です。 </body> </html>
このコードによって基本的な「HTML」ファイルの構造が作られ、これを基盤に各要素を追加していきます。
「CSS」ファイルは「HTML」と連携し、文字の色・大きさ・配置などのスタイルを調整する役割を果たします。「CSS」ファイルのサンプルコードは、以下の通りです。
body { background-color: #f0f0f0; font-size: 16px; color: #333; } h1 { color: blue; }
このコードにより、ページ全体の背景色やフォントサイズを設定し、見出しタグ<h1>の文字色を青に変更できます。「CSS」ファイルを作成し、「HTML」ファイルとリンクさせることで、Webページに個性や見やすさを加えることが可能です。
ここでは「HTML」ファイルに「CSS」を読み込ませるための方法として、以下の2つを紹介します。
外部「CSS」ファイルを「HTML」に読み込ませることで、デザインの統一とメンテナンスが容易です。読み込む方法は非常にシンプルで、「HTML」ファイルの<head>タグ内に以下のようにリンクタグを記述します。
<link rel=”stylesheet” href=”styles.css”>
このコードは、”styles.css”という名前の外部「CSS」ファイルを現在の「HTML」ファイルと関連付けています。このようにすることで、同じ「CSS」を複数のHTMLページに適用でき、サイト全体のデザイン変更も一箇所でおこなえるため効率的です。初心者にも取り入れやすい方法で、多くのWebページ開発において用いられています。
「HTML」ファイル内に直接「CSS」を書き込む方法は、特定のページにのみ適用されるスタイルを素早く実装する場合や、少量のスタイル変更のみをおこなう場合に便利です。
また、この方法でスタイルを記述すると、外部「CSS」ファイルを読み込む必要がなくなるため、とくに小規模なサイトやページでは読み込み時間が短縮される可能性があります。具体的なサンプルコードは以下の通りです。
<style> body { background-color: lightblue; } h1 { color: navy; } </style>
このコードを「HTML」ファイルの<head>タグ内に挿入すると、そのページにのみ指定されたスタイルが適用されます。ただし、複数のページで同じスタイルを使用する場合や、大規模なサイトでは外部「CSS」ファイルを使用し、キャッシュの恩恵を受ける方が効率的といえるでしょう。
「HTML」内の「CSS」の優先順位の決まり方は、一般的に後述されたコードの方が先述されたコードより優先されます。例として、以下のサンプルコードについて考えましょう。
<!DOCTYPE html> <html> <head> <style> p { color: red; } p { color: blue; } </style> </head> <body> <p>ここが本文です。</p> </body> </html>
この場合、段落の文字色は青になります。なぜなら、後述したスタイルが優先されるからです。しかし、IDセレクタやクラスセレクタが同じ要素に適用されている場合、その詳細度によって優先順位が変わることもあります。
したがって、同じ要素に対して複数のスタイルルールがある場合、この優先順位のルールを理解することがページのデザインを正確にコントロールするためは重要といえるでしょう。
「CSS」を使用してWebページを開発している際に、「CSS」のスタイルが思った通りに反映されない場合があります。
正しく設定しているつもりでも、どこかで障害が発生している可能性があります。ここでは、「CSS」で問題が発生した際に解決に役立つ3つのチェックポイントを確認してみましょう。
「CSS」ファイルが読み込まれていないとき、最初にチェックしたいのは記述内容に間違いがないかです。記述ミスがある場合、「CSS」は正しく反映されないことがあります。
この確認作業は、ブラウザのデベロッパーツールを活用することで効率的におこなえます。デベロッパーツールを開くと、反映されている「CSS」の内容が表示されるため、視覚的にどの部分が誤っているのかを素早く特定できるでしょう。デベロッパーツールは、多くのブラウザで「F12」キーを押すか、右クリックメニューから「検証」を選ぶことで開けます。
この方法で記述エラーのトラブルシューティングが容易になり、効率的に原因の特定が可能です。
「CSS」の記述では優先順位の問題が発生することがよくあります。
とくに同じプロパティに対する記述が複数存在する場合、どれが最終的に適用されるかは記述の順番に依存します。最もシンプルなルールとして、同じ特異性を持つセレクタであれば、後に記述されたスタイルが優先です。
しかしセレクタの特異性、インラインスタイルや!importantなどの宣言が存在する場合、これらの要因も優先順位に大きく影響します。
したがって、予期しないスタイルの上書きが発生した場合、その「CSS」コード全体を注意深く確認し、同じプロパティに対する記述が複数箇所に散らばっていないか、また他の優先順位の要因が影響していないかを確認する必要があるでしょう。
「CSS」ファイルが反映されていない場合、古いキャッシュがブラウザに残っていることが考えられます。
キャッシュはWebページの読み込み速度向上に使用されますが、更新された内容の反映の妨げになることがあります。とくに新しい「CSS」が追加された際には、この問題が発生しやすいです。
Windowsの場合、CtrlキーとF5キーを同時に押すことで、キャッシュを無視してページをリロードできます。この操作によって、最新の内容が正しく表示されるかどうかを確認できるため、開発中や更新後のチェックには欠かせない操作です。
「HTML」と「CSS」は、検索エンジン最適化(SEO)に対して直接的な影響を持たないという認識が一般的ですが、実際には間接的に影響を及ぼすことがあります。
とくに、冗長なコーディングや必要以上に長いコードは、ページの処理速度や表示速度を遅らせる可能性があるのです。表示速度の遅延はUX(ユーザー体験)を低下させることが知られており、このようなUXの低下は検索エンジンのランキング要因のひとつとして取り入れられています。
表示速度は良質なコンテンツかどうかの判断要素のひとつであるため、簡潔で効率的な「HTML」と「CSS」の記述はSEO対策の一部として非常に重要です。
影響はそこまで大きくはないものの、「HTML」と「CSS」の効率的な使用は検索結果の順位の向上には欠かせないといえるでしょう。
「HTML」と「CSS」の学習は、Web開発の基礎を理解するために必要です。ここからは、「HTML」と「CSS」を学習する方法を紹介します。
これらの方法を通して「HTML」と「CSS」の基礎から応用まで効果的な学習が可能です。
書籍での学習は、誰でも手軽に始められる「HTML」と「CSS」の学習方法のひとつです。
書籍を購入し内容を読みながら実際にコードを書くことで、基礎からしっかりと学習できます。参考書によっては基礎から応用まで多岐にわたる内容をカバーしているため、プログラミング学習が初めての方でも、概念的な部分の理解にも役立ちます。
書籍での学習のよい点は、自分のペースで進められることです。またテキストで勉強するだけではなく実際にコードを自分で書き、インプットとアウトプットをおこなうことで、さらなるスキルアップが期待できるでしょう。
書籍には初心者向けから専門的なものまで幅広く出版されているため、自分の学びたい内容に合わせて選択が可能です。独学に最適な書籍での学習で、「HTML」と「CSS」のスキルを習得しましょう。
「HTML」と「CSS」を学びたいと考えている方にとって、プログラミングスクールに通う方法も選択肢のひとつです。
プログラミングスクールでの学習の最大の特徴は、専門の講師が直接指導してくれるため、学習途中での疑問や困ったことをすぐに解決できる点にあります。プロのサポートにより、自主的に学ぶよりも効率的にスキルを習得できるでしょう。
プログラミングスクールによっては通学の費用が発生しますが、個々のニーズに合ったカリキュラムや他の受講者とのネットワークなど、そこでしか得られないものも多々あります。とくに一人ではなかなか学習を進められない方や、人に教えられながら着実に学びたいと考えている方にとって、スクールでの学習は有効な手段といえるでしょう。
「HTML」と「CSS」の学習には、オンライン学習サービスを利用する方法もあります。
オンライン学習サービスの魅力は、初心者から上級者まで幅広い講座が用意されているため、自分のスキルレベルに合わせた学習が可能なことです。また、Udemyに代表される動画買い切り型サービスを利用する場合、一度購入すれば何度でも視聴できるため、わからないところを何度も確認しながら進められます。
自分のペースで学びたい方や、忙しい日々の中で効率的に学びたいと考える方にとくにおすすめの学習方法です。
Web開発の基礎となる「HTML」と「CSS」を学ぶために、どの学習サービスが最適か迷うことがあるかもしれません。ここからは、「HTML」と「CSS」を効率的に学習できるおすすめのオンライン学習サービスを3つ紹介します。
これらのサービスにはそれぞれ特色があり、自分の学習スタイルや目的に合ったものを選ぶことが大切です。
Progateは、プログラミング初心者向けに特化した学習サービスで、「HTML」と「CSS」が学べるカリキュラムもあります。
Web上で手軽に学べるインタラクティブ(双方向)なレッスン形式が採用されており、実際にコードを書きながら学べるのが特徴です。レッスンは段階的に進められ、初心者から中級者まで簡単に学べる内容になっています。
スマートフォンやタブレットからもアクセスできるため、場所を選ばずに学習が進められるのもメリットです。
とくに、自分のペースで学びたい方におすすめのサービスといえるでしょう。
ドットインストールは、「HTML」と「CSS」の学習におすすめのオンラインプラットフォームです。
ドットインストールでは、3分ほどの短い動画を通じて、一つひとつの概念やコーディングテクニックを効率的に学習できます。初心者向けに基本から丁寧に解説されており、経験者にも新しいスキルの習得に役立つ内容がそろっています。
手頃な月額料金で、多岐にわたる講座にアクセスできるため、自分のペースで学びたい人におすすめの学習法です。
「HTML」と「CSS」の基礎から応用までをしっかりと学びたい方は、ドットインストールの検討をおすすめします。
Udemyは、世界中の講師によるオンライン講座が提供される人気の学習プラットフォームで、「HTML」と「CSS」の学習にも幅広いコースが用意されています。
初心者から上級者までさまざまなレベルの講座があり、自分の学習ペースや目的に合ったものを選択できます。一度購入すると何度でも視聴できるため、理解が深まるごとに反復学習が可能です。Udemyは頻繁にセールをおこなっており、高品質な講座を手頃な価格で受講できる点もメリットでしょう。
自分に合ったコースを見つけやすい環境が整っているため、初心者から上級者までオンライン学習を考えている方におすすめのサービスです。
「HTML」と「CSS」は、Web開発の基本となる技術です。「HTML」はWebページの構造を定義し、「CSS」はデザインやレイアウトを制御します。この2つの言語をマスターすることで、初心者でも簡単にWebサイトの制作が可能です。
「HTML」や「CSS」の学習方法は、書籍・オンライン学習サービス・プログラミングスクールなど、多岐にわたります。自分のペースとスタイルに合ったものを選んで、エンジニアとして一歩を踏み出してみましょう。
2024.06.17
子供におすすめのプログラミングスクール10選!学習メリットや教室選びのコツも紹介
#プログラミングスクール
2022.01.06
【完全版】大学生におすすめのプログラミングスクール13選!選ぶコツも詳しく解説
#プログラミングスクール
2024.01.26
【未経験でも転職可】30代におすすめプログラミングスクール8選!
#プログラミングスクール
2024.01.26
初心者必見!独学のJava学習方法とおすすめ本、アプリを詳しく解説
#JAVA
2024.01.26
忙しい社会人におすすめプログラミングスクール15選!失敗しない選び方も詳しく解説
#プログラミングスクール
2022.01.06
【無料あり】大阪のおすすめプログラミングスクール14選!スクール選びのコツも紹介
#プログラミングスクール
2024.01.26
【目的別】東京のおすすめプログラミングスクール20選!スクール選びのコツも徹底解説
#プログラミングスクール
2024.01.26
【無料あり】福岡のおすすめプログラミングスクール13選!選び方も詳しく解説
#プログラミングスクール
2024.01.26
【徹底比較】名古屋のおすすめプログラミングスクール13選!選び方も詳しく解説
#プログラミングスクール
2024.01.26
【徹底比較】おすすめのプログラミングスクール18選!失敗しない選び方も徹底解説
#プログラミングスクール