Pythonは最新の人工知能研究や自動化ツールとして幅広く活用されており、初心者の方も習得しやすいプログラミング言語です。今後も人工知能に対する需要が高まっていることから、Python技術者の需要も合わせて高まることが予想されます。
この記事ではPythonで具体的に何ができるのか、Pythonを学習することのメリットは何か、さらに学習方法もあわせて初めての方にもわかりやすく紹介します。
目次
まずは「Python」がどういうものか解説します。「Python」は、1990年代に生まれたプログラミング言語で、「わかりやすく、読みやすい」点を重視して設計されました。2000年代までは、使いやすいプログラミング言語のひとつで、そこまでメジャーではありませんでしたが、2010年代からAIのプログラミングに活用できるとして、需要が高くなりました。
他の言語と比べてPythonはシンプルな文法で構成されており、学習に必要な時間や難易度は比較的低めです。そのため、プログラミングを学びたい初心者にはおすすめの言語です。
Pythonは文法がシンプルであるにもかかわらず、用途が多岐にわたります。実際に最新の人工知能研究やWEBアプリケーションの開発など、幅広い分野で活用されています。ライブラリやフレームワークが豊富なため、プログラムをすべて書かなくても便利な処理を簡単に構築することが可能です。
豊富な機能とシンプルな文法という特徴が、世界中のプログラマーから愛されています。
世界中の研究者や会社がPythonでシステム開発を行う理由としては、Pythonが幅広い分野で活用されている点が大きいです。ここからは幅広い分野で活用されるPythonが、具体的にどういった分野の開発が可能なのかを紹介します。
WebサービスやWebアプリの開発にもPythonは活用されています。Webサイトの開発には基本的に、HTML、 CSS、JavaScriptといった言語が使用されることが多いです。このほかにも、データベース間でデータを通信するために、、一般的にPHP, Ruby, SQLなどの言語を用いて通信を行います。しかし、複数言語を用いるため、サイトの構築に時間がかかってしまいます。
PythonではいくつかのWebフレームワーク(アプリケーション開発で頻繁に利用される機能をまとめた枠組み)があるため、フレームワークを使うことでサイト上の同じ処理を共通化したり、データベースを簡単に操作したりすることが可能です。
Pythonにあるライブラリ(よく利用される機能を抽出して、まとめたもの)を使うと、サイト上に表示されるデータを自動的に収集し、そのデータを解析・分析することが可能です。グラフ化することで、より理解しやすいデータ処理が実現できます。
特にビッグデータが重要視される現代では、スクレイピングを代表するデータ収集の処理や監視はPythonが良いと考えられています。
例えば通販サイトでいつも品切れの商品があり、在庫があるか確認するのが大変なときは、スクレイピングによって自動的に在庫のある・なしを確認し、在庫を確認したら知らせるプログラムを開発することもあります。データの収集と分析が必要なシステムにおいてPythonは大きな存在感を発揮するのです。
Pythonには、人工知能の構築が可能なライブラリが数多く存在します。有名なものではGoogle開発した「TensorFlow」や、簡単に顔の検出といった画像認識が可能な「OpenCV」があります。
複雑なアルゴリズムやデータ処理が要求される人工知能の開発、研究では、どうしてもコードが複雑で長文になってしまいます。そのため、短い文字数でコーディングができるシンプルな文法の言語が好ましく、Pythonは最適な言語だと言えます。
スクレイピングによってビッグデータを収集し、人工知能の学習データとして活用できるだけでなく、人工知能の性能を調べるためにグラフにするといったライブラリの組み合わせによる処理が可能になります。
「ブロックチェーン」とは、暗号技術によって正確な取引履歴を実現する技術で、システム障害やデータの破壊・改ざんのリスクが比較的少ないです。仮想通貨に代表されるブロックチェーン技術を開発するには、人工知能と同様にシンプルな文法のプログラミング言語が好まれます。また、Pythonには暗号化のライブラリも存在するため、比較的簡単に開発することが可能です。
なぜPythonは、プログラミング初心者でも比較的学習しやすいのでしょうか。ここからはPythonが初心者向けとされる理由や、Pythonの知識やスキルを身につけることで得られるメリットについてわかりやすく紹介します。
先述している通り、「Python」は初心者でも理解しやすいほどシンプルな文法で構成されています。プログラミングの学習において「文法が理解しづらく、挫折してしまった」という方でも、このプログラミング言語であれば学習しやすくなるのではないでしょうか。
例えば、あるプログラミング言語は1行の終わりに必ず;(セミコロン)を記述しなければエラーになったり、人によって記述がバラバラになったりすることがあります。JavaScriptとPythonで同じ処理を記述した場合は、以下の通りです。
【 JavaScript 】
let array = [1, 3, 0, 5, 4];
for(var i=0;i<array.length;++i) {
console.log(array[i]);
}
【 Python 】
array = [1, 3, 0, 5, 4];
for i in range(len(array)):
print(array[i])
どちらも同じ処理内容ではありますが、Pythonの方がシンプルなコードであることが一目瞭然かと思います。Pythonでは1つの宣言や処理の終わりとしてのセミコロンを記述する必要はない上に、中括弧もほとんど必要ありません。また、Pythonは特有のインデントの文法により、誰が書いても同じようなプログラムになるため、他の人が書いたプログラムでも簡単に理解できます。
Pythonは人工知能やブロックチェーンなどといった、時代の最先端をいくさまざまな研究に活用できるほか、プロジェクトに必要な処理を追加実装しやすいので、スキルアップも見込めます。将来的にも高収入が期待できます。特にPythonが活用されている人工知能の分野は今後も技術者の需要が高まることが予想されることから、平均的に年収が高くなると考えられています。
活躍する分野が幅広いため、Pythonを得意とするプログラマーの需要は高いと考えられています。そのためPythonの技術を持っていることは、就職や転職においても有利であるといえます。Pythonで一定レベルのスキルや知識を持っていることを証明できれば、自動化ツールを開発できるため、一般企業でも需要がある可能性が高いです。
PythonのエンジニアはWebアプリの開発においてもパフォーマンスを発揮する可能性があるため、多くの企業から必要とされています。
プログラミング言語の学習には、「本」や「学習サイトを利用した独学」、「プログラミングスクール」「専門学校」の4通りがあります。ますは「自分にとって最適の学習方法はどれか」を調べることが挫折しない学習の鍵です。それぞれの特徴を深堀りし、どの方法が自分にとってベストかを考えてみましょう。
書籍では自分のペースで学習を進められるため、無理なくスキマ時間でプログラミングを覚えたい方に適しています。Pythonは人気の言語なので、多くの入門本があり、口コミを参考にして選ぶことが大切です。書籍のコードは基本的に動作することが確認されたコードであるため、古すぎるバージョンでない限り、多くのエラーは発生しにくいと考えられます。
書籍を選ぶ際のポイントは「自分が理解できる解説・サンプルコードが記載されているかどうか」です。プログラミングは読むだけでは学習できません。実際にコードを書き、実行して発生したエラーに対処することで、正しい書き方を理解できます。購入前に何冊か手に取ってみたうえで「わかりやすい」「やってみたい」を基準に選ぶことがおすすめです。
プログラミングを学習サイトで学習するメリットは、手軽にプログラミングの学習を始められる点です。学習サイトによっては、無料で利用できる場合も多いため、費用をかけずに学習できる点も魅力のひとつです。
ただしWebサイトで学習する場合は、「何をしたいか」を常に考えて検索する必要があります。無料で大量の情報を得られるメリットはありますが、情報の正確性が保証されていない点や初心者にとっては効率が悪いといったデメリットがあることは、認識しておきましょう。
サイト以外にプログラミングを学習する方法として、YouTubeといった動画を利用する方法が挙げられます。YouTubeで「Python 入門」と検索すると、いくつもの動画が検索結果に表示されるため、その中から自分がわかりやすいものを選ぶとよいでしょう。
シリーズ動画を投稿している方もいるため動画で学習することで、Pythonのプログラミングに関する一定の知識を得られます。英語が得意な方であれば海外の方の動画も参考にしてみましょう。動画を見ながら同時にプログラムを記述することで、学習内容が定着しやすくなります。
プログラミングスクールや専門学校で学ぶ方法は、しっかりとお金をかけて確実にプログラミングを学習したい方におすすめの方法です。プログラミングスクールであればプログラミング学習のプロが、学ぶ人のレベルに合わせて理解しやすいようにカリキュラムを組んでくれます。また、わからないところは即座に質問できるため、心置きなく学習できます。
ただプログラミングスクールや専門学校で学んだだけでは、実践的なプログラムが組めるスキルが得られないことがほとんどです。プログラミングの技術や習得しなければならない知識は日々増えていくため、卒業しても独学の必要性がありスクールに通ったあとも自主的な学習が求められます。なので、実務に必要な知識やスキルを学習できるスクールを探してみましょう。
ここでは初心者が基本から学習できるスクールを紹介します。それぞれの特徴を抑え、どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
「テックアカデミー」は、オンラインでプログラミングを学習できるサービスです。独学では「何を学習したら良いのかわからない」といった場合がありますが、テックアカデミーはメンター制度があるため、心置きなく学習できる環境が整っています。効率的な学習を可能にし、短期間での習得を実現できます。
テックアカデミーでは一度入会すると終了後もカリキュラムを見ることができ、期間内に理解できなかった場合でも後から自分で学習し直すことができます。主体的に学習を進められる方であれば適したスクールだといえます。ただし、質問を自分から行い、わからない箇所は追加で検索をする前向きさが必要です。
オンライン学習に特化したスクールであり、実践的なカリキュラムを個人的な指導で受けることができます。講師は大手IT企業で勤務経験のあるエンジニアを中心で、質の高い講義を受けられる点が特徴です。
レッスンの満足度も97%を超えており、受講生からの評価が高いこともわかります。また、マンツーマンでの講義を実施しているため、受講生の理解スピードに合わせた学習が可能です。社会人の方でもお仕事をしながらでも学習を進められます。
「侍テラコヤ」は月額2,178円(税込)からの安い価格でWebデザインやプログラミングを学習できるサブスクリプション方式のオンラインスクールです。
プログラミング初心者が基礎を学ぶためのサービスであるため、挫折しにくい環境を追求したサービスと言えます。月に1度、現役エンジニアがマンツーマンでレッスンを行い、難しい点や悩み事を相談できるフォロー体制が整っています。
ユーザーが疑問や質問、不安などを投稿できる掲示板が用意されており、投稿するとプロが回答してくれます。好きなコースを選んで学習できるので、充実した学習が実現できます。
Pythonを学習するためには、抑えておきたいポイントがいくつかあります。これらのポイントを抑えて勉強することで、挫折せずに学習できるようになります。ぜひ学習を始める前に確認してみてください。
初心者の場合、学習の目的が明確でないと何をすれば良いのか見当がつかないことがあります。
「〇〇ができるツールを作りたい」といった目標を立てる場合は、どのような知識やスキルを身につけなければいけないのかを事前に調べておきましょう。自分がやりたいことを実現するために必要となる知識を、どのくらいの期間で学習をするか計画を立てると、確実に理解を進められます。
まずは全体像を知り、基本的な文法を理解するため、入門サイトや動画を参考にしてみましょう。実際にコードを書き、実行して結果を確認すると、より一層理解が深まります。
新しく勉強を始める場合は、自分がわからないことを聞ける環境を作っておくことは非常に重要です。わからない部分を放置しておくと、他の知識の習得の妨げになったり、学習の意欲が落ちてしまったりしてしまいます。
しかし、一人での学習では限界があるため、他人にわからないことを聞くことが大切です。もしも身近にプログラミングに詳しい人がいない場合は、Webサイトに現役エンジニアの方や同じプログラミングの勉強をしている方が回答してくれるサービスを利用する方法があります。これらのサービスを活用しながら、わからない部分をそのままにしない環境を作りましょう。
プログラミング初心者にとって最初の大きな壁は「環境構築を構築すること」です。プログラムを実行できる環境さえ整えば、実際にプログラムを書き、エラーに対処することで理解を深められる環境が整います。環境構築の方法はWebで検索すると、多くの情報が見つかるでしょう。できるだけ更新日が新しいサイトを参考にすることで、最新の環境構築ができるためおすすめです。
また、サイト上でもプログラムを実行できるサービスがあります。ローカルではVSコード、オンラインではGoogle Colaboratoryといったインストールや難しい設定が不要な環境を利用しましょう。Pythonの環境構築の方法は次の章で紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
実際にPythonのプログラムを実行する環境を構築してみましょう。WindowsやMacなどのOSによって、具体的な環境構築方法が異なりますが、流れとしては共通しています。自分の環境と合った方法で構築してみましょう。
Windowsの場合は、Pythonの公式ホームページに用意されているインストーラをダウンロードします。2022年9月時点の最新バージョンは「Python 3.10.7」です。インストーラをダウンロードしたら、EXEファイルを実行し、指示に従ってインストールしましょう。
Pythonをインストールできたらメモ帳でプログラムを書いても実行できますが、文字がすべて同じ色であり、プログラムが見づらくて効率的ではありません。そこで、「Visual Studio Code」というMicrosoftが提供するテキストエディタをおすすめします。このソフトではプログラムに色をつけ、読みやすくする上に、間違いを指摘する機能もあります。
さらに拡張機能によって、機能の追加が可能です。無料で利用でき、数多くの言語に対応しているので、このソフトを使用すれば基本的に問題ありません。
インストールはこちらのURLから行います。
https://code.visualstudio.com/
仮想環境とは自分のパソコンとは異なる環境のことであり、複数人で行うプロジェクトの場合などで言語やライブラリのバージョンを統一するために使用されるものです。Windowsで環境を構築する場合を例に、仮想環境の構築方法を紹介します。
まずはPythonを起動して以下のコードを入力してください。
python3 -m venv sample(環境名)
実はこれで仮想環境の構築自体は完成しています。しかし、完成しても動かすためのコマンドを入力しなければ動きませんので、仮想環境に移動した後に起動のコマンドを入れましょう。
cd sample
source sample/bin/active
終了の際はこちらを実行します。
deactive
プログラミング初心者でも、Pythonの知識やスキルを身につけることは可能です。機械学習の分野だけではなく、Webサービスやアプリケーション開発でも利用されているため、Pythonは将来性の高いプログラミング言語といえます。
さらにPythonは書籍・学習サイト、学習のための動画も豊富にあるため、自分にあった学習方法で知識とスキルを習得することができ、初心者にとって最適な言語です。
プログラミング自体に難しいイメージを抱く方も少なくありませんが、いずれの言語でも慣れと実践が必要です。比較的簡単なPythonからプログラミング学習を始め、プログラミング全般の知識を深めてみましょう。
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