このような悩みがあるのではないでしょうか。PHPは多くのWebサービスで利用されている人気のプログラミング言語です。また、他のプログラミング言語と比べて文法がシンプルでわかりやすいため、初心者にも学びやすい言語とされています。
しかし初心者の方がPHPを独学でいざ学習しようと思っても、何から始めたら良いのか、どのくらいの期間が必要なのかわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、PHPの独学で必要な学習期間や具体的な学習方法や学習手順について詳しく解説します。この記事を読めば、PHPの概要や学習するメリットが理解でき、自分に合った学習方法をすぐに始められます。
目次
プログラミング初心者の方でも、PHPを独学で学習することは可能です。しかしPHPを習得するには、PHPそのものだけではなく関連する多言語や他技術も学ぶ必要があります。そのため学習に時間がかかる傾向にあることは、念頭に置いておきましょう。
PHPは文法がシンプルでわかりやすく初心者におすすめの言語ですが、一人でプログラミング学習を継続することは簡単なことではありません。挫折せずにしっかりとPHPを習得するためには、効率的な学習手順で一つひとつ着実に身につけていくことが大切です。
目標を持ってコツコツと学習を継続できれば、独学でもしっかりとPHPを習得することができます。
PHPの独学に必要な学習期間の目安は、3ヶ月程度です。前述したように、PHPを習得するには関連する多言語や他技術の知識も必要です。具体的には、HTMLやCSSなどのマークアップ言語や、MySQLなどのデータベースの知識などがあげられます。
これらの学習も含めた期間として約3ヶ月とされていますが、仕事や学業の忙しさによって日々の学習にあてられる時間は個人差があるでしょう。そのため人によってはさらに多くの時間を要する場合があります。自分に合った方法でなるべく効率よく学習を進めましょう。
PHPを独学で学習するにはさまざまな方法があります。ここでは、それぞれの学習方法のやり方やメリット・デメリットなどについて解説します。
1つ目は、Webサイト・アプリで学習する方法です。会員登録をすれば、パソコンやスマホでどこでも好きなときにプログラミング学習ができます。無料で学べるコンテンツも多いので、費用を抑えられることもメリットです。
デメリットはサイトによっては情報がまとまっていないことが多く、体系的に学ぶことが難しい点です。サイトやアプリの選び方が重要になってくるでしょう。
初心者の方におすすめの学習サイトは「Progate(プロゲート)」です。イラストを使ったコンテンツは非常にわかりやすくまとめられており、プログラミング未経験の方でも安心して始められます。
またプログラミングを書くための環境構築は不要です。サイト内に用意されている環境でプログラムを書きながら学べるので、実際のプログラミングの雰囲気が掴めます。
無料版で学べる範囲で学習してみて、自分に合うと感じたら有料版に登録すればさらに多くのコースで学習ができます。
2つ目は、本で学習する方法です。本で学習するメリットは情報がまとまっており、体系的に学ぶことができる点です。また仕事や学業で忙しい人でも隙間時間を使って、自分のペースで学習を進められます。
デメリットはPHPに関する書籍はたくさん販売されているため、自分に合った書籍を選ぶことが難しい点です。自分のレベルに合わない書籍を選んでしまうと、理解できずに途中で学習をあきらめてしまうかもしれません。
初心者の方は「入門編」や「基礎編」といったタイトルのわかりやすい内容の書籍を選ぶようにしましょう。
おすすめの本は「誰もがあきらめずにすむPHP超入門」です。タイトルのとおり、初めてPHPを学ぶ人でもわかりやすいようにPHPの基礎がしっかり解説されています。実際に簡単なプログラムを作成して動かしながら進めるため、楽しみながら学習できます。
3つ目は、動画・オンライン講座で学習する方法です。メリットは映像で学ぶ方法はとてもわかりやすいことです。文章を読むことが苦手な方でも映像なら頭に入りやすいでしょう。
デメリットは、動画内の解説者のペースで進むため、自分のペースで学ぶには何度も巻き戻して見返したり、停止したりする必要があり少しわずらわしいかもしれません。しかしコンパクトにまとめられている動画であれば、隙間時間を利用して気軽に視聴することもできるでしょう。
おすすめの動画学習サイトは「ドットインストール」です。1つのコンテンツが3分間の動画で作成されています。PHPだけでもたくさんのコンテンツが用意されているのも嬉しいですね。
入門編であれば無料で視聴できるので、気軽に試して自分に合うコンテンツか確認してみると良いでしょう。
4つ目は、勉強会に参加して学習する方法です。プログラミングの勉強会とは、プログラマーやITエンジニアを職業とする人たち、または学習中の方が集まって行われる技術向上や情報交換を目的としたイべントです。
初心者の方にとっては少しハードルが高く感じるかもしれません。しかし自分と同じようにプログラミング学習をしている人と交流することは、多くのメリットがあります。
たとえば一人で学習していては得られない、思わぬ情報や知識に出くわすことも多いです。人脈を広げてたくさんの人の話を聞くことで、学習のモチベーションの向上も期待できます。
勉強会の探し方としておすすめなのは「compass」というサイトを利用することです。compassはIT勉強会支援のプラットフォームで、興味のあるカテゴリや自分の住む地域で開催される勉強会の検索ができます。
どのような勉強会が行われているのか、一度調べてみてください。
ここでは、PHPの具体的な独学の学習手順とロードマップを紹介します。以下の手順で学習すれば、PHPを効率よく習得することができます。学習する内容は多いですが、正しい順番で一つひとつ身につけていきましょう。
まずはじめにHTML、CSS、JavaScriptの基礎を学びます。これらはWebサイトを作成するうえで必ず必要になるからです。
HTMLはWebサイトの骨組みとしての役割、CSSはWebサイトを装飾する役割、JavaScriptは動きのあるデザインを実装する役割をそれぞれ担っています。
PHPはJavaScriptと同じく動きをつける役割ですが、これら2つの違いはコードの処理が行われる場所です。JavaScriptはユーザー側のブラウザで処理されるのに対し、PHPはサーバー側で処理されます。これにより実装される機能が違うのです。
書籍や学習サイトを利用してそれぞれの基礎を学び、Webサイトはどのように作成されるのか概念を理解しておきましょう。
次に、PHPの基礎的な文法や構文を学びましょう。HTMLやCSSに比べると少し複雑になりますが、ひとつずつゆっくり理解していきましょう。実際に手を動かしてコードを書いてみることで頭に入りやすくなります。
PHPコードは 「<?php」 で始まり、「 ?>」 で終わります。以下に主な文法を紹介します。サンプルコードはすぐに理解するのは難しいかもしれませんが、PHPでできることとしてまずは参考程度にご覧ください。
変数とは、「データを入れておく箱」の役割のことです。変数に値や文字列を代入することで、繰り返し使用することができます。
サンプルコードでは「name」という名前の変数の中に「山田太郎」という文字列が保存(代入)され、echo文でname変数の中身である山田太郎を表示させています。
サンプルコード
<?php
$name = “山田太郎”;
echo $name;
?>
表示結果:山田太郎
条件分岐if文は、条件に合わせて処理を分岐させます。「if(条件式) {処理} else{処理}」を使って条件を増やしたり、複雑な条件に対応させたりと、さまざまな処理に使えるので便利です。
サンプルコードでは$numが10以上の場合とそれ以外で条件分岐しています。10以上で「Over10」、それ以外で「Under10」と表示されます。
サンプルコード
echo “Over 10”;
} else {
echo “Under 10”;
}
?>
表示結果:Under 10
ループ処理とは、同じ処理を繰り返したいときに使用します。実行したい処理を1回だけ記述すれば、それを繰り返してくれるのがループ処理です。
PHPではループ処理の際に用いる構文はいくつかありますが、今回はfor文を紹介します。「for(初期値の定義式;条件式;増減式)」と記述します。
サンプルコードでは$numが5以下である場合、値を1増やす処理が繰り返されます。$numが6以上になるとループが終了します。
サンプルコード
<?php
for($num = 1; $num <= 5; $num++) {
echo $num.’ ‘;
}
?>
表示結果:12345
関数は、いくつかの処理をまとめて名前をつけて定義したものです。
プログラムを書いていると決まった処理をさまざまな場面で使いたいことがあります。複雑な処理をまとめて関数として定義しておけば、関数を呼び出して何度も使うことができます。
関数を定義するときは「function 関数名 (){処理}」を使います。サンプルコードでは関数outputNameに処理を定義し、最後に呼び出しています。outputNameを呼び出すことで、何度も同じ処理ができます。
サンプルコード
<?php
function outputName( ){
$name = “山田太郎”;
echo “私の名前は” . $name . “です。”;
}
outputName( );
?>
表示結果:私の名前は山田太郎です。
クラスとは、簡単に言うと何かを実行するインスタンス(実体)を作るための設計図のようなものです。プログラムの処理をまとめたもので、クラスの中にはプロパティ(変数)とメソッド(関数)の定義を記述します。
クラスを使用しない場合、何かを作るときにひとつひとつ自分でプログラムを記述しなくてはなりません。似たようなものを作る場合、一度設計図(クラス)を作っておけば共通で使う部分は使い回せます。
サンプルコードではPeopleというクラスを定義しています。プロパティ(変数)として$nameを、メソッド(関数)として$nameに値を設定するsetName()と、$nameの値を参照するgetName()を定義しています。
クラスの考え方は少し難しいかもしれませんが、クラスを使いこなせれば大規模なWebサイトを作ることも可能なので、徐々に慣れていきましょう。
サンプルコード
<?php
class People {
private $name;
function setName($name) {
$this->name = $name;
}
function getName() {
return $this->name;
}
}
PHPの基礎知識が身についたら、実際にPHPを実行する環境を構築しましょう。構築方法を2つ紹介します。
1つめはPHPとWebサーバの「Apache」をそれぞれインストールする方法です。PHPとApacheは「Windows」、「Mac」、「Linux」などさまざまなOS上にインストール可能です。
2つめは「XAMPP(ザンプ)」という無償のソフトウェアを使用する方法です。こちらはWebアプリケーションの実行環境を構築するもので、一括でPHPやApache、データベースの「MySQL」などがまとめてインストールできます。
簡単にPHP環境の構築ができますので、初心者の方にはとてもおすすめです。XAMPPについては以下のサイトを参考にしてください。
XAMPPをサクッとインストールする方法と使い方を徹底解説!
PHPを動かせる環境が整ったら、これまで学習したPHPの基本的な文法やHTML、CSS、JavaScriptも組み合わせて簡単なアプリを作成してみましょう。
書籍や学習サイトをを参考にしてもいいですし、インターネット上にはさまざまなPHPアプリのプログラムが公開されています。初心者におすすめなのは電卓アプリです。以下を参考にしてください。
【HTML・PHP縛り】新人研修で電卓アプリを作るらしいのでちょっと作ってみた
公開されているプログラムを読んでどうしてこのように動くのか考えながら、自分の環境にコピペして試してみるだけでも勉強になります。ぜひ試してみてください。
次に、データベースについて学習しましょう。PHPを習得するうえでデータベースの知識は欠かせません。
データベースとは大量のデータを保存する場所で、顧客データや商品データなどを格納するのに使われます。開発中はデータベースからデータを取得したり変更したりすることがあり、PHPはこの処理を実行するのに使うものです。
データベースの中でも「MySQL」は特に、PHPと相性が良いとされています。データベースの学習方法は「Udemy」というオンライン学習サービスに用意されている以下のようなオンライン講座がおすすめです。
PHP + MySQL(MariaDB)Webサーバー境界入門
簡潔にわかりやすくまとまっているので、効率よくデータベースの仕組みや使い方について学べます。
次に、PHPのフレームワークを学習しましょう。
フレームワークとは、Webサイトの開発をする際に必要な機能をある法則にのっとって使えるように標準化したものです。プログラムの骨組みのようなものであり、開発効率が上がるので多くの企業でも利用されています。
いくつかあるPHPフレームワークの中でも「Laravel」は圧倒的な人気があります。簡単なアプリを自動生成できるのが特徴で、コードがわかりやすく習得しやすいのも魅力です。こちらも「Udemy」のオンライン講座が初心者の方にもわかりやすくておすすめです。
最後に、これまで学習した知識を総動員して本格的なアプリを作ってみましょう。フレームワークを活用することで機能的なアプリを作成できます。たとえばToDoリストなどのタスク管理アプリ、グループウェア、ログイン処理が必要な会員サイトなどさまざまです。
初心者がPHPを利用して作りやすいものとして掲示板がありますが、こちらを発展させて「Twitter」のようなアプリを作ることもできます。「Schoo」というオンライン授業サイトで講座も用意されていますので参考にしてみてください。
【PHP初級】Twitter風掲示板を作りながらプログラミングを学ぶ
作成したものはポートフォリオとしてインターネット上に公開するといいでしょう。たくさんの人に見てもらえます。また、IT企業への転職時やフリーランスとして活動する際に自分のスキルの証明にもなります。ぜひ挑戦してみてください。
PHPを学習すればさまざまなメリットが得られます。PHPを習得することは簡単ではありませんが、必ず役に立つでしょう。ここでは、PHPを学習する主なメリットを3つ紹介します。
PHPは他のプログラミング言語に比べて構文がシンプルで理解しやすいため、初心者にも習得しやすい言語です。
またメジャー言語であるために、インターネット上にPHPの情報は多く公開されています。そのため学習につまずいても検索すれば、すぐに答えを見つけられるのも習得しやすい理由でしょう。
PHPのエラーに関する質問も多く見つけられるので、同じエラーであった場合は回答を参照すれば解決できることが多いです。自分自身でエラーや疑問を解決できれば、学習をスムーズに進めることが可能です。
PHPはWeb開発で人気の言語であり、汎用性も高い言語です。大企業から中小企業まで多くの企業が開発にPHPを利用しています。そのためPHPの案件は豊富にあるのも魅力です。
PHPのスキルを習得すれば、PHPエンジニアとして仕事には困らないでしょう。
ITエンジニアは慢性的に不足しているため、PHPのスキルをしっかりと身につけた人であれば実務経験がなくても転職に有利になります。
PHPを学習すれば幅広い分野で活躍できます。PHPは汎用性が高く、さまざまな開発業務に利用されている言語です。その分野は多岐に渡ります。たとえば、以下のようなものがあげられます。
WordPressやFacebookなどの大企業をはじめ、世界中の企業でPHPを使った開発が行われているのです。PHPのスキルがあればフロントエンド、サーバーサイド、インフラ、アプリケーションのエンジニアとしてそれぞれ需要があり、多くの場で活躍できます。
参考: WordPressを使用したECサイト作成方法を解説|メリットやデメリットも合わせてご紹介 | OPENLOGI Mag.
PHPの独学は簡単ではありませんが、正しい手順で学習を続ければ効率よく習得することは十分可能です。しかしここまで読んでみて、独学での学習や継続することに不安を感じる方は、プログラミングスクールの受講も検討してみてください。
プログラミングスクールはコストがかかりますが、必要なカリキュラムがしっかり組まれていること、疑問点は講師に質問できることがメリットです。
学習者を挫折させない工夫がされているので、一人での学習に自信のない方はプログラミングスクールに投資することもおすすめです。
以下の記事で、おすすめのプログラミングスクールを紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
【徹底比較】おすすめのプログラミングスクール18選!失敗しない選び方も徹底解説
PHPは独学でも学習することができます。
周辺知識など学ぶことが多く時間はかかりますが、段階を踏んで基礎から一つひとつ順番に学んでいきましょう。
PHPはさまざまなサービスで幅広く利用されている人気の言語なので、サンプルコードなどたくさんの情報がインターネット上に公開されています。そのため初心者でも学習しやすい言語であり、学習方法の選択肢も多くあります。
これまで紹介した学習方法をいくつか試してみて、自分に合う方法を見つけてください。PHPは習得できれば長く使えるスキルになるので、ぜひ挑戦してみてください。
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