「C言語の入門の知識が知りたい」「C言語でプログラミングするときにはどんな準備が必要なの?」といった疑問を持つ方もいらっしゃるかと思います。特に初めて学習する方であれば、基礎からしっかり身に付けたいと感じるはずです。
この記事では、C言語の基礎知識や学習するメリット、開発環境の構築方法などを解説します。また、「入門書の選び方がわからない」方に向けて、おすすめの入門書も紹介します。初めてC言語を学習する方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
「C言語」 は、歴史が古く、世界中で広く使われているプログラミング言語のひとつです。実用性が高いプログラミング言語であり、幅広く応用できることから「まず初めに学習したい」人が多い言語といえます。
C言語は、デニス・M・リッチー氏とブライアン・W・カーニハン氏によって、1972年にアメリカにある「AT&Tベル研究所」で開発されました。現在はアメリカ国内だけにとどまらず、世界中で使用されるほどのさまざまな事例に活用され、現在使用されている多くのプログラミング言語の中でも歴史が長い言語です。
世界中で利用されているほど、使いやすい言語であり、プログラミングの基礎から習得できる言語です。ちなみに、C言語から派生したプログラミング言語もいくつかあるので、C言語を習得できると、派生したプログラミングにも適応しやすいです。
C言語の主な特徴は、以下の3点が挙げられます。
基礎的な内容が多いために、プログラミング言語を学ぶのが初めての方も学習することが多い言語です。汎用性が高く、初心者に利用しやすいだけでなく熟練者にとっても使いやすい言語といえます。使われる分野が限られるプログラミング言語もありますが、C言語は世界中の多くのシステムで使用されているのが大きな特徴です。
加えて、スマートフォンアプリの開発やゲーム開発、メモリ領域の管理やポインター演算など、ジャンルが違うプログラミングにも幅広く対応できます。自由度の高い言語であるだけでなくプログラミングの実行速度が速いのも特徴です。プログラムは人間に理解できる言葉ではありますが、コンピュータに理解させるためには翻訳をする必要があります。
C言語は、プログラムをすべて完成させてからコンピューターに理解できる言語に翻訳する「コンパイル方式」を採用しているため、高速でプログラムを実行できます。
C言語は歴史が古いため、新しいプログラミング言語よりも覚えなければいけない知識や文法が多めです。そのため、習得する難易度はやや難しく感じるかもしれません。さらに、コンピューターを構成するメモリやCPUに関する部分、ソースコードの入力にもそれなりの知識を持っている必要があります。
その代わり、学習するための教材は豊富です。インターネット上にもC言語習得のための教材が多数あり、言語の理解レベルに合わせた書籍も数多く出されています。そのため、学習のための環境は比較的整っているといえます。
C言語は習得難易度がやや高めとはいえ、学ぶメリットは多数あります。ここからは、C言語を学ぶメリットを3つ紹介します。これからC言語を学ぼうか迷っている方は、ぜひ理解しておきましょう。
C言語を学ぶことで、コンピューターの基本動作が学べます。C言語を学ぶことは、ソフトウェアだけでなく、ハードウェアに関しても知識を深めることができる絶好の機会です。
単にC言語というプログラミング言語を学ぶだけでなく「なぜコンピューターは動作するのか」といった知識までが必要になります。よって、C言語を学ぶということは「コンピューターの中身がどうなっているか」という基礎的な知識を深く理解することにつながるのです。
C言語は、ほかの言語よりも動作が高速な点がメリットです。画像解析の処理といった、どうしても時間がかかりがちな部分であっても、処理が滞ることがありません。どのような処理も比較的スムーズに行えるため、ほかのプログラミング言語に比べて高速での動作が可能となっています。
実際に、世界中で使われるプログラミング言語は数多くあるものの、C言語はその中でも処理速度においては最速を誇っています。
C言語を学ぶことで、他のプログラミング言語の学習にも役立ちます。プログラミング言語は数多くありますが、その中にはC言語が基礎となっているものもあります。「C++」や「Python」など、C言語が元となって作られているプログラミング言語を学ぶときに、C言語の知識があるのとないのとでは、学びやすさや理解度が異なります。
そのため、これから役立つプログラミング言語をいくつも習得しようと考えているなら、まずC言語を学ぶことをおすすめします。
C言語でプログラミングを行うには、事前の準備が必要です。ここでは、C言語でプログラミングを行ううえで必要な準備を解説します。どこから手を付ければいいかわからない方はぜひ参考にしてみてください。
C言語でプログラミングを行うためには、開発ツールをインストールする必要があります。開発ツールにはさまざまな製品がありますが、もちろんどれでもいいというわけではありません。開発ツールには、無償で使えるものと有償のものがあり、必ずしも有償の方がいいとは限りません。
今回は、無償で利用できる「Visual Studio Community 2022」を紹介します。「Visual Studio Community 2022」のインストール方法や、サインインの仕方などを詳しく解説していきます。これからC言語でプログラミングを行いたい方はぜひ試してみてください。
「Visual Studio Community 2022」は無償で提供されていますが、その機能は有償のものと変わりありません。インストールするためには、まずはダウンロードを行いましょう。
「Visual Studio Community 2022」のサイトにアクセスしてファーストビューで確認できる「Visual Studio のダウンロード」というボタンをクリックすると、すぐにEXEファイルのダウンロードが開始されます。
ダウンロードが終了したら、ダブルクリックしてインストールを開始してください。インストール開始前にいくつかの設定を行います、という画面が現れるため、「続行」をクリックします。すると、インストールが開始されます。インストール中に、ワークロードを選択する画面が現れるので、開発するアプリケーションに合わせて選びましょう。
(※ ワークロードの選択画面)
最後に画面右下にある「インストール」ボタンをクリックします。
Visual Studio Community 2022をインストールしたら、Microsoftアカウントでサインインしましょう。Visual Studio Community 2022のインストールが完了すると、Microsoftアカウントでのサインインを求められます。
しかし、Microsoftアカウントでのサインインを行わなくても起動自体は可能なので、「後で行う」ボタンをクリックしてから「Visual Studio 2022」を起動させることも可能です。「開発設定」と「配色テーマ」をそれぞれ選択して決定しますが、こちらは後でも変更が可能です。選択終了後に画面右下の「Visual Studioの開始」をクリックして、起動します。
右上に表示される「サインイン」ボタンをクリックして、Microsoftアカウントのメールアドレス・ログイン用パスワードを順に入力するとサインインが完了します。
C言語では、プログラムをコンパイルする必要があります。そのため、プログラムのコンパイルについて、コンパイルの基本情報と併せて紹介します。C言語には必須技術なので、ぜひ覚えておきましょう。
「コンパイル」とは、プログラミング言語を機械語に翻訳する作業のことです。人が書くソースコードは、人が理解できる言葉であって機械が理解できるわけではないため、ソースコードを機械語に翻訳する作業が必要になります。
その作業がコンパイルです。スペルミスや文法ミスといったコンパイルがなければコンパイルすることによって実行ファイルが生成されるので、実行してみましょう。特に問題がなければ、プログラムが実行されます。ちなみに、コンパイルするプログラムを「コンパイラ」と呼んでいます。コンパイルするためには、この「コンパイラ」をインストールする必要があります。
コマンドプロンプトを起動するには、あらかじめ用意されている「開発者コマンドプロンプト」を活用します。アプリ一覧から「Visual Studio 2022」をクリックして、さらに出てきた「開発者コマンドプロンプト for VS 2022」をクリックしてください。それだけで、開発者コマンドプロンプトが起動します。
コマンドプロンプトで「cl」を入力し、実行します。もしも実行した後に「操作可能なプログラムまたはバッチ ファイルとして認識されていません」と出てきたら、正常にインストールされていない可能性があるためインストールから見直してください。
コマンドプロンプトが起動し正しく動作することを確認したら、プログラムのコンパイル方法を実行してみましょう。テキストエディタに、次のように入力します。
#include <stdio.h>
int main(void)
{
printf(“Hello, World!\n”);
return 0;
}
任意のディレクトリを指定し、ファイルにわかりやすい名前を付けて保存しましょう。開発者コマンドプロンプトを起動して、先ほどC言語プログラムを保存したディレクトリを指定します。コマンドプロンプトで、「cl ファイル名」と入力してみてください。正常に完了すれば実行プログラムとして「sample.exe」が作成されます。
作成したプログラムを実行するには、コマンドプロンプトで「sample.exe」と入力して実行します。プログラムが正常に実行されると、以下のようなソースが表示されます。
c:\code\c>sample
Hello, World!
c:\code\c>
これで、C言語プログラムのコンパイルができました。
C言語入門者向けのおすすめ学習法にどのようなものがあるのかを知っておくことで、より効率的な学習が行えます。C言語を学習するうえで、おすすめの方法が2つあるので、自分に合った勉強法を試してみてください。
おすすめの学習方法の1つ目は、本や参考書から選ぶ方法です。C言語関連の本や参考書は数多く出版されているので、自分に合った本を見つけやすいです。本や参考書にはサンプルコードやサンプルプログラムがついているものもあるため、実際に手を動かしながら読み進めることができます。
ただし一部の本や参考書は分厚くて難しいものが多く、全部読み切る前に挫折してしまう可能性もあります。なので、なるべくページ数が比較的少なめで、イラストなどでわかりやすく書いてある本を選びましょう。加えてC言語の本や参考書は、初心者向けや中級者向けなどのバリエーションも豊富なので、学ぶときには自分のレベルに合った理解しやすいものを選びましょう。
学習サイトやツールであれば、動画を見て学べるサイトや、入門の初歩的な段階であれば無料で見られるサイトなどもあり、理解しながら勉強できる環境が整っています。
初心者向けの講義から、すでにある程度の知識がある中級車向けの講義まであるため、自分に合った学習サイト化ツールを選ぶことが可能です。さらに、初心者でも問題なく学べるサイトがある上に、ある程度の知識があれば、実践しながら覚えるといった方法もできます。
ただし学習サイトやツールで学ぶとき、開発環境の構築につまずくケースもあります。特に初心者にとっては開発環境の構築が難しいと感じるかもしれません。なので、無償の開発ツールなどを使ったり、C言語を深く理解している技術者に聞いたりしましょう。
「ドットインストール C言語入門」は、動画でC言語が勉強できるサイトです。動画は1本3分程度と、飽きずにみられる長さになっているのも特徴です。C言語の開発環境方法を学習できる動画もあるため、初心者におすすめといえるでしょう。
そして「プレミアムコース」に登録しておけば、ソースコードや動画の文字起こしを閲覧できるため、特にコードに関して動画だけではわかりにくいという方には、比較的学びやすい環境です。
https://dotinstall.com/lessons/basic_c
「C言語学習塾 Study C」は、大学や高専といった教育機関でも採用されている実績があり、誰にでもわかりやすく解説してくれる学習サイトです。初心者向けのソフトウェアとしてもおすすめです。
個人で見る分には無料で情報を提供してくれる点は、最大のメリットではないでしょうか。導入部分は無料でも過去の動画は有料、というサイトも多い中で、すべて無料で勉強できるのは嬉しいポイントです。
「苦しんで覚えるC言語」は、C言語は何かというごく基本的なところからスタートする、初心者向けの動画サイトです。導入部分だけでなく、関数や変数・マクロ機能などといった実践的な部分も学習できます。
同じ内容をまとめた参考書も販売されているので、本を見ながらでも勉強できます。文字と耳との両方で学習が進められるので、初心者でも理解しやすいでしょう。また、無料の動画サイトなので動画を見るだけなら費用が掛からない点も魅力的です。
「webkaru C言語入門」は、C言語の環境構築から入り、基本構文まで学ぶことができます。環境構築に関する説明があり、サンプルコードが多く用意されているため、実際にプログラムを打ち込みながら勉強できます。
サンプルをコンパイルし実行してみると、どのような結果になるのかが理解できる仕組みになっています。最終的には関数・ファイル・乱数までを学ぶことができるため、初心者だけでなく中級者にもおすすめです。
C言語は学習しやすい環境が整っているとはいえ、さまざまな参考書が出版されているため、「書籍がたくさんありすぎてどれを使えばいいかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。そこで、C言語入門書のおすすめを5つ紹介します。
「新・明解C言語 入門編 (明解シリーズ)」の著者は、分かりやすいC言語教科書・参考書の執筆の業績によって賞を授与された柴田望洋氏です。同書はサンプルプログラムと図表で一つ一つ丁寧に解説されているため、基礎から入って演算と型・プログラムの流れの分岐・プログラムの流れの繰り返しからファイル処理までをしっかり学ぶことができます。
初心者だけでなく、これまでの入門書では理解しきれなかった経験者にとってもわかりやすく記載されているのがポイントです。一つ一つのステップを着実に進んでいく内容になっているため、全部読み終わり、サンプルプログラムを実行し終わるころには、一定レベルのC言語がマスターできているでしょう。
「スッキリわかるC言語入門 第2版 (スッキリわかる入門シリーズ)」は、開発環境導入の手間が省けてプログラミングができるクラウド学習環境「dokoC」があれば、すぐに学習を開始できるところが初心者におすすめのポイントです。
学び手と指導役が対話する形式で図解とともに描かれているので、内容が頭に入りやすくなっているのが特徴です。「ポインタ」や「文字列操作」といった初心者には理解が難しい部分も、楽しく理解することができます。さらに、エラーを解決するための付録も付けられているので、万が一実践してエラーが出てしまったときでも役立ちます。
スッキリわかるC言語入門 第2版 (スッキリわかる入門シリーズ)
「苦しんで覚えるC言語」は、ネットで有名になったC言語講座の運営者自らが書籍化したものです。一つ一つの要素を、わかりやすく丁寧に解説しているため、初心者にも理解しやすい内容といえます。各章に問題が準備されているのがポイントで、順番に解いていくことでより理解が深まりやすいです。
イラストが多数取り入れられていて、対話形式で話が進むため順序を立てながら理解しやすく、プログラムの基礎知識の他にも、変数の使い方・条件分岐・ループ処理・関数・ポインタ・ファイルの入出力なども身に付けられます。
「C言語本格入門 ~基礎知識からコンピュータの本質まで」の著者は、日本シー・エー・ディー株式会社IT事業部課長である種田元樹氏です。基本から応用までをわかりやすく説明している入門書で、豊富なサンプルとともに、現場で使える知識が記載されているのが大きな特徴です。
著者自身が現場の最前線で開発に携わっているため、つまずきやすい「ポインタと配列」に関する学習内容も掲載されています。著者の長年の経験によって培われた知識が盛り込まれているため、実践的な力が身につくようになります。
「1週間でC言語の基礎が学べる本 (1週間シリーズ)」は、「プログラミングに初めて触れる」という方でも、たった1週間で少しだけC言語を理解できるようになるという内容です。
習得難易度が高めなC言語は、どんなに参考書籍やインターネットの学習サイトを見てもなかなか理解できない方もいます。そういった初心者の方でも理解できるように、C言語の基本、メモリの活用・構造体・覚えておきたい知識まで詳しく記載されています。
さらに、本に記載されているサンプルを入力していくことで、プログラミングの基礎&C言語の基礎を無理なく覚えられるのが初心者にもおすすめのポイントです。
本記事では、C言語の有用性から開発環境を整えるまで、詳しく解説しましたが、参考になりましたか?
C言語は歴史が古く、アプリ開発からメモリ領域の管理までカバーできる汎用性と応用力があり、今でも世界中で使われているプログラミング言語です。基礎的な知識を学べるだけでなく、ハードウェアに関しても深い理解を得られるため、この記事を参考にぜひ習得してみてください。
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