IT業界は男性の比率が高い業界です。しかし女性のプログラマーは増加傾向にあります。本記事では、プログラマーとして働く女性に焦点を当て、プログラマーとして働くうえで「どのようなつらさがあるか」と「その対処法」について紹介します。
IT業界は、かつて男性の比率が高い業界でしたが、近年女性のプログラマーが増加傾向にあります。一般社団法人情報サービス産業協会が行った「情報サービス産業 基本統計調査」によれば、2015年の調査においてITエンジニアの女性比率は15.1%であったのに対し、2021年の調査では21.9%まで比率が増加しているのです。
とはいえ、本来男性の割合が多い職場であったため、プログラマーとして働く女性の中には「仕事がしんどい」と考えている方もいます。プログラマーとして働く女性が仕事を「しんどい」と感じる理由はさまざまです。本記事では、その理由や「本当につらいときにどうすればよいか」について紹介します。
目次
プログラマーとは、JavaやC++、JavaScriptといったコンピューター専用の言語であるプログラミング言語を用いて、さまざまなシステムやアプリケーションを構築する職業です。プログラマーは、IT技術の移り変わりなどに対応する必要があるため、プログラミングの知識とスキルを常にアップデートしていくことが求められます。
日々の仕事をこなしながらも、常に学習し続けなければいけない状況は、人によっては過酷です。しかし、働く前にこのような環境を予想することは難しいため、実際に働き始めてからプログラマーの仕事がつらいと感じてしまう人がいるのです。
ITは常に進化しているため、市場から求められる技術や知識が常に移り変わります。求められる技術や知識に対応したプログラミングを行うには、日々新しい知識やスキルを身につけなければなりません。
継続して学び続けることを苦手とする方にとっては「プログラマーという仕事がつらい」と感じるかもしれません。
プログラミングには、IT用語やプログラミング言語の知識が欠かせません。ITに関する用語が理解できなければ、プログラミングを仕事にすることは難しいです。
とくに未経験者の場合は、知識だけではなく「どうやって調べるのか」や「何がわからないのか」もわからないままプログラミングに取り組まなければなりません。わからないことが多い状況は人にとって強いストレスになるため、「つらい」と感じることがあります。
わからないことを解決する力を身につけられないと、プログラマーに就職してもストレスをため続けてしまう可能性があります。
勤務形態や規則は企業によって異なるため、自分の理想の働き方ができずにストレスをためてしまうこともあります。企業によってはプログラマーを自社のオフィスで働かせるのではなく、「顧客先の会社に常駐させる」、もしくは「在宅勤務」や「テレワーク」「ノマドワーク」を認める企業もあります。
働き方が自分に合わなければ、仕事のパフォーマンスがあがりにくく、ストレスを受けやすくなるでしょう。働き方に関するストレスを受けないためには、勤務形態や就業規則について応募前に調べておくことが必要です。
IT業界は男性の比率が高い業界ですが、女性がプログラマーに向いていないわけではありません。プログラミングには、向き不向きがあります。後述する「プログラマーに向いている人の特徴」があれば、性別を問わずプログラマーの仕事をこなせます。
女性の社会進出が進んだことで、国や企業としても働く女性を後押しする動きが活発になりました。このことが、女性がプログラマーとしてより働きやすくさせる後押しになっています。
プログラマーをはじめとしたITエンジニアとして働く女性の割合は、増加傾向にあります。「情報サービス産業 基本統計調査」では、女性の割合は15.1%で、2018年では19.3%、そして2021年は21.9%と右肩上がりです。このように、女性プログラマーの比率は年々増加しています。
基本的に一緒に働く女性の比率が高いほど、育児などに対して、周囲の社員の理解が得られやすいです。そのため、女性比率の増加に伴って、今後ますます女性がプログラマーとして働きやすくなることが期待できます。
女性は結婚・出産・育児などによって、生活が劇的に変わることがあります。女性がより長く働くためには働き方が自在に変えやすく、仕事と生活を両立できることが重要です。
IT業界はほかの業種に比べて、テレワークや在宅ワーク、フレックスタイムといった制度を導入している企業が多い傾向があります。働き方が選べる企業に入ることで、ワークライフバランスをとりやすくなります。
2019年4月1日から、「働き方改革関連法」が施行されました。これにより、企業には労働者の個々の事情に応じて、多様な働き方を選択できるよう取り組むことが求められるようになりました。
働き方改革の実現に向けて、働き方改革実行計画として挙げられている「長時間労働の是正」や「柔軟な働き方がしやすい環境整備」に取り組んでいる企業は一定数あります。
IT業界は長時間労働が多くなりがちな仕事ですが、それでも改革を受けて長時間労働の見直しにより労働環境が改善されつつあります。
また、働きすぎて疲れている方は日々の生活を見直すようにしましょう。企業の健康経営に興味のある方は下記記事をご参照ください。
参考: 健康経営の取り組みは食事から!効果的な実践方法とは | OFFICE DE YASAI
IT業界は、比較的新しい業界です。加えて、新しい考え方を取り入れることに対して抵抗が少ない傾向にあります。そのため、結婚や出産、育児などのライフイベントを経ても、働き続けられる制度や仕組みが整っている企業が多いです。
ゆえに就職や転職をするにあたり、結婚や出産を考えている場合は、働き方や待遇面について事前に確認することが大切です。
国税庁が公表している2021年の「民間給与実態統計調査」によると、男性の平均年収が545万円であるのに対して、女性の平均年収は302万円となっています。
しかし、プログラマーは年収に男女差が少ない職種です。なぜならプログラマーの給料や待遇は、プログラマーの能力で給料や待遇が決定されるのが一般的だからです。
厚生労働省が発表した2020年の「賃金構造基本統計調査」によれば、2020年におけるプログラマー(ソフトウェア作成者)の現金給与額と年間賞与額から計算した平均年収は、約512万円となっています。男性の平均が約528万円であるのに対して、女性プログラマーの平均年収は約434万円です。
性別における年収の格差が他の職種よりは少なく、女性プログラマーの年収が女性平均よりもかなり高い特徴があります。
IT業界では、自由な働き方が認められる傾向があります。結婚・出産・育児などのライフステージに合わせた、柔軟な働き方がしやすい制度や仕組みが整っている企業が多いのが特徴です。
テレワークや在宅ワーク、フレックスタイムといった制度を活用することで、ライフステージの変化にあわせたフレキシブルな働き方ができます。
プログラミングスキルを身につけた人材は、他の業界においても重宝されます。人材不足が社会問題化する中で、とくにITスキルを持った人材は貴重な存在です。経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によると、2030年にはITエンジニアが約79万人不足すると予想されています。
需要の高いプログラマーとしてのスキルを身につけることができれば、就職・転職がしやすくなるだけでなく、今いる業界においてもキャリアアップがしやすくなり、給与などの待遇アップも期待できます。
仕事には向き不向きがありますが、それはプログラマーの仕事においても同じです。もしプログラマーという職業に興味があるのであれば、自分にその適性があるのかどうかを把握する必要があります。
プログラマーは、どのような方に適性があるのか確認しましょう。
プログラマーの仕事は、期限内にシステムやアプリケーションを完成させる必要があるため、時には休みを返上して対応したり、残業したりすることもあります。また、納期のプレッシャーに耐えたり、バグのようなトラブル発生時に焦らず対処したりできる精神力も必要です。
このため、プログラマーにとって、根気強く業務をこなすための体力・精神力は不可欠な資質です。
これまで紹介してきたように、ITエンジニアの男女比は8:2程度です。社会的に女性が働きやすい環境づくりが進んでいるため、職場環境は徐々に改善されていく可能性はありますが、男性の割合が急激に減ることは考えにくいです。このため、男性とともに働くことに抵抗がない方に向いています。
実務で通用するプログラミングのスキルを身につけるためには、かなり長期の学習時間を費やしながら、ひたすら新しい知識やスキルを取り入れ続ける必要があります。
プログラミングに興味がなければ勉強に挫折しやすいです。このため、プログラミングに興味があり、新しい知識を取り入れることに抵抗がないのであればプログラマー向きです。
プログラミングが好きでも、適性がなければ長くプログラマーとして活躍するのは難しいものです。プログラマーに向いていない人の特徴とは、どのようなものでしょうか。
プログラマーは日々成長が求められ、長い時間をかけて知識とスキルが培っていく必要があります。長期的に知識やスキルを培っていく必要がある職業と短期間だけ働きたい人との相性はよくありません。
そのため入社して数年で寿退社したい方はプログラマーに不向きです。継続してスキルアップを目指さないと、昇格や昇給を狙えないだけではなく、同僚とのモチベーションの差を感じてしまいストレスをためる原因にもなります。
プログラマーにはプログラミングの知識とスキルを常にアップデートしていくことが求められます。継続して学習ができなければ、自身のもつ知識やスキルが市場には求められない「過去のもの」になり、IT技術の進化に対応できずに仕事を失ってしまいかねません。
新しい技術やスキルの取得に興味がないような、知的好奇心や学習意欲が乏しい人にとって、プログラマーは不向きな職業です。
プログラマーは、コードを書いたりコードからバグを見つけたり、コードを修正したりするなど、単純作業が多い仕事です。そのため、地味な作業でも根気よく継続できる人に向いており、単調な作業をコツコツと続けることが苦手な人には不向きです。
プログラミングの勉強を行うときには、実際にプログラムを作成してみて、作業が苦痛に感じないか確認しておくことをおすすめします。
仕事がうまくいかないときには、周囲の力を借りるなどの対処法を事前に準備しておくことは重要です。知識やスキルが足りず学習が必要になったときは、他のプログラマーなどに協力を仰ぎ、知識やスキル、学習方法、問題の解決法を教えてもらえる環境を整えておきましょう。
問題が発生したときに、具体的にはどのような対処法があるかを解説します。
わからないことがあるのは、恥ずかしいことではありません。ですが、わからないことをそのまま放置しておくのは問題です。このため、わからないことを相談できる環境を作っておくことが重要です。
すぐに相談できる環境をつくるためにも、日頃からコミュニケーションをとって、ほかのプログラマーと良好な関係を構築しておきましょう。ただし、つまずくたびに取りあえず相談をしてしまうと、相手の作業時間を多く奪ってしまうため、相談する際にはあらかじめ自分で下調べをし、相手に思考を丸投げしないよう留意します。
仕事上の悩みごとは一人で抱え込まず、上司に相談することが重要です。人によっては、上司に悩みごとを相談しにくい方もいると思います。しかし、悩みごとが会社側の裁量で解決できる問題であれは、上司に相談することによって改善される可能性があります。
仕事の内容について知っている誰かに話を聞いてもらうだけでも気持ちが整理できたり、ストレスが軽減できたりするものです。先ほどの相談できる環境づくりと同じように、常に上司へ質問ができるように良好な関係を築いておきましょう。
仕事がうまくいかない原因が部署を変えることで解決ができるなら、異動を打診することもひとつの選択肢です。社内で別の開発を担当している部署に移ったり、開発から事務などに職種を変更したりできるように働きかけます。
ただし企業によって異動が認められていなかったり、異動に「入社してから〇年経過後」といった条件があったりすることもあります。異動を打診する前に、配属を担当している部署に相談することが大切です。精神的に負担が大きい場合は、特例として異動が認められるケースもあるため、つらくなる前に相談することをおすすめします。
企業に在籍している限り問題が解決しないのであれば、転職を視野にいれる必要があります。そもそも業務内容が合っていなかったり、働き方が合っていなかったりといった問題を抱えている場合、社内で努力したり周囲への働きかけたりしても解決が難しいです。
原因が自分で解決できないかどうかを判断し、今の企業での解決が難しいと感じた場合は、より向いている企業を探してみましょう。
プログラマーが男性の職業だという考えは、今や過去のものです。年々、女性プログラマーの比率は上がっています。とはいえ、プログラマーとして働いていれば、学び続けなければならない苦しみや専門知識が必要であることに、つらさを感じることもあるかもしれません。
また女性ならではのライフイベントの変化に対する周囲の理解がないことに、悩むこともあるかもしれません。そんなときは、プログラマーを辞める選択をするのではなく一人で問題を抱え込まず、周囲に相談したり働く環境を変えたりしてつらさを乗り越えてください。
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