Python

最終更新日: 2024.02.02 (公開: 2024.02.02)

「Python」ではどのようなWebアプリを開発できる?使用できるフレームワークについても解説

「Python」ではどのようなWebアプリを開発できる?使用できるフレームワークについても解説

「Python」は開発効率がよく、さまざまなWebアプリ開発に活用されており、エンジニアに人気の高いプログラミング言語のひとつです。プログラミング初心者が最初に学習することも多いため、多くの学習教材や参考サイトが提供されています。

本記事では、「Python」がWebアプリ開発に効果的な理由や使用できるフレームワーク、メリットやデメリットなどを解説します。

「Python」がWebアプリ開発に適している理由とは?

「Python」がWebアプリ開発に適している理由は、主に6つです。

  • 開発を効率良く進められる
  • 文法がシンプルなためエラーが起きにくい
  • 複数のOSに対応している
  • ライブラリの数が多い
  • フレームワークが豊富に存在する
  • 参考データや資料の数が豊富

ここでは、それぞれ詳しく解説します。

開発を効率良く進められる

「Python」は、他のプログラミング言語と比較して同じ処理の場合、短いコードで記述できるという特徴があります。また経験の浅いプログラマーが書いた場合もベテランが場合も似たコードになる傾向があるため、スキルに差があっても開発を効率良く進めやすいです。

さらに文法が厳しくコードの制約が多いため、正しいコードを記述しなければプログラムが仕様通りに動作しないことでコードの一貫性が保たれます。そのため複数人のチームで開発をおこなっても、コードの記述を引き継ぎやすいのです。

この特徴は短い期間で納品する場合に、開発効率を上げるというメリットがあります。またコードの一貫性が保たれることで、プログラムの改良や修正もスムーズにおこなえるため、他のプログラミング言語よりも効率良くWebアプリの開発ができるのです。

文法がシンプルなためエラーが起きにくい

「Python」は、文法がシンプルでコードの可読性が高いため、コードのエラーやミスが発生しにくいという特徴があります。複数人のチームで開発する場合でも「Python」を使えば、誰が記述したコードでも読みやすく修正や改良もしやすいです。

エラーの修正には時間がかかるため、コードを書く段階でエラーが発生しにくいことは、開発効率の上で大きなメリットといえます。

複数のOSに対応している

「Python」はどのOSでも問題なく開発環境を導入して開発できるので、利便性の高いプログラミング言語です。たとえばmacOSでは「Java」「C言語」、Windowsは「Go言語」、Swift「Linux」では「Java」「C言語」のように、OSごとに扱えるプログラミング言語が変わります。

OSごとに使えるフレームワークが変わることもありますが、「Python」ならOSごとに機能が変わってしまう心配がありません。そのため汎用性が高く、OSを問わず気軽に「Python」の開発環境を用意できます。

ライブラリの数が多い

「Python」には、豊富なライブラリが提供されているため、ライブラリを活用して開発コストを削減し効率良く開発ができます。「Python」のライブラリは、公式サイトだけでなく数学のライブラリや機械学習に特化したサードパーティ製ライブラリがあります。そのため、「Python」学習初心者から経験豊富なエンジニアまで、プロジェクトの目的に応じて適切なツールの活用が可能です。

これから「Python」を使って開発する場合は、ぜひ「Python」で提供されているさまざまなライブラリを使って開発してみることをおすすめします。

フレームワークが豊富に存在する

「Python」には、ライブラリだけでなくフレームワークも豊富にあります。豊富なライブラリだけでなくフレームワークも使うことで、より開発コストを削減して開発効率を向上できます。

たとえば「Python」でログイン機能や会員登録機能、管理画面などの機能もフレームワークを使うことで1から作成する手間が省けるでしょう。「Python」初心者でもフレームワークを活用すれば、比較的簡単に開発を進められます。

参考データや資料の数が豊富

「Python」は、これまでに多くのWebアプリ開発に使われているため、参考データや資料の数も豊富です。「Python」の基本的な使い方からWebアプリケーションの開発方法まで公開されており、「Python」学習初心者からベテランエンジニアまで幅広い方が参考にできます。

さらに「Python」を扱っているエンジニアがSNSやYouTubeにスキルや開発工程を公開していることもあるため、無料で「Python」の学習が可能です。これから「Python」を学習しようと思っている方は、エンジニアが提供している「Pyhon」の学習資料を活用することをおすすめします。

「Python」で開発されたWebアプリ例4選

「Python」は有名なWebアプリケーションの開発にも採用されています。実際に「Python」によって開発されたアプリの例は、以下の通りです。

  • YouTube
  • Spotify
  • Instagram
  • Dropbox

ここでは、それぞれ詳しく解説します。

YouTube

YouTubeは、世界で最もユーザーの多い動画配信プラットフォームです。「Python」を含む複数の言語で開発されており、サーバーサイドの処理には「Python」が広く使われています。これには検索エンジン・動画の再生・アカウント管理などの機能が含まれます。

YouTubeを運営するGoogleでは、Web開発に「Python」を積極的に利用しており、「Python」「C++」「Java」をGoogleの3大言語と称しているほどです。この傾向は、「Python」を用いたWebアプリケーションの開発が今後も続くことを示唆しています。

Spotify

Spotifyは、世界的に人気のある音楽のストリーミングサービスで、多くの国で利用されています。Spotifyでは「Python」が楽曲データの解析に使用されており、強力な数値計算ライブラリのひとつであるNumPyやPandasなどが活用されているのです。

これらのライブラリを用いることで、効率的なデータ処理ができるため、Webアプリケーションにおけるデータ分析機能の実装においても「Python」は有効です。

Instagram

Instagramは、写真共有ができるSNSとして世界中で広く利用されているアプリです。Instagramでは、特にユーザーにおすすめする投稿を選定機能など、多くの重要な部分が「Python」を用いて開発されています。

Instagramは、もともと「Python」のDjangoフレームワークを用いて開発され、その後も
「Python」がサービスの成長に合わせて利用され続けています。
現在では全世界で約10億人以上のユーザーがいる大規模サービスとなっており、スケーラビリティや保守性の面で「Python」の柔軟性が大きな役割を果たしているのです。

「Python」を用いることで、迅速な開発と継続的なサービスの改善ができるようになり、Instagramはユーザーに対して素早い対応と新しい機能の導入を実現できるようになりました。

Dropbox

Dropboxは、オンラインストレージサービスとして世界的に利用されているWebアプリです。Dropboxには、画像や音楽などのデータをクラウド上に保存する機能があり、その機能の開発に「Python」が使われています。

「Python」は、コード量が少なく処理速度も速いプログラミング言語であるため、どのようなな環境でもスムーズに動作するDropboxには最適です。そのため、DropboxのようなWebアプリケーションにも「Python」は最適だといえます。

「Python」でWebアプリを開発する3つのメリット

「Python」でWebアプリを開発することによって得られるメリットは、主に3つです。

  • コンパイルの必要がない
  • 汎用性が高い
  • AIと連動できる

ここでは、それぞれのメリットを解説します。

コンパイルの必要がない

1つ目のメリットは、ユーザーが意識せずコンパイルのプロセスがコンピュータ内部でおこなわれ、すぐにプログラムを実行できる点です。プログラミング言語の多くは、記述したプログラムをコンピュータが読み込める形式に変換するコンパイルが必要です。

しかし「Python」は、ユーザーから見えない形で自動的におこなわれます。そのためプログラミング初心者でもコードを書いてすぐに実行できるため、作業工数が少なく感じられるのです。この簡易さが、「Python」を使ったWeb開発が効率的である理由のひとつです。

汎用性が高い

汎用性が高いことも、「Python」でWebアプリを開発するメリットです。「Python」には、実用性が高いライブラリやフレームワークが豊富に提供されているため、さまざまな開発で必要なコストを削減してくれます。さらにWindows・macOS・Linuxなど複数のOSで容易に開発環境を導入できるため、開発者は迅速に「Python」を使った開発を進められるでしょう。

「Python」のコードは簡潔でプログラミング初心者でも理解しやすいため、学習のハードルが低く開発時の利便性が高いといえます。

AIと連動できる

「Python」は、AIと連動できます。機械学習やデータ解析ができるライブラリやフレームワークも豊富に提供されているため、AI開発やAIサービスで効果的な活用が可能です。AIを用いたサービスや製品の増加に伴い、「Python」は今後さらに人気を集めることが予想されます。

そのため、これからAIを使ったアプリやサービスの開発したい場合には、「Python」の使用をおすすめします。

「Python」でWebアプリを開発する2つのデメリット

Webアプリケーションの開発に「Python」を使うことでさまざまなメリットがありますが、デメリットもあります。

  • 実行速度が遅く感じられる
  • 日本語のドキュメントが少ない

ここからは、主なデメリットを2つ紹介します。

実行速度が遅く感じられる

1つ目のデメリットは、実行速度が遅く感じられることです。「Python」はインタプリタ型言語であり、ソースコードをバイトコードにコンパイルした後に「Python」の仮想マシン上で実行されます。このプロセスは、「Java」「C#」「C++」などの事前にコンパイルされる言語に比べて、一般的に実行速度が遅いです。

そのため実行速度を求める場合は、「Python」はあまり有効な選択肢とはいえません。

日本語のドキュメントが少ない

「Python」は、豊富なライブラリやフレームワークが提供されていますが、そのほとんどが英語表記になっているので英語が苦手な方にとってデメリットです。

しかし多くの主要なツールやフレームワークについては、日本語のドキュメントもあります。最新の情報や特定の専門的なトピックについては英語が主流のため、英語資料を読む必要があるかもしれません。

翻訳ツールやアプリなどで翻訳することもできるものの、翻訳が不自然になることが多いです。そのため、「Python」を使う方は日本語のドキュメントが少ない点に留意しなければなりません。

「Python」でのWebアプリ開発におすすめのフレームワークやCMSとは?

「Python」には、Webアプリ開発を効果的におこなうためのフレームワークやCMSがあります。フレームワークは、プログラミング初心者に限らず開発効率を向上させてくれる存在です。ここでは、5つのフレームワークをそれぞれ紹介します。

  • Django
  • Bottle
  • Flask
  • Plone
  • Tornado

ここでは、5つのフレームワークをそれぞれ紹介します。

Django

Djangoは2005年に開発された「Python」のフレームワークで、豊富な機能によりWeb開発で広く知られています。Webアプリ開発に必要な機能がほとんど揃っているため、「Python」でWebアプリ開発を効率的に実行が可能です。さらに、大規模なWebアプリを開発する場合にも効果的に活用できます。

また、大小問わずさまざまなプロジェクトで、幅広いアプリの開発に対応しています。初心者にとっては難しいかもしれませんが、豊富なチュートリアルとドキュメントにより基礎から学習が可能です。

Bottle

Bottleはプログラミング初心者でも理解しやすいフレームワークで、「bottle.py」というファイルのみで構成されているため軽量です。Bottleはシンプルなフレームワークなので、複雑な開発や大規模な開発には不向きですが、簡単な開発や中規模な開発には効果的に活用できます。

さらにBottleのコードは読みやすいため、「Python」初心者が基本的なWeb開発スキルと知識を身に付けるための実践として最適です。そのため、初心者の方はBottleを使うことをおすすめします。

Flask

Flaskは、必要最低限の機能のみを搭載している軽量なフレームワークです。シンプルなフレームワークのためDjangoに比べて学習が容易で、プログラミング初心者でも扱いやすいといわれています。

Flaskの軽量さと柔軟性は、小規模なプロジェクトから始めて必要に応じて機能を追加し、中規模から大規模なアプリを構築する際にも利点です。Bottleフレームワークと同様にFlaskも実務で広く採用されており、教育用途だけでなく商業プロジェクトにも利用されることが多いです。そのため、Flaskは学習用だけでなく、実際の開発環境での使用にも十分適しています。

Plone

Ploneは充実した機能を備えたCMS(Content Management System)で、特に企業向けのWebサイトやポータルの構築に多く用いられます。「Python」ベースのCMSとして、Webサイトの構築・コンテンツの管理・セキュリティの強化などを統合的におこなえるため、追加のデータベース管理システムを導入する必要がない場合もあります。

ただし、機能が豊富なためPloneを扱う際には、その複雑さに応じた準備と理解が必要です。

Tornado

Tornadoは、非同期I/Oをサポートし効率的なネットワーク通信を可能にするフレームワークです。これにより、多数の同時接続を扱うアプリケーションや、I/O操作が頻繁に発生するサービスに対して高いパフォーマンスを提供できます。

Tornadoは、特にI/Oバウンドな処理に適しており、「Python」で発生する一部の処理速度に関する問題に対して、非同期処理による解決策を提供します。しかし、日本語による解説が少なくフレームワークを使いこなすことが難しいため、プログラミング初心者にはあまりおすすめできません。

「Python」はWebアプリ開発におすすめの言語

「Python」はコードがシンプルで可読性が高く、Webアプリ開発に適しているフレームワークやライブラリが豊富に提供されています。さらに開発や学習に有用な公開済みの情報が多いことから、プログラミング学習の初心者でも学習しやすい点が特徴です。

これからWebアプリ開発をおこなう場合は、本記事を参考に「Python」や各種フレームワークを使って開発してみてはいかがでしょうか。

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