Pythonの環境構築の方法は？Windowsでの環境構築方法を解説

「Python」は、世界中の開発者に広く利用されている人気の高いプログラミング言語のひとつです。文法がシンプルで読みやすいため、初心者から上級者まで幅広く支持されています。本記事では、Windowsで「Python」の開発環境をスムーズかつ効率的に構築する方法を解説します。

Pythonとは？

「Python」は、AI・アプリ開発・データサイエンス・Web開発などができる汎用性と柔軟性の高いプログラミング言語です。小規模なスクリプトから大規模なシステム開発に至るまで、幅広いプロジェクトに対応できます。

また、「Python」には豊富なライブラリやフレームワークがあり、システムやアプリ開発における特定の用途において、開発効率を向上させます。

Pythonが持つ特徴

ここからは、「Python」が持つ独自の特徴を解説します。

• コードが読みやすい
• プログラム作成のライブラリが多い
• 少ないコードで数多くの処理ができる
• AI開発に使用されており、市場価値の高さが特徴

「Python」の概要や特徴を理解する際の参考にしてください。

コードが読みやすい

「Python」の特徴は、コードが読みやすいことです。直感的でわかりやすい文法のため、プログラミング学習初心者にとっても理解しやすいプログラミング言語といえます。

たとえば、他のプログラミング言語と比較して「Python」は、より簡潔なコードで処理を記述が可能です。このため初心者は、プログラミングの基本的な原則と構造を、より早く深く理解できる可能性があります。

また、「Python」のコードは可読性の高さから、他の開発者が書いたコードを解析しやすいメリットもあります。コードの読みやすさは、プログラミング言語の学習過程において、サンプルコードを通じた学習の理解を深めるのに有効です。

そのため、「Python」は、プログラミングの学習を始める際の最適な入門言語といえます。

プログラム作成のライブラリが多い

「Python」には、ライブラリが豊富に提供されています。そのため開発者は、必要なプログラムで効率的に構築が可能です。他のプログラミング言語もライブラリはありますが、「Python」の場合、ライブラリの量と種類の多さがとくに顕著。

「Python」のライブラリは、データ分析から機械学習やWeb開発まで、多くの開発ニーズに対応しています。そのため開発者は、特定の機能を開発する際に始めからコードを書く必要がなく、すでに存在するライブラリを利用して迅速にプロジェクトを進められます。

少ないコードで数多くの処理ができる

「Python」は、少ないコード量で多様な処理が可能です。

たとえば、「リストの要素の合計を計算する」という処理を「Python」で記述した場合、以下のようになります。

numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
total = sum(numbers)
print(total)

一方で同様の処理を「Java」で記述したときは、以下のようなコードが必要です。

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        int[] numbers = {1, 2, 3, 4, 5};
        int total = 0;
        for (int number : numbers) {
            total += number;
        }
        System.out.println(total);
    }
}

「Python」では3行の記述で済む処理が、「Java」では10行ほどの記述になっていることがわかります。コードや行が増えると読みにくくなってしまうため、可読性が落ちてしまうのです。

「Python」の短いコードはコードを書いた開発者本人には理解しやすく、コードを閲覧する他の開発者にとっても読みやすいというメリットがあります。つまり「Python」の可読性の高さには、効率的なコーディングを実現し開発プロセス全体をスムーズに進められるのです。

AI開発に使用されており、市場価値の高さが特徴

「Python」は、近年とくに人工知能（AI）開発の分野で注目を集めています。AI開発を念頭に置いて作られたプログラミング言語ではないものの、汎用性の高さとコードの記述しやすさがAI分野での利用を促進しているのです。

データ分析や機械学習、ディープラーニングといった最先端のAI技術に関連するライブラリが充実しており、これらの技術を用いた複雑なアルゴリズムも「Python」を使うと比較的容易に実装が可能です。

「Python」はAI開発の分野で幅広く利用されることで、市場価値を高めています。企業や研究機関においても、「Python」の知識は重視されており、AI開発に携わるエンジニアにとっては必須のスキルとなっています。

「Python」の重要性は、AI技術の発展とともに今後もさらに増していくでしょう。

WindowsでPythonの実行環境を構築する方法とは？

ここからは、Windows環境で「Python」の実行環境を構築する方法を分かりやすく解説します。基本的な作業の流れは、以下の通りです。

1. 公式サイトからPythonをダウンロードする
2. Pythonのインストールと実行確認
3. コマンドプロンプトを開いて確認する
4. Visual Studio Codeをインストールする
5. Visual Studio Codeを設定する

この手順を通して、Windows上での「Python」の実行環境の構築が完了し、快適なプログラミング環境を整えられます。

1.公式サイトからPythonをダウンロードする

引用：Welcome to Python.org

Windowsで「Python」の実行環境を構築する最初のステップは、公式サイトから「Python」のインストーラをダウンロードすることです。インストーラとは、コンピュータにソフトウェアをインストールするためのツールを指します。

ダウンロードしたインストーラを起動し、画面に表示される指示に従ってインストール作業を進めることで、「Python」のインストールが簡単にできます。

2.Pythonのインストールと実行確認

Windowsで「Python」をインストールする際、インストーラの指示に従って進めることが重要です。「Python」のインストールプロセスは、ユーザーにとって直感的で分かりやすく設計されています。インストーラを起動すると、「Python」に関するいくつかの設定オプションが提示されており、ファイルの保存場所や追加機能の選択なども含まれます。

プログラミング学習の初心者や、これから「Python」の勉強を始めようとする方の場合は、インストール時の設定は変更せずデフォルトのままでのインストールがおすすめです。

3.コマンドプロンプトを開いて確認する

次に、「Python」がWindowsへ正常にインストールされているか確認します。

まず、コマンドプロンプトを起動してください。Windows 10では、スタートメニューに「cmd」と入力することでコマンドプロンプトを簡単に開くことが可能です。コマンドプロンプトが開いたら、「python –version」と入力してEnterキーを押します。このコマンドは、「Python」のバージョンを確認するためのものです。

入力後、画面に「Python」のバージョン情報が表示されれば、インストールは正常に完了しています。この手順により、「Python」がシステム上で適切に機能しているかを確認できます。

4.Visual Studio Codeをインストールする

引用：Download Visual Studio Code – Mac, Linux, Windows

次にコーディングやデバッグ、実行を補完してくれる統合開発環境（IDE）、「Visual Studio Code」（略称：VSCode）をインストールします。VSCodeとは、Microsoft社が提供する強力な統合開発環境（IDE）です。

VSCodeはWindowsだけでなく、MacやLinuxを含むさまざまなOSに対応しており、多言語のサポートも特徴的です。

さらに、Git連携機能やデバッグ機能が標準で備わっているため、開発者にとっては、開発効率を上げるために必要なツールです。VSCodeは動作が軽く、直感的なユーザーインターフェースを持つため使いやすいとされています。

「Python」の開発環境を構築する際にVSCodeを利用することで、コーディング・テスト・デバッグを一元的に実施可能です。インストールは、公式サイトからインストーラをダウンロードし、指示される簡単な手順に従っておこないます。

5.Visual Studio Codeを設定する

Visual Studio Codeでは、拡張機能を利用してさまざまなカスタマイズが可能です。とくに日本語ユーザーにとって重要なのは、デフォルトの英語表示を日本語に変更できる点です。日本語化の手順は、以下のようになります。

• VSCodeを開き、画面左側のアイコンから「拡張機能」アイコン（下図赤丸）をクリック
• 検索バーに「Japanese Language Pack」と入力し、該当の拡張機能を選択
• 「インストール」ボタンをクリック後、ポップアップが表示されたら「再読み込み」を選択

これで、VSCodeのインターフェースが日本語に変更されました。

続いて、「Python」開発を円滑に進められる拡張機能をインストールします。日本語化したときと同様に、VSCodeの拡張機能アイコンをクリックし、検索ウィンドウに「Python」と入力してください。

下図のようにPythonの拡張機能インストーラが表示されるので、「インストール」ボタンをクリックして、インストールします。

これでVSCodeで「Python」の基本的なプログラミングができる環境が整いました。

WindowsやMacOSでのPythonの活用事例

「Python」は、WindowsやMacOSで多岐にわたる分野で活用されているプログラミング言語です。ここからは、「Python」のさまざまな活用事例を紹介します。

• Web開発に活用されている
• Googleの画像検索への活用
• NetflixのWeb開発とデータ分析への活用

Web開発に活用されている

「Python」は、Web開発の領域において広く活用されています。たとえば、SNS「Instagram」は「Python」で作られています。

「Python」はスマートフォン向けアプリ開発といった小規模なプロジェクトから、Instagramのような大規模なWebアプリケーションの開発に至るまで、幅広く対応できる言語です。その柔軟性と機能性から、「Python」はWeb開発分野において高い評価をえています。

Googleの画像検索への活用

「Python」は、Googleの画像検索などのAI開発にも活用されています。

「Python」には、顔認証ライブラリなど高度な画像解析機能を備えた豊富なライブラリがあるため、複雑な画像処理タスクの効率的な実行が可能です。

画像検索エンジンの背後には、「Python」による複雑なアルゴリズムが動いており、ユーザーに正確で迅速な検索結果を提供しています。

NetflixのWeb開発とデータ分析への活用

映画やドラマの配信プラットフォームとして広く知られているNetflixサービスの開発において、「Python」はWeb開発とデータ分析の重要な部分を担っています。

「Python」のデータ処理能力は、データ収集・整形・分析・可視化といった幅広いタスクに対応が可能です。そのため、Netflixは膨大なデータを効率的に処理し、ユーザーの視聴傾向や好みを分析できるのです。

またWeb開発の分野においても、「Python」はNetflixのバックエンドシステムやアプリケーションの開発に利用されています。

Python入門者におすすめの学習方法3選

「Python」は使いやすさと多様な用途から、現代のプログラミング言語の中でもとくに人気が高い言語のひとつです。しかし、どのようにして効率的に「Python」を学ぶかは、学ぶ人によって異なります。

ここからは「Python」学習の初心者に向けて、おすすめの学習方法を3つ紹介します。自分に合った学習プランの立て方や学習リソースの選び方、そして実践的なコーディングスキルの身につけ方を考える参考にしてください。

書籍で学習

「Python」の学習方法のひとつが、書籍を利用する方法です。書籍で学習する際の重要なポイントは、単にテキストを読むだけではなく実際に自分でコードを書いてみることです。

書籍は「Python」の基本構文から応用技術まで、体系的に説明していることが多く、初心者の基礎学習に適しています。書籍を用いた学習でより理解を深めるには、読んだ内容を実際のコードとして書き出し実行してみることが重要です。

コードを書くことで、理論だけではなく実践的な問題解決能力も養われます。また、エラーに直面したときのデバッグの練習にもなり、プログラミングスキル全体の強化ができます。

オンライン学習サービスで学習

「Python」の学習にオンライン学習サービスは、動画教材・スライドショー・インタラクティブ（双方向）な実践演習などがあります。そのため、多彩な学習形態の中から各々の学習スタイルやニーズに合わせて選ぶことが可能です。

たとえば、ビジュアル学習が得意な方には動画ベースの教材が、より実践的な経験を求める方には対話式のコーディング演習がおすすめです。

以下は、主要なオンライン学習サービスです。

• Codecademy
• Coursera
• Udemy

これらのサービスは、「Python」の学習においてそれぞれ独自のアプローチをしているため、自分に合った方法で効果的に学べます。自分の学習スタイルに合わせて適切なサービスを選ぶことで、より効率的で楽しく「Python」の学習ができるようになります。

スクールで学習

「Python」を学ぶ際に、スクールで学ぶ方法も効果的な方法です。スクールを選ぶときは、ここから解説する重要なポイントを確認するようにしましょう。

まず通学の利便性を考慮し、仕事場や自宅からアクセスしやすい場所にあるスクールの選定がおすすめです。次に料金体系を確認し、自分の予算に合ったコースを選びましょう。

希望するなら、個別指導が受けられるかどうかもチェックしてください。個別指導がある場合、よりパーソナライズされた学習ができるようになり、自分のペースで学習できます。一方で、グループ指導の場合は、同じ志を持った受講生と協力しながら学ぶ機会がえられます。

これらの点を考慮して、自分に合ったスクールを選ぶことで、「Python」学習の効果を最大限に高めることが期待できます。

WindowsでのPythonの開発環境構築方法を知り、さまざまな分野で使おう

「Python」とWindowsでの環境構築方法について解説しました。「Python」はプログラミング学習の初心者にとって、比較的取り組みやすく理解しやすい言語です。

本記事で紹介した開発環境構築の方法を参考に、まずは自分のパソコンで「Python」プログラミングができる環境を整え、自分に合った学習法をスタートさせてみてください。