「Scratch」は、子どもにおすすめのプログラミング言語です。「Scratch」は、コンピュータへの指示を文字で行うCUIではなく、ビジュアルインターフェースで操作する「ビジュアルプログラミング言語」という特徴があります。本記事では、オブジェクトの組み合わせでプログラムを作成できる「Scratch」について解説します。
「Scratch」とはブロックなどのオブジェクトを組み合わせてプログラムを作成できる「ビジュアルプログラミング言語」です。
わかりやすい「画像」や「図」、「矢印」などのビジュアルを利用してプログラミングできるため、初心者でもプログラムを組みやすいメリットがあります。子どもにとっても見やすくてわかりやすいため、小学生から中学生程度の子どもたちの学習教材としても使用されているのです。
本記事では「Scratchって何?」「Scratchではどんなことができるの?」という方に向けて、Scratchの概要や特徴を解説します。
目次
Scratchとは子ども向けに作られた、プログラミング言語です。「画像」や「図」、「矢印」などのビジュアルを利用してプログラミングする「ビジュアルプログラミング言語」を採用しているため、視覚的にわかりやすい特徴があります。
Scratchはダウンロード不要で手軽に始められることに加え、漢字やひらがな表示にも対応しているため、小学生からプログラミングに慣れ親しみたい方におすすめです。
Scratchは、通常であれば大人にとっても学習が難しいプログラミング言語を、子どもでも簡単にわかるようにした言語です。そのため、子どもだけでなく、大人にとっても利用価値のある言語といえるでしょう。
「プログラミングは習いたいけれど、難しそうでなかなか決心がつかない」、「プログラミング教室はお金がかかる」といったときには、まずScratchでプログラミングの概念を学ぶ方法があります。ここではScratchの以下の特徴を、ひとつずつ詳しく解説します。
Scratchの特徴の一つは、ブロックを組み合わせてプログラムを作成できることです。すでにあるブロックの組み合わせによりプログラミングが可能であるため、小学生でも遊び感覚でプログラミングやプログラムの概念を学習できます。
Scratchは視覚的な要素で構成されているため、操作が簡単です。また、一般的なプログラミング言語のようにひたすら配列や関数を覚える必要がなく、直感的にプログラムを組み上げられるため、学習のハードルが低い特徴があります。
小学生でも学びやすく作られているため、プログラミングをはじめて学ぶ大人にとってもわかりやすい教材なのです。
通常プログラミング言語を学習する場合、オンライン学習やプログラミング教室を利用するため、ある程度のお金が必要になります。一方、Scratchは使用・制作物公開が無料です。Scratchは無料で学習を始められるため、学習教材として人気があります。
Scrachサービスの利用がすべて無料であるため、経済的な負担がなくプログラミング学習を続けられるでしょう。
プログラムを日本語で書ける点も、Scratchを使用してプログラミングを学ぶ大きなメリットです。一般的なプログラミング言語の多くは、日本語ではなく英語が主となっているため、プログラミングを覚える前にある程度英語を理解する必要があります。
英語の知識が求められることも、子どもにとってプログラミング言語学習のハードルが高くなる要因のひとつといえるでしょう。しかしScratchは、日本語でプログラムの作成ができます。そのため、子どもがプログラミングとその概念を覚えるための入門用教材として使いやすいのです。
Scratchは8歳~16歳のユーザーをターゲットにした、教育用のプログラミング言語として開発されました。プログラミング言語の多くは、子どもが学ぶには難解だからです。
Scratchは、もともと子どもを対象としているだけあって、子どもにわかりやすく見やすい構造となっています。
一般的なプログラミング言語と違い、コードを書くのではなくブロックを組み合わせる操作によってプログラミングできることが特徴でしょう。このため、英語を理解していないけれどプログラミング学習をしたい小学生でも学びやすいのです。
Scratchが子どもの学習におすすめできる理由は、いくつかあります。もともと子どもの学習用に開発された点が最も大きな理由です。そのほか、子どもの学習にぴったりな理由として、以下の3つが挙げられます。
それぞれの理由について、ひとつずつ詳しく解説します。
Scratchは、高度なプログラミング言語を理解する一助となるでしょう。Scratchでブロックを移動させながらプログラムの「変数」や「繰り返し」の概念を覚えることで、さらに高度なプログラミング言語に興味が湧く可能性があります。
プログラミングへの興味が出てくれば、Scratchより難しいプログラミング言語を理解するモチベーションにつながるでしょう。プログラミングへの興味や関心をかき立てることがScrachを学習する最終目的のひとつです。Scrachの学習は、後にプログラマーとして活躍しようとするきっかけにもなります。
Scratchでの学習は、プログラミング的思考の形成をサポートします。プログラミング的思考とは、まず「作りたいもの」を明確にし、その実現のために「必要な要素」を見極め、ゴールまで最も効率の良い「道筋」を明確にすることです。
日常生活では子どもにとってプログラミング的思考が必要な場面はほとんどありません。そのため、日常生活の中でプログラミング的思考、つまり論理的思考の育成は難しいのです。しかしScratchでの学習により、プログラミング的思考を育てられます。
なぜならブロックを使って制作物を作成する中で、自然とプログラミング的思考が身につく構成になっているからです。そのため、子どものうちからプログラミング的思考を形成したいのであれば、Scratchの活用がおすすめです。
Scratchでは、共同作業の大切さも学べます。子どもは成長するにつれ、一人ではできないことが多いと理解します。一人ではできないことに直面したときに重要なことは、共同作業です。自分ができないことをほかの人と分担し、全員でゴールを目指す意味や重要性を、共同作業によって学べます。
たとえば、プログラミング教室や学校では数人のグループでプログラミングを行うことがあるでしょう。みんなでアイデアを出し合い、不具合が出た場合はどこに問題があるか、どうやったら修正できるかなどを話し合います。
そういった共同作業の「楽しさ」と「重要性」をプログラミングを通して知れることも、Scratchが子どものプログラミング学習に最適な理由のひとつです。
Scratchのメリットは、子どもでも大人でも理解しやすい点です。ほとんどのプログラミング言語は英語のようなコードを覚える必要があるため、とくに小中学生には難しく、子どもや初心者は挫折しやすいでしょう。しかしビジュアルインターフェースのScratchであれば、わかりやすく楽しい学習ができるのです。
さらに学習を進めるうちに、自然とプログラミングの概念やプログラミング的思考を身につけられます。ここでは、Scratchの主な2つのメリットについて、詳しく解説します。
Scratchは、子どもや初心者もプログラミングについて理解しやすいメリットがあります。一般的なプログラミング言語は英数字の羅列がひたすら続くため、子どもや初心者は「難しそう」と敬遠してしまいがちです。最初に抱いた「難しい」イメージを覆すことは容易ではありません。
しかしScratchは、視覚的なわかりやすさのある直感的なプログラミングが可能です。そのため、一般的なプログラミング言語に対する「難しそう」といったイメージから最も遠い立ち位置にあり、学習のハードルが低くなります。
プログラミングの難しい概念を意識せずにプロックをつなげていくことにより、自然と構造化されたプログラムを組めるため、小学生や初心者がプログラミングの概念を理解する教材として最適なのです。
Scratchは、試行錯誤のしやすさも特徴のひとつといえるでしょう。一般的なプログラム言語の場合は、バグを取り除く際に1行ずつコードをチェックしていく必要があるため、バグの解消には非常に時間がかかります。
しかしScratchであれば、ブロックを組み変えることによりエラーを除去できるのかを試せます。そのため、「トライアンドエラー」を繰り返しつつ、楽しみながら完成度の高いプログラムを作成できるのです。
わずらわしいバグの解消作業から解放されると、より高度なプログラムにも挑戦してみたい気持ちにもなるでしょう。試行錯誤を繰り返して、プログラムを書き変える楽しさも学べるため、ぜひ試してみてください。
インターネットなどを検索したときに、Scratchでのプログラミング学習は意味がない、と書かれていることがあります。本当にScratchでのプログラミング学習に意味はないのでしょうか。ここではScratchを学習することの意味について、詳しく解説します。
Scratchは実際のIT現場では活用されていないため、学習する意味がないといわれることがあります。プロがScratchを活用しない理由は、Scratchがほかのプログラミング言語に比べて、処理が遅すぎるためです。
さらに、ほかの人の作ったプログラムとの互換性がなく、プログラムをほかのプロジェクトへ流用できない点も、実務でScrachが採用されない理由のひとつでしょう。
せっかくプログラムを作っても商品化できない点は、ビジネスの現場においてデメリットとなります。これらの理由から、プロのプログラマーは実際の現場でScratchを活用していません。
そのため、ビジネスで活用されないがゆえに、Scrachを学んでも意味がないといわれます。しかし、Scrachはそもそもプログラミングの概念や論理的思考を学ぶ教材の一種として開発されました。事実としてScrachは実務で採用されていませんが、概念や論理的思考は学べるため、Scrachでの学習そのものに意味がない、という視点は正解とはいえません。
プロが使っていないからといって、Scratchを学ぶことに意味がないわけではありません。プログラミングを学習するときには、継続した長期学習が大切です。
たとえば、プログラミング言語は英語を理解し、パソコンでさまざまな記号を打てることが前提です。そのため子どもや初心者は学びの最初の時点でつまづき、挫折してしまうことがあります。
英語がわからない人でも理解しやすいScratchは、継続した基礎の学習に適しています。
何も知識のない状態でプログラミング言語を学び始めることは難しいでしょう。実際に「せっかくプログラミング学習を始めたけど難しくて挫折した」、「記号の打ち方がわからなくて何もできないままやめてしまった」という声もあります。
しかし、Scratchに慣れてからであればキーボードの使い方もわかっているので、記号やアルファベットを打つことができ、プログラミング言語にもある程度の親しみが持てるでしょう。何も知らない状態より、挑戦しやすいのではないでしょうか。
Scratchには、子ども向けのプログラミング学習以外にもできることがいくつもあります。Scratchはあくまでもプログラミング言語の一種なので、さまざまなプログラミングが可能です。
自分が作ったプログラムを人に評価してもらえ、ほかの人のアイデアを自分のプログラムに活かせます。主にScratchでできることは、以下の3つです。ひとつずつ、詳しく解説するのでぜひ、参考にしてみてください。
Scratchでは、プログラミング初心者や子どもでも簡単にゲームやアニメーションが作成できます。たとえゲームやアニメーションの専門知識がなくても、自分のアイデアを容易に形にできるのです。画面上のブロックを移動させるだけでプログラムを組めるため、難易度が高いと思いがちなゲームやアニメーションの作成も簡単に行えます。
決められたプログラムをなぞるだけでなく、自分のアイデア通りのカスタマイズも可能です。日本語に対応しているため小学生でも取り組みやすく、背景や登場するアイテムなどもユーザーが自由に決められるので、独自のゲームやアニメーションを作れる魅力があります。
Scratch専用のオンラインコミュニティがあり、作品をアップすることで世界中の人に見てもらえます。作品作りの意見交換や質問などもでき、自身の作った作品に関して感想ももらえるのです。
よいコメントがつけば、さらにプログラミングへの意欲が湧くため、次の作品作りへとつながります。必ず良いコメントをもらえるとは限りませんが、第三者の意見を次の作品に活かして、よりよい制作も可能です。多くの人からコメントをもらう経験が、プログラミングをさらに掘り下げようとするモチベーションにつながるでしょう。
Scratchでは、オンラインコミュニティを通じて自分の制作物を披露できるだけでなく、他のユーザーが作ったゲームにも触れられます。
チュートリアルも公開されていて、自分の作りたいゲームやアニメーションに対する制作上のヒントを得られるのです。公開されているチュートリアルから、自分では思いつかなかったアイデアを見つけられます。
他の人が作った作品を参考にし、自分の作品をよりよいものに改善できます。アイデアを活かすだけでなく、新たな機能の追加も可能です。
他のユーザーが作った作品を参考にし、自分の制作物の完成度を高めていく中で、自ずと問題解決力も身につけられるでしょう。
Scratchを使いこなすには、まず使い方を詳しく知っておく必要があります。使い方を知らなければ、いくらScratchが簡単とはいっても、うまく操作できないからです。ここでは、アカウントの作成からブロックの組み合わせや背景の変更方法まで、ひとつずつの過程を詳しく解説します。
Scratchを使用するためには、まずはアカウントを作成する必要があります。アカウントを作成するには、Scratchの公式サイトにアクセスしてください。トップ画面右上の「Scratchに参加しよう」をクリックし、ユーザー名やパスワードの入力後、簡単な質問に答えるだけです。
Scratch – Imagine, Program, Share
ただし、本名など自身の個人情報を特定できる言葉は入れないように注意しましょう。簡単な質問に答えたあとでメールアドレスを入力し、「Scratchへようこそ」という表示が出たら登録作業は完了です。登録したメールアドレスに認証メールが届くので、忘れずに認証してください。
以下、画像で登録の流れを見ていきます。
プロジェクトを作成するには、Scratchの初期画面上段にある「Scrachでプロジェクトを作るには」のアイコンをクリックしてください。画面がすぐに切り替わるので、切り替わったらプロジェクトの作成ができます。すでにブロックが用意されているため、自分好みのプロジェクトを作成してみてください。
漢字・ひらがなに対応していない場合は、言語設定をする必要があります。Scratchの言語設定をするには、プロジェクト作成ページの地球儀アイコンから漢字とひらがなを選びます。選んだら、一度確認してみてください。問題なく変わっていたら、そのまま作成に入りましょう。
ブロックを組み合わせることで、簡単なアニメーションならすぐに作成可能です。画面には最上部にメニューバーがあり、左側にプログラムを実行するための命令ブロックが配置された「ブロックパレット」があります。ブロックを組み合わせるためには、ブロックパレットからブロックを取って画面真ん中のコードエリアに移動しましょう。
デフォルトで表示されている画面右上の「ネコ」のような動物に動きや効果音をつけられます。チュートリアルを見ると、より操作方法が理解できるでしょう。
コードエリアでブロックを自由に組み合わせられるため、どんどん組み合わせてプログラムを作成してみてください。理想の組み合わせができたら、ステージでキャラクターの動きを確認してみましょう。
アニメーションに動作を加える中で「背景を〇〇にする」という処理を加えられます。画面左のメニュー「見た目」には背景に関する動作がいくつかあります。
動作を決めたらアイコンを中央にドラッグしてください。続いて画面右下の背景メニューから、設定したい背景を選びます。
選択した背景は、アイコンのリストに追加されます(下図参照)。
Scratchが用意した背景を選べるだけでなく、自身が描いた背景をアップロードし、設定することも可能です。自分好みの背景を設定できるので、ぜひ試してみてください。
Scratchを活用することで、プログラミングの仕組みを基礎から学習できます。Scratchの利点は、子どもでも手軽にプログラムを組めるという点です。
今回は、Scratchについての特徴やメリット、使い方までを詳しく解説しました。Scratchでプログラムを作るコツを学んで、本格的なプログラミング言語の習得に活かしてみてください。
2024.06.17
子供におすすめのプログラミングスクール10選!学習メリットや教室選びのコツも紹介
#プログラミングスクール
2022.01.06
【完全版】大学生におすすめのプログラミングスクール13選!選ぶコツも詳しく解説
#プログラミングスクール
2024.01.26
【未経験でも転職可】30代におすすめプログラミングスクール8選!
#プログラミングスクール
2024.01.26
初心者必見!独学のJava学習方法とおすすめ本、アプリを詳しく解説
#JAVA
2024.01.26
忙しい社会人におすすめプログラミングスクール15選!失敗しない選び方も詳しく解説
#プログラミングスクール
2022.01.06
【無料あり】大阪のおすすめプログラミングスクール14選!スクール選びのコツも紹介
#プログラミングスクール
2024.01.26
【目的別】東京のおすすめプログラミングスクール20選!スクール選びのコツも徹底解説
#プログラミングスクール
2024.01.26
【無料あり】福岡のおすすめプログラミングスクール13選!選び方も詳しく解説
#プログラミングスクール
2024.01.26
【徹底比較】名古屋のおすすめプログラミングスクール13選!選び方も詳しく解説
#プログラミングスクール
2024.01.26
【徹底比較】おすすめのプログラミングスクール18選!失敗しない選び方も徹底解説
#プログラミングスクール