TypeScript

最終更新日: 2024.01.26 (公開: 2023.09.19)

NestJSとは?使うべき理由やおすすめの学習方法を初心者向けに解説

NestJSとは?使うべき理由やおすすめの学習方法を初心者向けに解説

NestJSはNode.jsのフレームワークで、サーバーサイドのアプリケーション開発を簡単かつ短い時間で行えるようにしたものです。本記事ではNestJSのメリットとデメリット、初心者の方へ向けたおすすめの書籍や講座の情報を紹介します。

「NestJS」は「Node.js」のフレームワークで、サーバーサイド(ユーザーには見えない部分)のアプリケーション開発を簡単かつ短い時間で行うことを目的に開発されたものです。

本記事では、「NestJS」のメリットやデメリットについて詳しく解説し、これからNestJSを学習したい初心者の方へ向けて、おすすめの書籍やオンライン講座、YouTubeの講座動画についても紹介します。

NestJSとは

NestJSとは

「NestJS」、または単にNestと呼ばれることもあるフレームワークは、「Node.js」を利用した効率的かつ拡張可能なサーバーサイドのアプリケーションを開発するための仕組みです。

「NestJS」の特徴は、「JavaScript」と「TypeScript」の両方を活用した開発が可能である点です。「JavaScript」と「TypeScript」両方のメリットを活用できることにより、既存の「JavaScript」のコードを利用できるため、コードのメンテナンス性が向上するメリットが得られます。
ここからは、「NestJS」の特徴を詳しく解説します。

Node.js上で動くバックエンド開発のフレームワーク

「NestJS」は、「Node.js」のオープンソースのフレームワークで、サーバーサイド開発をサポートします。「NestJS」を活用することで、効率的かつ拡張性の高いサーバーサイドアプリケーションを構築できます。またNode.jsは、「JavaScript」や「TypeScript」をサーバーサイドで動作させられるプラットフォームです。

「Node.js」では、非同期IO(データのインプットやアウトプットを他の操作を待たずに実行できること)が可能です。そのため、Webブラウザの外(ユーザーからのリクエストを処理したり、データを保存・取得したりするサーバーサイド)でも、「TypeScript」または「JavaScript」を実行できます。

また、「NestJS」は「Node.js」上で動作するフレームワークであり、Webアプリケーションの構築を助けます。たとえばeコマースサイトの構築する際には、「NestJS」を活用することで、商品のリストを表示したり、カートへの追加や購入処理を制御したりするロジックの実装に役立つでしょう。

さらに、「NestJS」は企業レベルの大規模アプリケーション開発をサポートできるため、開発者はアプリケーションの拡張性と効率性を確保しながら、複雑なシステムの実装が可能です。

TypeScriptを完全にサポートしている

「NestJS」は「TypeScript」に完全対応したフレームワークです。「TypeScript」で開発を行う人々にとって、「JavaScript」に対応したツールを併用せずに済む点が大きな利点となります。

「TypeScript」は「JavaScript」の上位互換の言語です。静的型付け(コードを書くときに変数の型を宣言する文法)やインターフェース(オブジェクトが必要な変数とその型を確実に持つようにする仕組み)などの機能を「TypeScript」は持つため、大規模プロジェクトでもコードの可読性と保守性を高めることが可能になります。

「NestJS」では、「TypeScript」の特徴を最大限活用できるのです。

また、フロントエンド開発でも「TypeScript」を用いる人々にとって、「NestJS」は魅力的な選択肢となります。なぜなら、「TypeScript」はフロントエンドとバックエンドの間でコードの共有や型の一貫性を保つことが可能となるため、フロントエンドとバックエンド双方の生産性を高められるからです。

Expressを元に作られている

「NestJS」は「Express.js」をベースに、「TypeScript」で書かれた企業・組織向けのフレームワークです。「Express.js」は、「Node.js」のフレームワークとして高いシェアを誇ります。

「Express.js」はそのシンプルで直感的なAPIの設計と豊富な機能により、「JavaScript」でサーバーサイドの開発を行う際の王道ともいえるフレームワークです。「NestJS」は、「Express.js」が提供するすべての機能を利用できます。

さらに、「NestJS」は単に「Express.js」の機能を利用するだけでなく、プログラムの各部分がうまく連携できるように特別な仕組みを提供しています。この仕組みにより、コードが綺麗に整理され、後から修正や追加がしやすくなるでしょう。その結果、より強力で効率的なアプリケーションの開発が可能となるのです。

NestJSを使うべき理由

NestJSを使うべき理由

この章では、主に以下の「NestJS」を使うべき理由について解説します。

  • オープンソースなので拡張性が高い
  • TypeScriptで開発が可能
  • Angular風のルールがチーム開発に適している
  • 公式のドキュメントが理解しやすい
  • 機能ごとに開発を進めることができる
  • メンテナンス性が高い

オープンソースなので拡張性が高い

「NestJS」を採用するひとつの理由は、オープンソースであり、高い拡張性を持つ点です。

「NestJS」のコードベースは、オープンソースのフレームワークとして公開されており、開発者は自由にその内部を探索できます。オープンソースのソフトは、改変や再配布が可能であることから、より利便性の高いものにしようとする方々により改良されているのです。

さらに「NestJS」は、高い拡張性を持っています。「NestJS」の内部構造は、モジュールをベースとした設計と、依存性注入のシステムでできているため、アプリケーションの構造を柔軟に管理することが可能なのです。

依存性の注入とは、プログラムをより効率的で柔軟に作るための有用な手法です。たとえば自動車を作るとき、エンジン・タイヤ・ハンドルなど、それぞれの部品をうまく組み合わせて一台の車を作ります。

「依存性の注入」は、「部品をうまく組み合わせる」作業をプログラムで行う仕組みです。ある機能(車でいう「エンジン」)が他の機能(「燃料」や「冷却システム」)に依存している場合、それらをうまく組み合わせてくれます。

この仕組みのおかげで、プログラムが綺麗に整理され、後から修正や追加がしやすくなります。それぞれの「部品」が独立しているため、一つひとつを別々にテストしたり改良したりすることも容易です。

この拡張性の高さにより、開発者は大規模なアプリケーションでも、変化に柔軟に対応しながら、効率的に開発を行えます。

TypeScriptを使った開発ができる

「NestJS」を選ぶ理由のひとつとして、「TypeScript」での開発が可能であることがあげられます。「TypeScript」は「JavaScript」の上位互換となるスクリプト言語で、静的型付けやインターフェースなどの機能を持っています。

「Typescript」と「JavaScript」双方のメリットを享受できることから、大規模なアプリケーション開発におけるコードの可読性と保守性を高めることが可能です。

また「TypeScript」を用いた開発は、フロントエンドとバックエンドの間でのコード共有や、型の一貫性を保つことを可能にします。これによりフロントエンドとバックエンド双方の開発の効率性と品質の向上が期待できるのです。

公式のドキュメントわかりやすい

NestJSを選ぶ理由のひとつが、公式ドキュメントの質が高い点です。「NestJS」の公式ドキュメントは初歩的な内容から専門的な内容まで、幅広い分野の解説がされています。このため、初心者から経験豊富な開発者まで、すべてのレベルの開発者にとって理解しやすいフレームワークであるといえるでしょう。

また、「NestJS」の公式ドキュメントは明確で具体的な例を交えながら、フレームワークの機能や概念が解説されています。さらに、常に最新の状態に保たれており、新たに追加された機能や改善されたパートについてもタイムリーに情報が更新されます。

機能単位の開発ができる

「NestJS」を用いると、機能単位での開発が可能となります。そのため、大規模なアプリケーション開発を小さく管理しやすい部分に分割して進めることが可能になるのです。

「NestJS」はモジュールベースの構造であるため、各機能は独立したモジュールとして開発され、それぞれが特定のタスクを実行する責任を持ちます。機能単位の開発ができることで、大きなプロジェクトでも効率的な管理が可能となるのです。

また、モジュール化により他の部分から独立したテストや更新が可能となるため、開発サイクルの高速化や、バグの修正を容易にします。これらの特性は、チームが共同で作業する際にとくに重要です。

メンテナンス性が高い

「NestJS」は高いメンテナンス性を持っています。NestJSで書かれたプログラミングの構造は整理されており、それぞれの機能が明確に分けられているため、コードの管理が比較的容易です。

NestJSのモジュール性は、アプリケーションをより小さく管理しやすい単位に分割できます。そのためコードの修正やアップデートが必要な場合でも、修正の影響範囲を最小限に留めることが可能です。

また、「NestJS」は「TypeScript」を完全にサポートしているため、コード補完や型チェックといったエディタのサポートを利用して、バグの早期に発見から修正まで可能となります。

NestJSを使う上での注意点

NestJSを使う上での注意点

ここからはNestJSを使用するデメリットについて解説します。具体的には、以下のふたつです。

  • 他の主要フレームワークに比べ、ユーザーが少ない
  • 日本語によるドキュメンテーションが十分に揃っていない

他の主要フレームワークに比べ、ユーザーが少ない

NestJSを採用する注意点は、他の主要フレームワークに比べてユーザーが少ない点です。

ユーザーの少なさは、学習リソースや情報源の不足という結果を招きます。専門的な教材や情報を提供するウェブサイトが限られているため、NestJSを学習しようとする初心者が求める情報を見つけにくい可能性があるのです。

さらに、NestJSのユーザーが少ないことから、質問や回答サイトにおける質問への返答が遅かったり、回答の母数が少なかったりします。ユーザーの少なさは、新しい技術を学び、サポートが必要な初心者にとっては大きなハードルです。

以上のような事態を避けるために、事前に周囲に「NestJS」の利用者を探し、教えてもらえる環境を作っておくなど、対策を用意しておくことが重要です。

日本語のドキュメントが少ない

NestJSの学習や実装にあたり留意すべき点のひとつが、日本語のドキュメンテーションの少なさです。公式サイトおよび資料は主に英語で提供されています。そのため、NestJSの学習において英語が得意でないことは、非常に大きなハードルになりかねません。

ただし、「NestJS」の成長とともに、コミュニティメンバーによる公式ドキュメンテーションの日本語翻訳が進んでいます。日本語に翻訳されたドキュメンテーションは、NestJSの学習に役立つでしょう。

また、ブラウザの翻訳機能も発達しているため、ドキュメンテーションを読む難易度も下がっています。翻訳ツールなどを駆使しながら、英語のドキュメンテーションも読み進めてみてください。

NestJSを学習する方法

NestJSを学習する方法

ここでは、NestJSの学習を開始する方に向けて、おすすめの学習書籍やオンライン教材を主に以下のふたつの項目に分けて紹介します。

  • Node.jsフレームワーク超入門
  • おすすめのUdemy講座

Node.jsフレームワーク超入門

書籍「Node.jsフレームワーク超入門」表紙
Node.jsフレームワーク超入門

本書は、「Node.js」の主要なフレームワークである「Express」や「Sails.js」、「Adonis.js」、「NestJS」、「Meteor」、「Prisma」、「TypeORM」について、セットアップの手順から基本操作までを、初心者にも理解しやすい言葉で説明しています。

また、NestJSの基本概念から応用までをカバーしており、初心者にもわかりやすい解説がされています。例題や実践的な手法を通じて、NestJSの理解を深められるでしょう。

おすすめのUdemy講座

UdemyのNodeJS講座
引用:Udemy

Udemyは、世界最大級のオンライン学習講座のプラットフォームです。NestJS学習には「NestJS + Next.js によるフルスタックWeb開発」のコースがおすすめといえるでしょう。

料金は27,800円ですが、セールを利用することで9割引き以上の価格で利用可能です。2023年5月時点で、すでに1,400人以上の受講生がおり、評価は4.7と人気と評価が高いことがわかります。学習総時間も4時間のため、初心者でも簡単に内容を終わらせられます。

同コースでは「NestJS」を用いてREST APIを作る方法や、フロントエンドフレームワークのひとつであるNext.jsとどのように組み合わせて使うかについての学習が可能です。初心者の方は、ぜひUdemyを通じて「NestJS」に対する理解を深めてみてはいかがでしょうか。

NestJSで便利な機能を使って開発ができる

NestJSで便利な機能を使って開発ができる

「NestJS」は、サーバーサイドアプリケーションの開発を簡単かつ迅速に行えるフレームワークです。

「TypeScript」を使用したWebアプリケーション開発においては、サーバーサイドとフロントエンドの両方をカバーすることも可能です。すでに「TypeScript」の経験がある方は、「NestJS」の活用もスムーズに行えるでしょう。

フレームワークを活用したとサーバーサイドアプリケーション開発に興味がある方は、本記事を参考に「NestJS」の学習を始めてみてはいかがでしょうか。

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