本記事ではRubyのフレームワークのひとつである、Ruby on Railsについて紹介します。Ruby on Railsの特徴やRuby on Railsを使ってできること、学習方法について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
Ruby on Railsはプログラミング言語Rubyのフレームワークで、学習のしやすさと汎用性の高さが特徴です。本記事では、
といった人に向けて、Ruby on Railsの概要や特徴、学習方法などを解説します。
本記事を参考にして、ぜひRuby on Railsへの理解を深めてください。
目次
ここでは「Ruby on Rails」とは何か詳しく解説します。具体的な内容は次の2点です。
まずは、「Ruby on Rails」の基本を知っておきましょう。
「Ruby on Rails」は、「Ruby」のフレームワークです。「Ruby」とは日本産のプログラミング言語で、さまざまなWebアプリケーションの開発に利用されています。「Ruby」を用いて作られたサービスの例は、クックパッドやTwitter・食べログなどです。
「Ruby」には多くのフレームワークがありますが、その中で最も知られているのが「Ruby on Rails」です。「Ruby on Rails」のおかげで、さまざまな開発を効率良くおこなえるようになりました。
「Ruby on Rails」には呼び方がいくつかあり、単に「Rails」と呼ぶ人や「RoR」と呼ぶ人がいます。
ここでは、そもそもフレームワークとは何かを解説します。「Ruby on Rails」を知る前に、まずはフレームワークを理解してください。
フレームワークとは、Webアプリケーション開発の実装を容易におこなうための骨組みです。必要な機能をフレームワークにまとめているので、完成している土台に必要なプログラムを補完するだけでシステムやアプリケーションを制作できます。フレームワークを使えば、開発時間を大幅に短縮できるのが特徴です。
「Ruby」を用いた開発プロジェクトのメンバーとして採用されるには、フレームワークの知識は必須といえるでしょう。
ここからは、「Ruby on Rails」が作られた経緯について解説します。具体的な内容は3点です。
それぞれ詳しく解説します。
「Ruby on Rails」は、デンマークのDavid Heinemeier Hansson氏が開発し、2005年にリリースされています。David氏は「Ruby」の素晴らしさに感激し、より使いやすいものにしているWebアプリケーション開発を推進しようと考えました。その中で、Webアプリケーション開発のフレームワークである「Ruby on Rails」が開発したのです。
よりフレキシブルに「Ruby」の開発をおこなうために必要な機能が、「Ruby on Rails」に多く含まれています。「Ruby on Rails」はプログラマーの願いや気持ちをくみ取ることを念頭に、プログラマーの幸福度が高まるように設計されているのが特徴です。
開発者のDavid氏は、「Ruby on Rails」開発で基本原則を8つ掲げています。ここでは、8つの中で代表的な原則の3つを紹介します。
まず、規約重視で考えることで、当たり前に実装すべき単純な部分をデフォルト化し、それ以外の独自処理の実装に集中することが可能です。
たとえば、「Ruby on Rails」では、特定のディレクトリ構造が推奨されています。具体的には以下のとおりです。
このように、ディレクトリ構造が決められていることによって開発者は、ファイルの位置を容易に特定できます。
また、「Ruby on Rails」は、同じ処理を繰り返し書かないように設計されています。さらに、安定性よりも進歩を重視しているため、積極的にバージョンアップがおこなわれており、常にフレームワークは発展しているのです。
リソースフルルーティングとは、処理対象のデータをリソースと考え、リソースへアクセスする経路を構成する考え方です。その結果、同一のリソースに対して別々のアクションがおこなえるため、プログラム管理が楽になりました。
リソースは、CRUD操作をおこないます。CRUD操作とは、データベースでデータを管理する際に実施する以下4つの操作です。
リソースフルルーティングでは、アプリケーション内のリソース(例:ユーザーや記事)に対して、一連の標準的なアクション(作成、読み取り、更新、削除)をおこなうURLとHTTPメソッドが自動的に定義されます。
たとえば、ブログアプリケーションで記事(Article)リソースを扱う場合、以下のコードをconfigディレクトリにあるroutes.rbファイルに記述します。
Rails.application.routes.draw do resources :articles end
このコードで、以下のようなリソースフルなルーティングが自動的に生成されます。
上記の「:id」には記事のIDが入ります。リソースフルルーティングを使用することで、プログラムの構造が整理され、コードの可読性と保守性が向上するのです。
ここでは、「Ruby on Rails」を使ってできることを5つ解説します。
「Ruby on Rails」を使ってできることや特徴を知ると、より理解を深められます。
「Ruby on Rails」は、Webアプリケーション開発に適しています。SNSやマッチングサービスは、「Ruby on Rails」で開発が可能です。
「Ruby on Rails」を利用すればWebアプリケーションの開発が容易にできるため、今後も需要が増えることが予想されます。Webアプリケーションの開発業界で働きたい人や自分でサービスを作りたい人は、「Ruby on Rails」のスキルと知識の習得がおすすめです。
ブログやオウンドメディアなどで、「Ruby on Rails」はよく使用されています。たとえば、レシピ投稿サイトの「クックパッド」や宿予約ECサイトの「Airbnb」に、「Ruby on Rails」が使われています。
「Ruby」はスクリプト言語のため、デバッグが容易におこなえる点もメリットです。そのため、「Ruby on Rails」は、Webサイト制作の開発業界でも重宝されています。Webサイト制作会社によっては、「Ruby on Rails」の知識が必須となっている場合もあります。Webサイト制作の仕事がしたい人は、「Ruby on Rails」のスキルと知識習得がおすすめです。
「Ruby on Rails」は、勤怠管理システムや在庫管理システムなどの業務管理システム開発にも適しています。クラウド会計サービスの「freee」は、「Ruby on Rails」を用いて作られた業務システムの代表例です。
「Ruby on Rails」の活用で効率的かつスピーディーにシステム開発できるため、さまざまな機能の追加ができます。
「Ruby on Rails」を習得していれば、Webサービス関連だけでなくシステム開発に携わることも可能です。
「Ruby on Rails」を使えば、スマートフォン向けアプリの開発もできます。スマートフォン向けアプリは、「Swift」や「Java」などのプログラミング言語で作成されます。しかし、アプリから取得したユーザーの個人情報の保存や管理では、サーバーでデータを管理するプログラミングが必要です。その管理するデータの仕組みを、「Ruby on Rails」で作ります。
「Ruby on Rails」を習得すると、スマートフォン向けアプリの開発にも携われるでしょう。
スクレイピングとは、Web上の情報を収集し、データ分析に加工する技術です。たとえば、Yahoo!のトップページに掲載されている記事からタイトルを抜き取って、マーケティングに活用するなどの場合に使用できます。他にも、ECサイトから商品情報を収集して価格表を作成するなど、さまざまな場面で活用されています。
「Ruby on Rails」を使えば、スクレイピング技術でWeb上のデータを抽出し、マーケティングのデータ分析に活かすことも可能です。
ここでは、「Ruby on Rails」の特徴を4つ解説します。主な特徴は以下のとおりです。
「Ruby on Rails」の特徴を知って、知識を深めてください。
「Ruby on Rails」が採用しているMVCモデルとは、以下3つの略称です。
MVCモデルは、アプリケーションの機能の中核となる処理や外見を作る処理、接続する処理を別々に書くモデルです。ソースコードの再利用性が高く、追加や変更などが簡単におこなえます。
「Ruby」は、記述が他のプログラミング言語と比較しても簡単です。「Ruby」のフレームワークである「Ruby on Rails」は、使い方が日本語で解説されている場合も多いため、わからない機能を調べながら開発できます。そのため、初心者でも習得しやすいプログラミング言語といえるでしょう。
「Ruby」には、さまざまなフレームワークがあります。プログラミング学習が初めてでどのフレームワークがよいのかわからない人は、「Ruby on Rails」を選んでみてはいかがでしょうか。
「Ruby on Rails」は、「Ruby」と比べても少ないコード量で実装できます。
「Ruby on Rails」のコード規則は「Ruby」よりも細かく決められているため、規則どおりに書くと簡単にアプリケーションやシステムの開発ができます。コードの記述量が少ないため、コードの書き方も覚えやすく学習コストが他のプログラミング言語やフレームワークと比べて少ないです。
「Ruby on Rails」には、便利なライブラリが豊富で、Webサービス開発の応用が利きます。ライブラリとは、一般的な問題やタスクを解決するために最適化されたコードが含まれているファイルの集まりです。「Ruby on Rails」の優れたライブラリで、短期間での開発ができます。さらに、「Ruby on Rails」では、規約に基づく開発がおこなわれるため、コードの可読性(読みやすさ)と保守性が高くなることから、開発者がコードを理解しやすく、仕様変更や追加をおこないやすくなります。
また、MVCモデルを採用しており、機能ごとにコードが分割されているため、特定の機能に対する変更が他の機能に影響を与えにくくなり、仕様変更に迅速な対応が可能です。これらのコードの可読性(読みやすさ)と保守性の高さ(変更しやすさ)、MVCモデルの存在などにより、開発期間の短縮とともに、仕様変更がしやすいメリットが生まれるのです。
「Ruby on Rails」で、多くの一般的なWebサービスを実装できることからも、さまざまなWebサービス開発へ活用できるでしょう。以下は「Ruby on Rails」で実現できるWebサービスの例です。
役割 | 貢献するライブラリ | |
---|---|---|
SNS | ユーザー管理、投稿のCRUD(作成、読み取り、更新、削除)機能、いいねやコメント機能の実装 |
Devise(ユーザー認証) Active Record(データベース操作) Action Mailer(メール送信) |
Eコマースサイト | 商品の管理、検索、購入機能、カート機能、決済処理の実装 |
Active Record(データベース操作) Active Storage(ファイルアップロード) 検索用gem(ransackやsearchkickなど) Stripe(決済処理) |
タスク管理アプリ | タスクの登録・編集・削除、期限の設定、完了・未完了の管理 |
Active Record(データベース操作) Action Mailer(メール送信) 日付・時刻の操作(time_ago_in_wordsなど) |
ここでは、「Ruby on Rails」の使用が向いている人の共通点を解説します。ここで紹介する共通点は、主に3つです。
どのような人が「Ruby on Rails」に向いているか確認し、プログラミング言語やフレームワーク選びの参考にしてください。
「Ruby on Rails」が向いている人の共通点は、使いやすいフレームワークを探していることです。「Ruby on Rails」は、規約に従うことでコーディングの手間を省き、開発を効率的に進められます。また、「規約による開発」と「リソースフルルーティング」などの機能を利用することで、コードの量を減らしつつも、簡潔で読みやすいコードを実現することが可能です。
つまり、使いやすいフレームワークを駆使してコードを書く量を減らし、開発を効率的に進めたい方や、Web開発をフレームワークを活用して効率的に進めたい方にとって「Ruby on Rails」は、有力な選択肢となるのです。
「Ruby on Rails」は、簡潔で可読性の高いコードを書くことができ、既存の豊富なライブラリを活用した開発が可能なことから、少人数での開発に向いているフレームワークといえます。少人数でも作業負荷が少なく効率的に開発を進められるため、小規模開発に携わりたい人は「Ruby on Rails」がおすすめです。
一方で、大人数や大規模な開発をしたい人は、「Ruby on Rails」以外のプログラミング言語やフレームワークがよいでしょう。
「Ruby on Rails」は「Ruby」のフレームワークなので、「Ruby」や他のプログラミング言語を習得していると、フレームワークの使い方に慣れているため、開発スピードがより速くなります。そのため、「Ruby」や他の言語を習得している人でないと、「Ruby on Rails」を使ったスピーディーな開発は難しいかもしれません。
ここでは、「Ruby on Rails」が初心者の人に向けて効果的な学習方法を紹介します。
今から学習を始めたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
書籍を購入して、内容を読みながら実践する方法です。参考書は基本的な内容を網羅しているため、「Ruby on Rails」の概念を理解するために役立ちます。参考書を持っておくと辞書代わりにもなるため、プログラマーになった後も参照できて便利です。
プログラミング系の書籍は、実際にプログラムを組みながら学習できるタイプのものがほとんどで、実践的な学習ができます。ただし書籍によって難易度が異なるので、スクールやオンライン学習サービスで基礎を学んでから書籍を購入する方法もおすすめです。
プログラミングスクールに通って「Ruby on Rails」を学習する方法もあります。プログラミングスクールはプロの講師が直接教えてくれるので、専門的な知識が身につきやすいです。講師に自由に質問できるため、不明点の解消をしやすく、よい環境の中で学習できます。
独学では難しくて挫折してしまった人は、プログラミングスクールの通学がおすすめです。ただしスクールによって講師のレベルやサービスの質・料金が異なるので、プログラミングスクールを選ぶ際は慎重に選びましょう。
オンライン学習サービスを利用して学習する方法もあります。オンライン学習では、初心者から上級者まで幅広いレベルの講座が用意されており、効果的な学習が可能です。オンライン学習なので、自分の好きなタイミングで場所を問わず受講でき、学習スケジュールを立てやすいメリットがあります。
オンライン学習サービスの代表として、Udemyがあります。Udemyのような動画買い切り型サービスは、動画を購入すれば何度も繰り返し視聴することが可能です。そのため、学習を続ける中でわからない部分を何度も復習できます。
本記事では、「Ruby on Rails」の概要や特徴・学習方法を解説しました。「Ruby on Rails」は、Webアプリケーション開発を効率的におこなうためのフレームワークです。「Ruby on Rails」の使用で、Webアプリケーション開発やWebサイト制作・業務システムの開発・スクレイピングなどができます。
「Ruby on Rails」が扱えるITエンジニアの需要はあるので、「Ruby on Rails」を習得してアプリケーション開発業界での活動に役立ててください。
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