本記事では「Python」のおすすめライブラリを紹介します。「Python」のライブラリの使い方や、インストール方法についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
「Python」のライブラリとは「Python」で使える汎用的なプログラムの集合のことを指します。本記事では「Python」のおすすめライブラリと、以下の4つの項目について具体的に解説します。
「Python」のライブラリを活用してより効率的に開発したい方や「Python」のライブラリの勉強をしたい方は参考にしてください。
目次
ここでは「Python」のライブラリの概要を解説します。ライブラリについて押さえておきたい項目は、以下の2つです。
「Python」のライブラリは、「Python」で使用できる汎用的なプログラムの集合体です。数多くのライブラリが存在し、それぞれの目的や用途に適した機能を使用できます。
自分のプロジェクトの要件に応じて、豊富なライブラリから最適なものを選ぶことで、効率的に開発を進められます。ライブラリを実践で使えるようになるためにも、まずは基礎的な内容をしっかりと押さえておきましょう。
ライブラリとは、再利用可能なプログラムの集合体です。ライブラリは、プログラムをより効率的に作成するために重要な役割を果たします。
プログラミングでは同じコードを省略できる仕組みが豊富にあるため、繰り返し同じ記述をすることは時間とリソースの浪費につながってしまうでしょう。そのため、頻繁に使用される機能や処理をまとめてライブラリとし、再利用しやすくすることで、効率的な開発を実現しています。
また、ライブラリにはデータ処理やファイル操作、ネットワーキング、グラフィックス、ユーザーインターフェースなど、さまざまな用途に応じたものがあり、自身がよく利用する内容に合わせたライブラリの選択が可能です。
ライブラリは、再利用可能な汎用プログラムの集まりであり、特定の機能や処理を提供します。
一方でフレームワークは、プログラム全体の流れや枠組みのようなものです。開発者はその枠組みであるフレームワークの中でプログラミングをおこなうことにより、一貫性のある開発や、効率的な開発が可能です。フレームワークには、ルーティング、セキュリティ、データベース操作など、さまざまな機能が組み込まれています。
汎用的な機能が組み込まれている点では、ライブラリとフレームワークは共通しているため、初心者の方には違いがわかりにくい部分もあります。しかし、フレームワークは、開発の流れを決める「枠組み」のようなものであるため、必要なコードの集まりであるライブラリとは、本質的に異なるのです。
「Python」で外部のライブラリを利用するためには、まずライブラリをインストールする必要があります。「Python」では、pipと呼ばれるパッケージ管理ツールを使用して、外部ライブラリをインストールできます。
pipを使ってライブラリをインストールする方法は、以下の通りです。
pip install ライブラリ名
上記の「ライブラリ名」にはインストールしたいライブラリの名前を入力指定ください。たとえば、「requests」や「numpy」などの、ライブラリ名を入れましょう。
もしも、「requests」をインストールする場合、以下のコマンドを実行します。
pip install requests
なお、pip自体は「Python」をインストールする際に同時にインストールされるため、自ら取得する必要はありません。
「Python」のライブラリを使用するには、コード内で「import」を使って、そのライブラリをソースコードに読み込む必要があります。たとえば数学関連の機能を提供する「math」ライブラリを使う場合、コード冒頭に以下のように記述してください。
import math # mathライブラリの機能を使用する x = math.sqrt(25) print(x)
ライブラリの中から特定のオブジェクトを使いたい場合は、fromキーワードを使います。以下の例では、mathライブラリの中のpiという定数を使って円周率を計算しているので、参考にしてみてください。
from math import pi # 円の半径を定義 radius = 10 # 円周率の計算 circumference = 2 * pi * radius print(circumference)
ここでは以下の2種類の「Python」ライブラリについて解説します。
これら2種類のライブラリの違いを明確に区別することが重要です。とくに初心者は、両者を混同しやすいため、ここで確実に押さえておきましょう。
「Python」の標準ライブラリとは、「Python」のインストール時に同時にインストールされるライブラリのことです。
そのため、標準ライブラリを使用するにあたって、追加のインストールは不要です。
標準ライブラリにはデータの操作、数学演算、日付と時間の処理など、さまざまな用途に特化したモジュールが含まれています。また、標準ライブラリは「Python」が認めたものしか導入されていないため、信頼性があり、豊富なドキュメントやコミュニティのサポートなども充実しています。
ただし、標準ライブラリは「Python」のバージョンによって若干の違いがあるので、現在のバージョンに何がインストールされているかの確認が必要となる点には注意しておきましょう。
「Python」の外部ライブラリとは、「Python」の標準ライブラリ以外のサードパーティが開発したライブラリのことです。これらのライブラリは、特定の目的や用途に特化した機能を提供しており、「Python」の機能を拡張するために使用されます。
また、外部ライブラリを利用するには、pipを使用してインストールしなければいけません。
なお、外部ライブラリは「Python」コミュニティによって開発・メンテナンスされており、多くの場合、オープンソースで提供されています。外部ライブラリは、PYPI(Python Package Index)というサイトで探せますので、どのようなライブラリがあるのか探してみてください。
引用:PyPI · The Python Package Index
ここでは「Python」の代表的な標準ライブラリを紹介します。ここで紹介する標準ライブラリは、以下の7つです。
これらのライブラリは、さまざまな開発現場で頻繁に利用されます。別途インストールをする必要もなく、すぐに試せるので、ぜひ使ってみてください。
jsonは、JSON(JavaScript Object Notation)形式のデータを処理するためのモジュールです。JSONはテキストベースのデータ形式であり、データの交換や保存に広く使用されています。
jsonライブラリを使用すると、「Python」のデータ型(辞書、リスト、文字列など)をJSON形式の文字列に変換(シリアライズ)したり、JSON形式の文字列を「Python」のデータ型に変換(デシリアライズ)したりすることが可能です。
jsonライブラリは、とくにWeb APIとのデータ交換といった、JSON形式のデータが頻繁に使われる開発において有効といえます。
randomは、ランダムな数値や要素を生成するためのモジュールです。
randomライブラリは、整数や浮動小数点数の範囲内で、ランダムな数値を生成するための関数など、ランダム関連のさまざまな機能を提供します。
randomライブラリは、ゲーム開発、乱数シミュレーション、ランダムなデータ生成など、さまざまな場面で活用されます。
pipは、「Python」の外部ライブラリを簡単にインストールしたり、管理したりするためのツールです。「Python」の標準ライブラリ以外のパッケージや、モジュールを利用する際に使用されます。
pipを使うことで、コマンドライン上で簡単に外部ライブラリを検索、インストール、アップグレード、削除などがおこなえます。パッケージの依存関係を解決して、自動的にライブラリをインストールすることも可能です。
pipは「Python」における重要なツールといえるでしょう。
sysは、システム関連の機能を提供するライブラリです。このライブラリを使用することで、「Python」の実行環境やシステムに関する情報にアクセスし操作できます。
sysライブラリには、コマンドライン引数の取得や、パスやモジュールの検索パスの操作、スクリプトの終了やリダイレクト、標準入出力の設定といったさまざまな機能が含まれているのが特徴です。
また、sysライブラリは、システムに関連する情報も提供します。sysライブラリを活用することで、「Python」のバージョン・メモリ制限・実行環境といったものの設定から、システムのエンディアンなどの情報の取得が可能です。
sysモジュールは「Python」の環境やシステムとのやり取りをサポートするため、システム処理やシステムレベルの操作をおこなう際に重宝されます。
datetimeは、日付と時刻を操作するためのライブラリです。
datetimeライブラリには、日付、時刻、日時の操作や計算をおこなう機能のほか、タイムゾーンや時間の変換、カレンダーの操作、日時の差分計算などの機能が備わっています。
datetimeは日付や時刻の取得、期間の計算、イベントのスケジューリングなど、時間に関連するさまざまなタスクにおいて、非常に役立つライブラリです。
reは、正規表現を扱うためのライブラリです。正規表現は、字列のパターンマッチングや検索、置換などの操作をおこなうために使用されます。
reライブラリを使用することで、文字列に対して複雑なパターンに一致する箇所を検索したり、特定のパターンを別の文字列に置換したりといったことが可能です。正規表現を利用することで、文字列のバリデーションやデータの抽出など、幅広い処理を実現できます。
reライブラリは文字列操作においてさまざまな機能を提供することから、テキスト処理やパターンマッチングにおいて有効です。
osは、オペレーティングシステムとのインタラクション(双方向のやり取り)のためのライブラリです。
osライブラリを活用すると、ファイルやディレクトリの編集から、さまざまなプロセスを制御、環境変数の取得が可能です。オペレーティングシステムにまつわる操作をおこなう際に重宝するライブラリといえます。
ファイルやディレクトリの操作では、ファイルの作成や削除、移動、パスの操作などが可能です。プロセスの制御では、外部プログラムの実行、プロセスの終了、プロセスの環境変数の取得などができます。
ここでは「Python」でよく使われる以下7つの外部ライブラリを紹介します。
これらは外部ライブラリなので、pipコマンドで別途インストールする必要があります。インストールする手間はありますが、7つとも強力なライブラリなので、ぜひ試してみてください。
openpyxlは、「Python」でExcelファイルのデータを操作するためのライブラリです。
openpyxlを使うとPythonでのExcelファイルの作成、読み込み、セルへの値の設定や取得などが可能です。また、数式の計算やグラフの作成などもサポートされています。
openpyxlライブラリはデータ処理やレポート生成、データのエクスポートなどの用途で幅広く活用されています。Excelファイルを扱う際に便利な機能を有しているため、「Python」を使ったデータ処理や自動化において重要なツールです。
OpenCVはインテルが開発を始めた画像および映像処理用のライブラリです。
画像の初期段階の処理(サイズ調整、回転、切り取りなど)や、物体認識といった機能が実現可能です。OpenCVのリアルタイム検出機能により、人間や物体を同時に識別できることから、AI開発の領域で頻繁に活用されています。
OpenCVは多様な画像形式、たとえばJPEG、PNG、BMPといったものの読み込みや処理に対応するほか、処理済みの画像を保存する機能もあるのが特徴です。
さらに、OpenCVは、機械学習で用いる正解データの前処理や特徴抽出を支援するツールを提供しています。このためOpenCVを活用することで、学習データの準備から学習処理まで一貫した環境の中でおこなうことが可能です。
NumPyは、「Python」の数値計算を効率的におこなうためのライブラリです。多次元配列の操作や数学的な関数、線形代数の演算、乱数生成など、数値処理に関するさまざまな機能を提供します。
NumPyの最も重要な特徴は、高速な数値演算が可能な多次元配列(ndarray)です。これにより、大規模なデータセットや行列演算を効率的に扱えます。また、ブロードキャスト機能やユニバーサル関数といった機能も備えており、ループ処理を使わずに高速な演算が可能です。
NumPyは科学技術計算やデータ分析、機械学習などの領域で広く利用されています。さらに、ほかの「Python」のライブラリとの連携も容易であり、NumPyを基盤として構築されたライブラリ(例:Pandas、SciPy)も多く存在します。
Pillowは「Python」の画像処理ライブラリであり、画像の読み込み、変換、加工、保存などのさまざまな操作を提供します。
Pillowライブラリを使用すると、さまざまな画像形式(JPEG、PNG、GIF、BMPなど)の読み込みや保存が容易におこなえます。画像のサイズ変更、切り抜き、回転、反転などの変換操作も可能です。
Pillowは使いやすく、柔軟な画像処理ライブラリであり、「Python」のプロジェクトで画像操作が必要な場面で頻繁に利用されます。
dateutilは、「Python」で日付と時刻の操作を補完するためのライブラリです。「Python」の標準ライブラリであるdatetimeモジュールの機能を拡張したもので、より柔軟な日付と時刻の処理が可能になりました。
dateutilでは、さまざまな日付表現のパース(解析)やフォーマット、タイムゾーンの操作といった便利な機能が提供されています。また、日付の計算や比較、時刻の差分の計算など、日付と時刻に関連するさまざまな演算も可能です。
dateutilは、「Python」の日付と時刻処理における一般的な課題を解決するための便利なツールであり、とくに複雑な日付操作やタイムゾーンの扱い、たとえば「毎月第一金曜日」やサマータイムの日時の表示などに役立ちます。
matplotlibは、「Python」でデータ可視化をおこなうためのライブラリです。matplotlibを使うことで、グラフやプロットの作成、データの可視化、図のカスタマイズなど、さまざまな可視化の作業をおこなえます。
また、豊富なグラフ作成機能があるため、折れ線グラフや棒グラフなど、さまざまなタイプのグラフを簡単に作成できます。さらに、グラフのタイトル、軸ラベル、凡例などの要素のカスタマイズも可能です。
また、matplotlibはNumPyやPandasといったほかのライブラリと連携したデータの可視化もできます。データのパターンや傾向を視覚的に理解するために、matplotlibは有用なツールといえるでしょう。
scikit-learn(sklearn)は、機械学習に特化したライブラリです。機械学習のさまざまなタスクを実現するためのツールセットを提供しています。
教師あり学習、教師なし学習、前処理、評価、モデル選択など、機械学習のさまざまなニーズをカバーする機能を有しています。
scikit-learnは使いやすく学習しやすいことから、初心者から上級者まで幅広いユーザーにおすすめのライブラリです。機械学習の実践や研究において、とくに頼れるツールとなるでしょう。
ライブラリを使いこなせるようになるために、ここからはおすすめの参考書を3つ紹介します。
それでは順番に見ていきましょう。
1つ目のおすすめの本は、「Pythonライブラリの使い方」です。
本書では、「Python」のライブラリの中でも比較的簡単に利用できるライブラリが取り上げられており、その使い方が詳しく解説されています。
12種類の代表的なライブラリに焦点が当てられており、実際のサンプルプログラムを通じて各ライブラリの利用方法の習得が可能です。データ処理に役立つNumPyやPandas、グラフ作成に便利なMatplotlib、Webスクレイピングに使えるBeautiful Soupなどのライブラリが紹介されています。
本書を読むことで、実践的なプログラミングスキルを磨きながら、さまざまなライブラリの使い方をマスターできます。初心者から上級者まで、「Python」ライブラリを効果的に活用したい方におすすめの一冊です。
逆引きPython標準ライブラリ 目的別の基本レシピ180+!
2つ目のおすすめの本は、「逆引きPython標準ライブラリ 目的別の基本レシピ180+!」です。
本書には数値演算や、GUI、テキスト処理などのさまざまな用途で役立つテクニックが収録されています。
またプログラミングの目的別に、どのような機能を利用すればよいかも逆引き形式で解説されています。たとえば、指定したディレクトリ内のファイルを再帰的に検索したい場合や、特定の条件を満たす行を抽出したい場合などです。「やりたいこと」からライブラリを検索できるため、初心者の学習に大いに役立つことでしょう。
また実際のコード例が初心者でも理解しやすい形で、解説されています。本書は「Python」の標準ライブラリをより深く理解し、実践的なプログラミングスキルを向上させたい方におすすめです。
3つ目のおすすめの本は、「Pythonライブラリの教科書」です。
本書は「Python」のライブラリ学習初心者に向けて、丁寧な解説がなされている点が特徴の1つです。「Python」のライブラリの中でも基本的なものの使用方法に焦点を当てつつ、サンプルプログラムもなるべく簡潔で理解しやすい形で解説されています。
巻末には短編講座で「Python」の基本的な文法とルールの解説があるため、「Python」の基礎の学習も可能です。ライブラリだけではなく「Python」そのものも本書で学べることから、独学で学びたい方におすすめといえるでしょう。
本記事では、「Python」ライブラリについて、おすすめライブラリや使い方などを紹介しました。
「Python」ライブラリは、開発の現場では必ずといっていいほど使用されます。これからIT業界で働こうと考えている方は、本記事を参考にして、ライブラリの使い方や種類を覚えておいてください。
「Python」ライブラリをすべて把握することは難しいですが、今回紹介したライブラリや、よく使われるライブラリだけでも知っておくことをおすすめします。
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