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最終更新日: 2024.01.26 (公開: 2023.06.02)

フロントエンドとバックエンドの違いは?必要な言語やツールを解説

フロントエンドとバックエンドの違いは?必要な言語やツールを解説

フロントエンドとバックエンドの仕事内容の違いや必要なプログラミング言語の違い、開発に使えるツールの違いについて解説します。ITエンジニアを目指している方は、ぜひ参考にしてください。

本記事では、主にフロントエンドについて焦点を当てつつ、フロントエンドとバックエンドの違いについて解説します。フロントエンド開発とは、Webブラウザに表示されている部分の開発のことです。しかし、フロントエンド開発において、具体的に必要なスキルやバックエンドとの違いがわからない方も多いのではないでしょうか。そこで本記事を参考にして、フロントエンドやバックエンドの理解を深めてください。

そもそもフロントエンドとは?

そもそもフロントエンドとは?

フロントエンドとは、Webサイトでユーザーが直接触れる部分や処理内容を指します。主な内容は以下の3つです。

  • Webサイトのデザインやボタンの配置などの外見
  • ユーザーがボタンを押したり、文字を打ち込んだりした時のサイトの挙動
  • バックエンドと直接やり取りする処理

フロントエンドはクライアントサイドやWebブラウザサイドとも呼ばれており、フロントエンドを開発する人たちはフロントエンドエンジニアと言います。

Webサイト制作では、フロントエンド開発のほかにバックエンド開発も必要です。フロントエンドは、バックエンドとは役割や使用されるプログラミング言語が異なりますので、次項で詳しく解説します。

フロントエンドとバックエンドの違い

フロントエンドとバックエンドの違い

ここからは、フロントエンドとバックエンドの違いを解説します。

フロントエンドはブラウザ側の開発をおこないますが、バックエンドはWebサイトの裏側、つまりサーバー側で動作するプログラムの開発をおこなう点が明確な違いです。バックエンド開発においておこなわれるのは、主に以下2つの処理となります。

  • 「ユーザーが入力した内容」や「サイト内におけるユーザーの行動」などのデータ処理
  • 検索結果の出力

ユーザーには見えない部分の処理を担当するバックエンドは、「フロントエンドに比べると地味だ」と考える方もいます。しかし、ユーザーから見えるから派手で、ユーザーから見えないから地味というわけではありません。どちらも、WebサイトやWebアプリケーションの動作に重要な処理と開発を担っています。

フロントエンドエンジニアの主な仕事内容

フロントエンドエンジニアの主な仕事内容

フロントエンドエンジニアの仕事内容は主に以下の2つです。

  • クライアントやチームメンバーとの打ち合わせ
  • システムやサイトなどの開発

Webサイト制作やWebアプリケーション開発は、さまざまな職種の方と連携して業務をおこないます。そのため、社内やクライアントとのコミュニケーションもフロントエンドエンジニアの大事な仕事です。

システム開発やWebサイト制作は、まずクライアントや開発チームと打ち合わせをします。打ち合わせ後に仕様書通りに設計・実装・テストをおこない、修正を繰り返して最終的に納品するという流れが一般的です。

クライアントやチームメンバーとの打ち合わせ

フロントエンドエンジニアは、開発工程の前段階としてクライアントと打ち合わせをして、クライアントの要望確認や要件定義をおこないます。その後、WebディレクターやWebデザイナーなどの開発メンバーと打ち合わせをし、イメージのすり合わせをしながら仕様書を作成します。

入念に打ち合わせることで、システムの仕様を把握し不明点が明確にできるため、実装の際の不具合を未然に防ぐことが可能です。

システムやサイトなどの開発

打ち合わせで仕様書が完成したらその通りに設計をおこない、フロントエンドエンジニアがコーディングの実装をおこないます。コーディングが完了したら動作テストをおこない、不具合が見つかったら仕様書通りに動作するまで修正とテストを繰り返します。

すべての工程を終えたら本番環境のサーバーにアップロードし、納品および検品をして完了です。ここまでが、基本的なWebサイト制作やシステム制作の流れとなります。これらの作業の流れは、フロントエンドエンジニアに限らずシステム開発に携わるすべての人が周知しておきましょう。

フロントエンドエンジニアになるために必要な言語

フロントエンドエンジニアになるために必要な言語

ここからは、フロントエンドエンジニアになるために習得すべきプログラミング言語を紹介します。フロントエンドエンジニアに必要な言語は、主に以下の4つです。

  • Webページの骨格を作るHTML
  • Webページのデザインを作るCSS
  • ページに動きをつけるためのJavaScript
  • データの送受信をするためのPHP

それぞれ解説します。

Webページの骨格を作るHTML

「HTML」は、Webサイト内の文字や構造などの骨格を作るマークアップ言語です。インターネット上のほぼすべてのWebページ制作に使われています。「HTML」ではタグと呼ばれる要素を使って記述し、機能ごとに使い分けが可能です。

たとえば、最も大きいサイズの見出しを入れる際は<h1>タグを使い、箇条書きにする場合は<li>タグを使います。通常のテキストを入れる際に使用するタグは<p>タグです。

箇条書きで以下の項目を表現する場合、具体的なコードは以下のようになります。

  • Webページの骨格を作るHTML
  • Webページのデザインを作るCSS
  • ページに動きをつけるためのJavaScript

<ul>
<li>Webページの骨格を作るHTML</li>
<li>Webページのデザインを作るCSS</li>
<li>ページに動きをつけるためのJavaScript</li>
</ul>

フロントエンドエンジニアとして仕事をするなら、「HTML」の知識やスキルがないと採用は難しくなります。また、Webサイトの制作において、サイトの「HTML」構造は非常に重要な知識です。フロントエンドエンジニアになりたい方は、必要な知識と認識しておき、スキルを習得しましょう。

Webページのデザインを作るCSS

「HTML」は、Webサイトに表示される文字や構造を組み立てるだけです。フォントに動作を加えられないため、「HTML」だけで作ったWebサイトは非常にシンプルなデザインになってしまいます。そこで、Webサイトに動的な要素や背景に画像などを使ってデザイン性を上げるには、「CSS」と呼ばれる言語を用いて「HTML」で設計したサイトを装飾します。

「CSS」は、「HTML」で記述したタグに対して装飾をおこなうことが可能です。たとえば<h1>タグの大見出しの色を白にする場合のコードの例は、以下となります。

h1{
color:white
  }

「HTML」でもフォントの色やサイズを指定できますが、「CSS」を使用することでフォントの変更に関する記述をまとめられます。また余白やテキストのサイズなどの指定も可能です。

「CSS」で<h1>タグのフォントの色を赤色にしてフォントサイズを変えるコードの例は、以下となります。

h1{
  font-size: 24px;
  color: red;
}

font-sizeのpxの値を変えることで、フォントサイズを自由に変更することが可能です。

ページに動きをつけるためのJavaScript

「JavaScript」は、Webページに動きをつけるためにブラウザ上で機能するプログラミング言語です。「HTML」と「CSS」だけでWebページの見た目は完成しますが、それだけでは動きがないため、ユーザーにとって使いにくいページになってしまいます。しかし、「JavaScript」を記述することで、ボタンクリック時のアクションやページ遷移時の移り変わりなどの動的要素をWebページに追加できます。

ボタンクリック時に、「Click」というアラートダイアログが表示される「JavaScript」のサンプルコードは以下の通りです。

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>サンプル</title>
</head>
<body>

<p>ボタン</p>

<input type="button" value="button" id="btn">

<script>
function buttonClick(){
    alert('Click');
}

let button = document.getElementById('btn');
button.addEventListener('click', buttonClick);
</script>

</body>
</html>

「JavaScript」には、コードをより簡潔に書けるようなjQueryといったライブラリも豊富にあります。より深く勉強する際は、「JavaScript」ライブラリの勉強もおすすめです。

データの送受信をするためのPHP

「PHP」は、WordPressなどのCMSを動作させるプログラミング言語です。サーバーサイドとのデータの送受信やフォームの設置にも、「PHP」が使われます。WordPressのカスタマイズ構築もフロントエンドエンジニアの業務に含まれるため、「PHP」の習得もおすすめです。

また、「PHP」は、プログラミング学習初心者にも取り組みやすい言語です。「PHP」エンジニアは人材の需要も高いため、フロントエンドエンジニアを目指す人はPHPを早めに勉強しておきましょう。

フロントエンドの効率的な開発に使えるツールは?

フロントエンドの効率的な開発に使えるツールは?

ここからは、フロントエンド開発を効率的におこなえるツールとして、以下の2つを紹介します。

  • モダンなWebサイト開発に使える「Bootstrap」
  • JavaScriptを簡潔に記述できる「jQuery」

フロントエンド開発の現場で非常によく使われるツールなので、よく読んで理解しておきましょう。

モダンなWebサイト開発に使える「Bootstrap」

「Bootstrap」は、Twitter社が開発したフロントエンドのWebアプリケーションフレームワークです。「Bootstrap」は、基本的に「HTML」と「CSS」の理解があれば使用できます。「Bootstrap」にはタイポグラフィやボタンなど、主にWebデザインに必要なテンプレートが多数あるため、モダンなWebサイト制作を進めることが可能です。

そのほかにも、「JavaScript」用の拡張機能もあるため、効率的なWebサイト制作をおこなえます。

JavaScriptを簡潔に記述できる「jQuery」

「jQuery」とは、「JavaScript」ライブラリのひとつです。「jQuery」を使うことで、「JavaScript」で多くのコードを書かずに、複雑な処理を簡単に実装できます。「jQuery」を使うことで開発を効率的に進められるため、業界標準として多くの現場で重宝されてきたのです。

しかし、「jQuery」の有名なプラグインが続々とサービスを終了したため、開発現場で徐々に使われなくなっています。そのため、「jQuery」を習得するに越したことはないですが、自分が進もうとしている業界で使われているかをよく調べてからの学習をおすすめします。

フロントエンド開発に必要なそのほかの知識

フロントエンド開発に必要なそのほかの知識

ここからは、フロントエンドに必要な知識として、以下の3つを詳しく解説します。

  • デザイン編集ツールの知識
  • UI/UXデザインの知識
  • SEOの知識

この3つの知識とスキルがある方は、現場でも即戦力として迎えられる可能性があるので、ぜひ確認してください。

デザイン編集ツールの知識

フロントエンド開発では、デザイナーとの連携やデザインの完成見本を見て、実際にWeb上に構築できるかの判断が必要です。そのため、「Photoshop」や「Illustrator」など編集ソフトの知識とスキルがあれば、より仕事がしやすくなります。なぜなら、デザイナーは、「Photoshop」や「Illustrator」でデータを送ってくることが多いからです。そのため、細かい調整をするためにも、デザイン編集ツールの使い方のうち、とくに2つの使い方は覚えておいてください。

  • 画像の取り出し
  • 画像の調整

世の中には、さまざまな種類のデザイン編集ツールがあります。しかしAdobe製品のツールがよく使われるため、上記の「Photoshop」や「Illustrator」の知識やスキルを身につけることをおすすめします。

UI/UXデザインの知識

「UI」はユーザーインタフェースの略で、システムでユーザーが直接触れる部分のことです。たとえば、以下のユーザーの視界に入る要素がUIです。

  • Webサイトのボタン
  • 全体のデザイン
  • フォント

「UX」は、ユーザーエクスペリエンスの略で、ユーザーがシステムを通して得られる体験を指します。たとえば、以下はUXに該当するものです。

  • 読み込み速度
  • アプリケーション使用時の煩わしさの程度
  • 欲しい情報にすぐたどり着けるかどうか

フロントエンドエンジニアは、ユーザーが操作する画面の設計やデザインに関わるため、UIやUXの知識やスキルを身につけることで、ユーザーにとってより使いやすく魅力的なプロダクトが実現できるようになります。また、UXの知識があると、ユーザーのニーズや問題点を理解したうえで解決策を提供できるため、ユーザーの満足度を高める成果物を仕上げられるでしょう。

つまり、フロントエンドエンジニアがUI/UXの知識を持つことで、ユーザー満足度がより高まるプロダクトが実現できる可能性が高まるのです。よって、フロントエンドエンジニアは、UI/UXの知識の習得をおすすめします。

SEOの知識

「SEO」とは検索エンジン最適化のことで、Googleの検索エンジンで検索した際、表示される検索結果画面内の上位にサイトを表示させる施策です。検索結果で上位に入れば、ユーザーのサイト流入や閲覧数が増えるため、企業の売上アップやPR効果につながります。フロントエンドエンジニアとして「SEO」対策をする際には、次のような対策をすることがあるでしょう。

  • h1タグをページごとに設定する
  • 画像の代替テキストであるalt属性を設定する

「SEO」対策の工夫もフロントエンドエンジニアに求められるため、身につけておいてください。

フロントエンドエンジニアの年収は?

フロントエンドエンジニアの年収は?

フロントエンドエンジニアの平均年収は、正社員だと約500万円です。一部大企業などのフロントエンドエンジニアの場合だと、年収1,000万円を超えることもあります。

フロントエンドエンジニアの年収は、スキルや業務内容・企業の規模・地域などによって異なります。一般的には1年目で約300万~350万円、3年目ごろからは約550万~600万円と認識しておけばよいでしょう。

フロントエンド開発に将来性はある?

フロントエンド開発に将来性はある?

今後も、Webサイト制作やWebアプリケーションの開発は盛んにおこなわれることが予想されます。WebサイトやWebアプリケーション開発の増加とともに、フロントエンド開発の需要も当然高まっていくと考えられます。

ただし、AIツールの発達で自動開発が徐々に進化しているため、フロントエンド開発の一部が自動化されるかもしれません。もし、フロントエンド開発の自動化が進めば、フロントエンドエンジニアの需要は少なくなる可能性もあります。しかし、COBOLエンジニアやJavaエンジニアも将来性はないと言われながらもニーズが残り続けています。そのため、フロントエンドエンジニアの需要がゼロになることはないでしょう。ただし、日々スキルを磨き、より求められる人材になる努力が必要です。

フロントエンド開発に必要な知識・スキルを身につけよう

フロントエンド開発に必要な知識・スキルを身につけよう

本記事では、主にフロントエンドに焦点を当てて解説しました。将来フロントエンドエンジニアを目指している方や、どのエンジニアになるか迷っている方は、本記事を参考に、フロントエンドエンジニアになる勉強を始めてみてください。

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