フロントエンドとバックエンドの仕事内容の違いや必要なプログラミング言語の違い、開発に使えるツールの違いについて解説します。ITエンジニアを目指している方は、ぜひ参考にしてください。
本記事では、主にフロントエンドについて焦点を当てつつ、フロントエンドとバックエンドの違いについて解説します。フロントエンド開発とは、Webブラウザに表示されている部分の開発のことです。しかし、フロントエンド開発において、具体的に必要なスキルやバックエンドとの違いがわからない方も多いのではないでしょうか。そこで本記事を参考にして、フロントエンドやバックエンドの理解を深めてください。
目次
フロントエンドとは、Webサイトでユーザーが直接触れる部分や処理内容を指します。主な内容は以下の3つです。
フロントエンドはクライアントサイドやWebブラウザサイドとも呼ばれており、フロントエンドを開発する人たちはフロントエンドエンジニアと言います。
Webサイト制作では、フロントエンド開発のほかにバックエンド開発も必要です。フロントエンドは、バックエンドとは役割や使用されるプログラミング言語が異なりますので、次項で詳しく解説します。
ここからは、フロントエンドとバックエンドの違いを解説します。
フロントエンドはブラウザ側の開発をおこないますが、バックエンドはWebサイトの裏側、つまりサーバー側で動作するプログラムの開発をおこなう点が明確な違いです。バックエンド開発においておこなわれるのは、主に以下2つの処理となります。
ユーザーには見えない部分の処理を担当するバックエンドは、「フロントエンドに比べると地味だ」と考える方もいます。しかし、ユーザーから見えるから派手で、ユーザーから見えないから地味というわけではありません。どちらも、WebサイトやWebアプリケーションの動作に重要な処理と開発を担っています。
フロントエンドエンジニアの仕事内容は主に以下の2つです。
Webサイト制作やWebアプリケーション開発は、さまざまな職種の方と連携して業務をおこないます。そのため、社内やクライアントとのコミュニケーションもフロントエンドエンジニアの大事な仕事です。
システム開発やWebサイト制作は、まずクライアントや開発チームと打ち合わせをします。打ち合わせ後に仕様書通りに設計・実装・テストをおこない、修正を繰り返して最終的に納品するという流れが一般的です。
フロントエンドエンジニアは、開発工程の前段階としてクライアントと打ち合わせをして、クライアントの要望確認や要件定義をおこないます。その後、WebディレクターやWebデザイナーなどの開発メンバーと打ち合わせをし、イメージのすり合わせをしながら仕様書を作成します。
入念に打ち合わせることで、システムの仕様を把握し不明点が明確にできるため、実装の際の不具合を未然に防ぐことが可能です。
打ち合わせで仕様書が完成したらその通りに設計をおこない、フロントエンドエンジニアがコーディングの実装をおこないます。コーディングが完了したら動作テストをおこない、不具合が見つかったら仕様書通りに動作するまで修正とテストを繰り返します。
すべての工程を終えたら本番環境のサーバーにアップロードし、納品および検品をして完了です。ここまでが、基本的なWebサイト制作やシステム制作の流れとなります。これらの作業の流れは、フロントエンドエンジニアに限らずシステム開発に携わるすべての人が周知しておきましょう。
ここからは、フロントエンドエンジニアになるために習得すべきプログラミング言語を紹介します。フロントエンドエンジニアに必要な言語は、主に以下の4つです。
それぞれ解説します。
「HTML」は、Webサイト内の文字や構造などの骨格を作るマークアップ言語です。インターネット上のほぼすべてのWebページ制作に使われています。「HTML」ではタグと呼ばれる要素を使って記述し、機能ごとに使い分けが可能です。
たとえば、最も大きいサイズの見出しを入れる際は<h1>タグを使い、箇条書きにする場合は<li>タグを使います。通常のテキストを入れる際に使用するタグは<p>タグです。
箇条書きで以下の項目を表現する場合、具体的なコードは以下のようになります。
<ul>
<li>Webページの骨格を作るHTML</li>
<li>Webページのデザインを作るCSS</li>
<li>ページに動きをつけるためのJavaScript</li>
</ul>
フロントエンドエンジニアとして仕事をするなら、「HTML」の知識やスキルがないと採用は難しくなります。また、Webサイトの制作において、サイトの「HTML」構造は非常に重要な知識です。フロントエンドエンジニアになりたい方は、必要な知識と認識しておき、スキルを習得しましょう。
「HTML」は、Webサイトに表示される文字や構造を組み立てるだけです。フォントに動作を加えられないため、「HTML」だけで作ったWebサイトは非常にシンプルなデザインになってしまいます。そこで、Webサイトに動的な要素や背景に画像などを使ってデザイン性を上げるには、「CSS」と呼ばれる言語を用いて「HTML」で設計したサイトを装飾します。
「CSS」は、「HTML」で記述したタグに対して装飾をおこなうことが可能です。たとえば<h1>タグの大見出しの色を白にする場合のコードの例は、以下となります。
h1{ color:white }
「HTML」でもフォントの色やサイズを指定できますが、「CSS」を使用することでフォントの変更に関する記述をまとめられます。また余白やテキストのサイズなどの指定も可能です。
「CSS」で<h1>タグのフォントの色を赤色にしてフォントサイズを変えるコードの例は、以下となります。
h1{ font-size: 24px; color: red; }
font-sizeのpxの値を変えることで、フォントサイズを自由に変更することが可能です。
「JavaScript」は、Webページに動きをつけるためにブラウザ上で機能するプログラミング言語です。「HTML」と「CSS」だけでWebページの見た目は完成しますが、それだけでは動きがないため、ユーザーにとって使いにくいページになってしまいます。しかし、「JavaScript」を記述することで、ボタンクリック時のアクションやページ遷移時の移り変わりなどの動的要素をWebページに追加できます。
ボタンクリック時に、「Click」というアラートダイアログが表示される「JavaScript」のサンプルコードは以下の通りです。
<!DOCTYPE html> <html lang="ja"> <head> <meta charset="UTF-8"> <title>サンプル</title> </head> <body> <p>ボタン</p> <input type="button" value="button" id="btn"> <script> function buttonClick(){ alert('Click'); } let button = document.getElementById('btn'); button.addEventListener('click', buttonClick); </script> </body> </html>
「JavaScript」には、コードをより簡潔に書けるようなjQueryといったライブラリも豊富にあります。より深く勉強する際は、「JavaScript」ライブラリの勉強もおすすめです。
「PHP」は、WordPressなどのCMSを動作させるプログラミング言語です。サーバーサイドとのデータの送受信やフォームの設置にも、「PHP」が使われます。WordPressのカスタマイズ構築もフロントエンドエンジニアの業務に含まれるため、「PHP」の習得もおすすめです。
また、「PHP」は、プログラミング学習初心者にも取り組みやすい言語です。「PHP」エンジニアは人材の需要も高いため、フロントエンドエンジニアを目指す人はPHPを早めに勉強しておきましょう。
ここからは、フロントエンド開発を効率的におこなえるツールとして、以下の2つを紹介します。
フロントエンド開発の現場で非常によく使われるツールなので、よく読んで理解しておきましょう。
「Bootstrap」は、Twitter社が開発したフロントエンドのWebアプリケーションフレームワークです。「Bootstrap」は、基本的に「HTML」と「CSS」の理解があれば使用できます。「Bootstrap」にはタイポグラフィやボタンなど、主にWebデザインに必要なテンプレートが多数あるため、モダンなWebサイト制作を進めることが可能です。
そのほかにも、「JavaScript」用の拡張機能もあるため、効率的なWebサイト制作をおこなえます。
「jQuery」とは、「JavaScript」ライブラリのひとつです。「jQuery」を使うことで、「JavaScript」で多くのコードを書かずに、複雑な処理を簡単に実装できます。「jQuery」を使うことで開発を効率的に進められるため、業界標準として多くの現場で重宝されてきたのです。
しかし、「jQuery」の有名なプラグインが続々とサービスを終了したため、開発現場で徐々に使われなくなっています。そのため、「jQuery」を習得するに越したことはないですが、自分が進もうとしている業界で使われているかをよく調べてからの学習をおすすめします。
ここからは、フロントエンドに必要な知識として、以下の3つを詳しく解説します。
この3つの知識とスキルがある方は、現場でも即戦力として迎えられる可能性があるので、ぜひ確認してください。
フロントエンド開発では、デザイナーとの連携やデザインの完成見本を見て、実際にWeb上に構築できるかの判断が必要です。そのため、「Photoshop」や「Illustrator」など編集ソフトの知識とスキルがあれば、より仕事がしやすくなります。なぜなら、デザイナーは、「Photoshop」や「Illustrator」でデータを送ってくることが多いからです。そのため、細かい調整をするためにも、デザイン編集ツールの使い方のうち、とくに2つの使い方は覚えておいてください。
世の中には、さまざまな種類のデザイン編集ツールがあります。しかしAdobe製品のツールがよく使われるため、上記の「Photoshop」や「Illustrator」の知識やスキルを身につけることをおすすめします。
「UI」はユーザーインタフェースの略で、システムでユーザーが直接触れる部分のことです。たとえば、以下のユーザーの視界に入る要素がUIです。
「UX」は、ユーザーエクスペリエンスの略で、ユーザーがシステムを通して得られる体験を指します。たとえば、以下はUXに該当するものです。
フロントエンドエンジニアは、ユーザーが操作する画面の設計やデザインに関わるため、UIやUXの知識やスキルを身につけることで、ユーザーにとってより使いやすく魅力的なプロダクトが実現できるようになります。また、UXの知識があると、ユーザーのニーズや問題点を理解したうえで解決策を提供できるため、ユーザーの満足度を高める成果物を仕上げられるでしょう。
つまり、フロントエンドエンジニアがUI/UXの知識を持つことで、ユーザー満足度がより高まるプロダクトが実現できる可能性が高まるのです。よって、フロントエンドエンジニアは、UI/UXの知識の習得をおすすめします。
「SEO」とは検索エンジン最適化のことで、Googleの検索エンジンで検索した際、表示される検索結果画面内の上位にサイトを表示させる施策です。検索結果で上位に入れば、ユーザーのサイト流入や閲覧数が増えるため、企業の売上アップやPR効果につながります。フロントエンドエンジニアとして「SEO」対策をする際には、次のような対策をすることがあるでしょう。
「SEO」対策の工夫もフロントエンドエンジニアに求められるため、身につけておいてください。
フロントエンドエンジニアの平均年収は、正社員だと約500万円です。一部大企業などのフロントエンドエンジニアの場合だと、年収1,000万円を超えることもあります。
フロントエンドエンジニアの年収は、スキルや業務内容・企業の規模・地域などによって異なります。一般的には1年目で約300万~350万円、3年目ごろからは約550万~600万円と認識しておけばよいでしょう。
今後も、Webサイト制作やWebアプリケーションの開発は盛んにおこなわれることが予想されます。WebサイトやWebアプリケーション開発の増加とともに、フロントエンド開発の需要も当然高まっていくと考えられます。
ただし、AIツールの発達で自動開発が徐々に進化しているため、フロントエンド開発の一部が自動化されるかもしれません。もし、フロントエンド開発の自動化が進めば、フロントエンドエンジニアの需要は少なくなる可能性もあります。しかし、COBOLエンジニアやJavaエンジニアも将来性はないと言われながらもニーズが残り続けています。そのため、フロントエンドエンジニアの需要がゼロになることはないでしょう。ただし、日々スキルを磨き、より求められる人材になる努力が必要です。
本記事では、主にフロントエンドに焦点を当てて解説しました。将来フロントエンドエンジニアを目指している方や、どのエンジニアになるか迷っている方は、本記事を参考に、フロントエンドエンジニアになる勉強を始めてみてください。
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