SyntaxErrorは、Pythonの構文に誤りがある場合に発生するエラーです。プログラミングにおけるエラーは原因が特定しにくく、解決しないイメージがあります。一方でSyntaxErrorはカッコの数など単純なミスが原因で発生することがほとんどです。
本記事では、SyntaxErrorの意味と解決方法を解説します。SyntaxError以外のエラーの意味と対処方法についても解説するため、参考にしてください。
目次
SyntaxErrorは、Pythonの構文に誤りがある場合に発生するエラーです。このエラーは、「invalid syntax」としてもよく表示されます。
syntaxは「構文」、invalidには「無効」という意味があります。
「:(コロン)」やカッコの数が合わないなど、ほとんどの場合は単純なミスが原因ですが、コードの複雑性や使用しているライブラリによっても発生することがあるでしょう。
SyntaxErrorが発生したら、Pythonの文法に誤りがないか書いたコードを確認するようにしましょう。
エラーが発生した際には、何行目が間違っているのかも表示されますが、その行が必ずしもエラーの原因であるわけではありません。表示された行をよく確認するとともに、その前後のコードも注意深く見てください。
invalid syntaxエラーが起きる原因はさまざまで、全角スペースがある・カッコの数が合わない・「:(コロン)」を書き忘れているなどが考えられます。これらは一例であり、他にも予約語やオペレーターの誤用・インデントの誤りなどが多くの理由です。
エラーが発生した場合、書き方を誤っている箇所がないかよく確認しましょう。エラーメッセージやスタックトレース(実行履歴)も参考に誤っている箇所を特定し、正しい文法に修正してください。
invalid syntaxエラーは、以下のような原因で発生します。
ここでは、原因ごとの対処法について詳しく解説します。
下記コードのように、全角スペースがあると「SyntaxError: invalid character in identifier」というエラーが表示されます。
x = 1 y = 2 # ここに全角スペースが含まれています。 print(x)
改善策としては、全角スペースを削除し半角スペースに直す必要があります。
x = 1 y = 2 # 全角スペースを半角に修正しました。
print(x)
下記コードのようにカッコの数が合わない場合、「SyntaxError: invalid syntax」と表示されます。
x = 1 y = 2 print(x print(y)) # カッコの数が合っていません。
下記コードのように、カッコの数を一致させましょう。
x = 1 y = 2 print(x) # カッコの数を修正しました。 print(y)
for文やif文は、最後に「:(コロン)」が必要です。下記コードのように「:(コロン)」を書き忘れている場合は、「SyntaxError: invalid syntax」と表示されます。
x = 10 y = 20 if x == 10 # コロンが抜けています。 print("test") print("error")
コードに「:(コロン)」を書き加えましょう。
x = 10 y = 20 if x == 10: # コロンを追記しました。 print("test") print("error")
Pythonのエラーは、構文に誤りがある場合に発生するinvalid syntaxとそれ以外のエラーに分かれます。
invalid syntax以外のエラーは「プログラム実行中に発生するエラー」を指し、主なエラーは以下の通りです。
それぞれ詳しく解説します。
NameErrorは、定義されていない変数名を使用した場合に発生するエラーです。
x = 1 y = 2 print(z) # 変数zが定義されていないため、ここでNameErrorが発生します。
上記コードの場合、定義されていない変数zを参照しているため、NameErrorが発生します。
また、下記コードではprintをpritnとスペルミスしているため、こちらもNameErrorです。
x = 1 y = 2 pritn(z) # print関数のスペルが間違っているため、ここでNameErrorが発生します。
NameErrorが発生した場合は、定義されていない変数を使用していないか、変数名をスペルミスしていないかなどを確認しましょう。
ValueErrorは、値が適切ではない場合に発生するエラーです。
int("test1") # int型にstring型が代入されているためValueErrorが発生する float("test2") #float型にstring型が代入されているためValueErrorが発生する
上記コードの場合、整数型のintや実数型のfloatに文字列を代入しているためValueErrorが発生します。
int(10) float(3.65)
int型やfloat型には必ず数字を代入しましょう。
また、変数の数と代入する値の数が合っていない場合もValueErrorが発生します。
x, y = 10, 20, 30 # 2つしかない変数に3つの値を代入しようとしているため、ValueErrorが発生する x, y, z = 10, 20, 30
変数の数と代入する値の数は必ず同じにしてください。
TypeErrorは、演算や関数の処理を不適切な型でおこなった際に発生するエラーです。
x = 10 y = ‘20’ x + y
上記の場合、int型とstr型で計算しようとしているため、TypeErrorが発生します。
正しい型に修正しましょう。
x = 10 y = 20 x + y
また、下記のようなコードもTypeErrorとなります。
print(float([‘10’]))
float()は数字や文字列をfloat型に変換できますが、list型をfloat型に変換することはできないためです。変換前の変数は文字列か数字にしましょう。
print(float(‘10’))
IndentationErrorはPythonのSyntaxErrorの一種で、インデントが正確ではない場合に発生します。
IndentationErrorが発生した場合は、不要なスペースがあるか必要なスペースが足りないことがあるため確認が必要です。
x = 10 y = 20 if x == 10: print("test") print("error")
上記コードの場合、print()のインデントがそろっていないため、IndentationErrorが発生します。ブロック部分のインデントは必ずそろえるようにしましょう。
x = 10 y = 20 if x == 10: print("test") print("error")
IndexErrorは、list型やタプルを扱う場合に範囲外のインデックス値を指定することで発生するエラーです。
d = [1, 2, 3] print(d[3])
上記コードはインデックス3を指定していますが、Pythonのインデックスは0から始まるため、実際には4つ目の要素を指定しています。変数dにある要素は、インデックス0から2までです。
そのため、インデックスの3を指定したことでIndexErrorが発生します。
インデックスは0から数えることを把握した上で、範囲内の数値を指定しましょう。
KeyErrorは、辞書に存在しないキーを取り出そうとした場合に発生するエラーです。
d = {"red": "赤", "blue": "青", "yellow": "黄"} print(d["white"])
上記コードの場合、辞書に存在しないwhiteを参照しているためKeyErrorが発生します。
また、存在しないキーの要素を削除しようとした場合もKeyErrorになります。
d = {"red": "赤", "blue": "青", "yellow": "黄"} d.pop("white")
KeyErrorは存在するキーを参照すれば解決しますが、例外処理を加えることでも対処可能です。
d = {"red": "赤", "blue": "青", "yellow": "黄"} print(d.get(‘white’, ‘unknown’))
上記コードのようにgetメソッドを使用することで、キーが存在しない場合はgetメソッドの第二引数「unknown」が返されます。
また、第二引数を指定しなかった場合は「None」が返されます。
ModuleNotFoundErrorは、インポートしたいモジュールを見つけられないときに発生するエラーです。
まずはモジュール名が正しいかを確認し、モジュール名が正しい場合はモジュールがライブラリに存在しているか再度確認しましょう。
WindowsのコマンドプロンプトやLinux・macOSのターミナルに「pip show {モジュール名}」と入力することで、モジュール情報の確認が可能です。
インストールされていなかった場合は、「pip install {モジュール名}」でモジュールをインストールしましょう。
また、モジュールによってはインストール時とインポート時で名称が異なるものが存在します。
インストール時の名称でインポートしようとしていないか確認してください。
FileNotFoundErrorは、読み込もうとしたファイルが見つからない場合に発生するエラーです。
ファイルが存在しない場合やファイル名が間違っていることが、エラーの主な原因として考えられます。
ただし、FileNotFoundErrorは相対パスが原因で発生する場合があります。
filename = "test.txt" file = open(filename)
上記コードの場合、読み込もうとしているテキストファイルが相対パスになっているためエラーが発生します。
絶対パスでコードを書くことでエラーが発生しなくなるため、以下のように記述しましょう。
filename = "C:...test.txt" file = open(filename)
AttributeErrorは、オブジェクトに存在しない変数やメソッドを呼び出そうとした際に発生するエラーです。
x = 10 x.append(20)
上記コードの場合、int型にappendメソッドが存在していないため、AttributeErrorが発生します。
x = [10] x.append(20)
appendはlist型のメソッドのために記述することで、エラーは発生しなくなります。
オブジェクトに存在するメソッドや属性については、dir関数を用いることで確認できます。たとえば、dir(x)とすることでxオブジェクトの持つメソッドや属性の一覧が表示されるため、存在しているメソッドを利用しましょう。
SyntaxErrorの意味と解決方法、SyntaxError以外のエラーの意味と対処方法について解説しました。
SyntaxErrorは気づきにくいエラーですが、些細なミスが原因のため、原因を理解していれば簡単に対処できます。その他のエラーは種類も多く、原因や対処方法もさまざまなエラーの原因を把握しておく必要があります。
プログラミングにおいてエラーの発生は避けられないため、迅速にエラーを解消できるようになることで、効率よくシステムを開発できるはずです。本記事を参考に、エラー発生時に適切に対処できるように準備しておいてください。
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