「JVM」はJava Virtual Machine(Java仮想マシン)の略で、「Java」のプログラムを動作するのに必要なソフトウェアです。本記事では、JVMの特徴や実行する流れ、使える言語などを解説します。
「JVM」とはJava仮想マシンという意味で、「Java」のプログラムを実行するための主要なソフトウェアのひとつです。このソフトウェアは、「Java」以外にも、「JVM」上で動作するように設計されており、他の言語でも使用できる点が魅力です。
本記事では、「JVM」の重要な特徴やプログラムが実行される際の詳細な流れ、「JVM」で動作できるその他の言語などについて解説します。
目次
「JVM」とはJava仮想マシンの略称で、「Java」のプログラムが各種コンピューターシステム上で稼働するための主要なソフトウェアです。
「Java」は、マルチプラットフォーム(Windows、Linux、MacOSなど)で動作する特性を持っています。この広範な対応は、「JVM」が異なるOSの特性を吸収し、統一的な実行環境を提供することで実現されています。
ほとんどコンパイル言語は、開発者が書いたソースコードを直接コンピューターが理解できる機械語へと変換するものです。
しかし、「Java」のアプローチは少し異なります。「Java」は「JVM」という仮想マシンを介して、そのソースコードがさまざまなプラットフォームで動作できるようになっています。「JVM」はコンパイルされたJavaのモジュール(バイトコード)を読み取り、それをリアルタイムで目的のプラットフォームに適した命令文へ変換します。
この独特の仕組みで、「Java」プログラムは「一度書けば、どこでも動く(Write once, run anywhere)」という特性を持てるのです。この機能により開発者は、異なる環境やデバイスに合わせて何度もコードを書き換える手間を省けます。
「JVM」は、「Java」プログラムの魅力を最大限に引き出すための非常に重要な役割を果たしています。「JVM」の存在によって、「Java」プログラムは特定のOSに依存することなく、多様なプラットフォーム上で動作ができます。
具体的には、「JVM」はコンパイルされた「Java」のバイトコードを読み取り、リアルタイムで目的のOSに適した命令に変換し実行します。
この仕組みのおかげで、「Java」で開発されたアプリケーションは、どのOS上でも特別な設定をすることなく、スムーズな動作ができます。
つまり「Java」プログラムは「JVM」を介してOSと通信するため、異なるOSに対応するためのコード変更が不要なのです。
「Java」で開発されたプログラムは、ソースコードが「Java」のコンパイラによって「バイトコード」という特有の中間コードへと変換されます。
この「バイトコード」は、プラットフォームに中立的に記述されており、特定のOSやハードウェアに直接依存しません。「JVM」の役割は、この「バイトコード」を取り込み実行時に目的のOSやハードウェアに適した機械語へと変換することです。
このプロセスを通じて、「JVM」は「Java」アプリケーションが異なるプラットフォーム上で一貫して動作するための存在として機能します。つまり、「JVM」は「Java」プログラムがどのOS上でも安定して実行されるための中継役を果たしているのです。
「Java」を使うためには「JVM」が必要です。最新の「Java」をインストールする際に、「JVM」も自動的に搭載されるため手間をかけずに環境を整えられます。Windowsマシンへのインストールの手順は、以下の通りです。
これらの手順どおりに操作するだけで、「Java」と「JVM」がWindowsマシン上にインストールされます。
ここからは、「Java」の実行の裏側でおこなわれる以下の2つのプロセスに焦点を当てて解説します。
「Java」のプログラムが実際に動作するまでの最初のステップは「ソースコードのコンパイル」です。
元々の「Java」のソースコードは、人が読み書きできる高水準の言語で記述されています。しかし、コンピューターはこの形式のコードを直接実行できません。そこで、ソースコードは「Java」コンパイラによって、「バイトコード」という特定の中間形式に変換されます。
このバイトコードは標準化された形式であり、「JVM」はバイトコードを解釈し、実際の機械語に変換してプログラムを実行します。この機構により、「Java」プログラムは異なるプラットフォーム上でも一貫して動作します。
「Java」のソースコードがコンパイルされると、結果として得られるのは「バイトコード」という中間形式のコードです。このバイトコードは、標準化された指示セットを含んでおり、「JVM」を介してあらゆるプラットフォーム上で動作するように設計されています。
しかし実際にプログラムを動作させるには、このバイトコードを各OSやハードウェアに合わせた機械語に変換する必要があります。この変換の役目を果たすのが「JVM」です。「JVM」は、バイトコードを読み取り対象のOSに適した機械語に解釈して実行します。
このプロセスにより、「Java」は「一度書けばどこでも動く」という特性を持て、異なるデバイスやOS上でも一貫した動作の保証ができるのです。
「Java」の実行や開発に関わる用語として「JVM」「JDK」「JRE」が頻繁に使われますが、それぞれの間には明確な関連性と役割の違いがあります。
「JDK」(Java Development Kit)は。「Java」のプログラムを開発し実行するための全体的なツールキットです。この「JDK」の中には、「JRE」(Java Runtime Environment)という、プログラムを実行するための総合的なソフトウェアが含まれています。さらに、このJREの一部として、「JVM」があり、「JVM」は「Java」のバイトコードを各OSに適した機械語に解釈して実行する重要な役割です。
このように、「JVM」「JRE」「JDK」は、階層的な関係を持ちながら「Java」の実行と開発をサポートしています。
「JVM」は、主に「Java」プログラムの実行のために開発されました。しかし、その機能と柔軟性から、多数の他のプログラミング言語も「JVM」上で動作するようになりました。これらの言語は「JVM言語」として知られ、それぞれが独自の特性や利点を持っています。ここからは、「JVM」言語の主な特徴について解説します。
近年、Androidのアプリケーション開発界隈で急速に注目を集めてきたプログラミング言語が「Kotlin」です。
最大の魅力は「Java」と高い互換性を持つ点です。この特性により、「Kotlin」で記述されたコードは「JVM」のバイトコードに変換され問題なく実行されます。
単に互換性があるだけではなく、「Kotlin」は「Java」に比べてより簡潔で安全性が高いコードが書けます。そのため、開発者は効率的で信頼性の高いアプリケーション開発を進められるのです。
現代のプログラミング言語の中でとくに機能性と柔軟性に優れている「Scala」は、オブジェクト指向と関数型の考え方をサポートしており柔軟なコード設計ができます。
2つの特性を活用することで、開発者はWebアプリケーションやスマートフォン向けアプリケーションの開発において、簡潔で再利用性の高いコードが書けます。
また「Scala」は、「Java」プラットフォーム上で動作するため高い互換性を持っています。具体的には、「Scala」から「Java」の豊富なライブラリを直接利用できるのです。
このように「Scala」は、「Java」プラットフォームの力を利用しつつ独自の特性を持ち合わせており、高い生産性と効率を実現しています。
「Ruby」は日本人エンジニアが設計したオブジェクト指向スクリプト言語として、とくにWebアプリケーション開発での利用が注目されています。
そして、「Ruby」を「JVM」上で実行するためのソフトウェアが「JRuby」です。「JRuby」はオープンソースとして開発されているため、多くの開発者がその進化に寄与しています。
「JRuby」最大の特徴は、「Java」と「Ruby」のライブラリを組み合わせて使用できる点です。これにより開発者は、「Java」の堅牢性と「Ruby」の柔軟性を同時に活用でき、より効率的で革新的な開発ができます。
「Groovy」とは、「JVM」上で動作する動的型付けのプログラミング言語で、2003年からオープンソースとして開発が進められてきました。
言語の特徴を確認すると、「Groovy」の文法は「Java」に強く影響を受けており、その構造や書き方は「Java」と非常に似ている部分が多いです。しかし単なる「Java」との互換性を持つだけでなく、「Groovy」は概念や機能の面では「Ruby」の影響を色濃く受けています。
この「Ruby」からの影響により「Groovy」は、「Java」派生の言語でありながら「Ruby」ライクな特性を持ち合わせているといわれています。
「JVM」は、「Java」の実行環境を提供する役割を持つソフトウェアです。しかし「JVM」は、「Java」だけでなく他の言語で書かれたプログラムも実行が可能です。この「JVM」の多機能性は、その内部の構成要素に起因しています。ここからは、「JVM」の役割や特性について解説します。
これらの領域は、「JVM」のメモリ管理やプログラムの実行において、中心的な役割を果たします。それぞれの特徴と役割を詳しく見ていきましょう。
「JVM」内にはさまざまなメモリ領域があり、それぞれが特定の役割を持っています。なかでもMetaspace領域は、クラスやメソッドといった情報が格納される特別な領域です。
具体的には、「Java」のプログラムを実行する際に必要なクラスファイルやメソッドの情報、その他の静的データなどがこの領域に保存されます。このように、Metaspace領域は「JVM」がスムーズに動作するための重要な役割を果たしています。
「JVM」のメモリ管理にはさまざまな領域があり、それぞれが異なる役割を持っています。「Young世代」は、新しく生成されたオブジェクトが格納される場所として機能しています。
とくにYoung世代は、プログラムの実行中に作成されるオブジェクトのうち、まだ生存期間が短い「若い」オブジェクトを収容するという役割です。さらにYoung世代は、内部的に「Eden」と「Survivor」領域(S0とS1としても知られる)に細分化されているのです。
このような分類は、「JVM」がメモリの効率的な管理やガベージコレクションをおこなう際の最適化を支えています。
「JVM」のメモリ構造内には、オブジェクトの生存期間に応じて異なる役割を持つ領域があります。その中でも「Old世代」は、とくに重要な役割です。
このOld世代は、長期間使用され続けるオブジェクトが格納される領域として定義されています。具体的には、Young世代で一定期間以上使用され続けたオブジェクトがOld世代へ移動されます。そして、Old世代にあるオブジェクトの中で不要と判断されたものは、FullGCというガベージコレクションの処理で、効率的に回収・削除されるのです。
このシステムにより、「JVM」はメモリの効率的な利用と不要なオブジェクトの適切な管理を実現しています。
「JVM」でのアプリケーションの動作中にメモリ不足が発生する場合、最も一般的な対処法は「JVM」のヒープサイズを調整することです。
ヒープサイズとは、「Java」アプリケーションの実行時に使用されるメモリの量です。ヒープサイズを変更することで、アプリケーションのパフォーマンスや応答性をアップできます。
ヒープサイズを変更するには、「Java」の起動オプションを使用します。具体的には、-Xmsで初期ヒープサイズ、-Xmxで最大ヒープサイズを指定します。たとえば、初期ヒープサイズを64MB最大ヒープサイズを256MBに設定する場合、コマンドラインに-Xms64m -Xmx256mと入力します。
本記事では、「JVM」の基本的な概念やその必要性、特徴を詳しく解説しました。「JVM」の仕組みを理解することで、「Java」以外の言語でもその恩恵を受けられます。「JVM」の知識は、多様なプログラミング環境での開発や運用に大きく役立ちます。今後も「JVM」の深い知識を持つことで、より効率的で柔軟な開発が可能となるでしょう。
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