本記事では、マークアップについて解説します。具体的に解説する事項は、以下の通りです。
マークアップとは、コンピュータが文書構造を認識するよう、文書の要素にタグと呼ばれる目印を付けて意味づけすることをいいます。
Webサイト制作やWebデザインに興味がある方や、マークアップエンジニアを目指している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
マークアップとは、文書の構造や意味を明示的に示すための方法で、とくにWebサイトの制作において重要な役割を果たします。このマークアップは、「HTML」や「XML」といった言語を使用しておこなわれます。
具体的には、文書内のテキストにタグと呼ばれる目印を付けることで、コンピュータにテキストの意味や役割を伝えるのです。たとえば、<h1>というタグは大見出しを示し<p>は段落を示します。
また、Webサイトを作成する際、単にテキストを書き連ねるだけではそのページの構造や意味がブラウザや検索エンジンに伝わりません。そのため、マークアップ作業をおこない、各部分がどのような役割を持つのかを明示することが必要です。
検索エンジンは、ユーザーが最も関心を持つページを提供するため内容を適切に解析します。
マークアップを使用することで、コンピュータやブラウザはWebサイトの内容を適切に解釈し、ユーザーに最適な形で表示されます。
しかし、マークアップの役割は単に表示の指示だけではなく、SEO対策という重要な役割も持っています。SEOとは、Webサイトが検索エンジンの結果ページで上位に表示されるようにするための技術や戦略です。
たとえば、適切なマークアップがおこなわれているページは、検索エンジンに対してページの内容や構造を明確に伝えられます。すると、そのページと検索クエリとの関連性を正確に評価でき、結果として適切な検索順位付けが可能です。
つまり適切なマークアップは、サイトのSEO効果を最大化するための重要な鍵といえます。
マークアップとマークダウンは、どちらもテキストに意味づけをするための技術ですが方法や目的には大きな違いがあります。
マークアップは、「HTML」や「XML」のような言語を使用して、テキストや要素にタグを付けることでWebサイトとしての意味づけをおこないます。たとえば、「HTML」では<h1>というタグを使用して、大見出しを示すのです。
一方でマークダウンは、よりシンプルで読みやすいテキストフォーマットを目指して設計された言語です。*や#など特定のマークを使用して、テキストに意味づけをおこないます。
例として、#を行の先頭に置くことで、その行を大見出しとして表示します。
# タイトル ## 大見出し ### 小見出し
上記の例では、#を利用した見出しの作成をおこなっています。#の数が多くなるにつれて、下の階層の見出しになるイメージです。マークダウンはWikiや学術論文の編集に使用されます。
マークダウンの最大の特徴は、シンプルである点と記述が直感的である点です。そのため、マークアップに比べて記述量が少なく、読み書きが容易になります。
コーディングは、プログラミング言語を使用してソフトウェアやアプリケーションのソースコードを記述することです。コーディングには、機能の実装やデータの処理・ユーザーインターフェースの制御など、ソフトウェアの動作を定義する多岐にわたるタスクが含まれます。
また、「Python」「Java」「JavaScript」などのプログラミング言語を使用して、具体的な命令やアルゴリズムを記述することがコーディングの主な目的です。
一方でマークアップは、「HTML」や「XML」のようなマークアップ言語を使用して、テキストやデータに構造や意味を付与することです。
マークアップとコーディングの違いは、コーディングはソフトウェアの動作を制御するもので、マークアップは文書やデータの構造を定義するもので使用する言語も異なります。
ここでは、マークアップに使われる言語を2つ解説します。
2つの言語は、マークアップエンジニアの世界において最も使われる言語です。
「HTML」は、Webサイトの基盤となるマークアップ言語です。この言語を使用して、テキストの構造やリンク・画像・動画などのメディア要素をページに配置が可能です。
「HTML」の要素は、<タグ名>とタグ名>で囲まれた形式で表現され、文書の各部分に意味や役割を付与するので、以下のように使われます。
<h1>Hello World!!</h1> <p>こんにちは、みなさん!</p> <a>リンク</a>
たとえば、<h1>と</h1>のタグは、ページの主要な見出しを示すもので、<p>と</p>のタグは段落を示します。これらのタグは、World Wide Web Consortium(W3C)によって定められた標準に基づいており、全世界で共通のルールです。
「XML」は、データの構造や意味を定義するためのマークアップ言語です。Webアプリケーションやデータベース・設定ファイルなど、さまざまな場面でデータ管理や交換に使用されます。
また「XML」の最大の特徴は、タグ名を自由に定義できる点です。そのため、特定のアプリケーションや業界特有のデータ構造を柔軟に表現できます。
「XML」は、以下のような使い方です。
<book>書籍</book>
<title>鬼滅の刃</title>
<author>吾峠呼世晴</author>
たとえば、書籍の情報を「XML」で表現する場合、<book>,<title> <author>などといった独自のタグを定義できます。このような柔軟性は、データのカスタマイズや拡張性を高めるため、多くのシステムやアプリケーションで採用されています。
マークアップ言語とプログラミング言語は、コンピュータの世界で頻繁に使用される用語ですが、それぞれ異なる目的と特性があります。
マークアップ言語は、テキストやデータに構造や意味を付与するための言語です。「HTML」や「XML」が代表的な例で、これらの言語はテキストにタグを使用して意味づけをおこないます。
一方でプログラミング言語は、コンピュータに具体的な命令を与える言語です。「Python」「Java」「JavaScript」などが該当します。このプログラミング言語を使用することで、Webサイトの動的な動作やデータベースの操作・システムの構築など、多岐にわたるタスクを実現できます。
マークアップ言語とプログラミング言語は、それぞれ異なる目的と特性を持ちその結果として学習の難易度も異なります。
マークアップ言語の基本的な概念は比較的シンプルで、初心者でも短期間で基本的な知識を習得できます。
一方でプログラミング言語を習得するには、複雑なアルゴリズムやデータ構造の理解が必要となり、マークアップ言語に比べて学習の難易度が高い傾向です。
ただし、マークアップ言語とプログラミング言語のどちらが得意かは個人差によるので、一度どちらも試すことをおすすめします。
ここでは、適切なマークアップをする意義を2つ解説します。
適切にマークアップをする重要性がわかれば、マークアップの全体像や利用価値を理解できます。
適切なマークアップをおこなう最も大きな意義は、ユーザーにとって親切なサイトを提供できる点です。
たとえば、情報が多く含まれるページでは、箇条書きやリストタグ(<li>)を使用することで情報が一目で把握しやすくなります。このような形式は、ユーザーが情報を迅速に探し出すのを助け可読性を向上させます。
さらに、見出しやサブヘッダーを適切に配置することで、ページの構造を明確にしユーザーが目的の情報に迅速なアクセスが可能です。またマークアップを適切におこなうことで、スクリーンリーダーやその他のアクセシビリティツールを使用するユーザーにとっても、情報がアクセスしやすくなります。
つまり、ユーザーエクスペリエンスが向上し、サイトはより多くのユーザーにとって使いやすくなります。
適切なマークアップをおこなうもう1つの重要な意義は、検索エンジン最適化(SEO)の観点から検索結果に表示されやすくなることです。
たとえばGoogle Chromeのような検索エンジンは、Webサイトのマークアップを解析して、その内容や重要性を判断します。
そのため、適切なマークアップがおこなわれているページは、検索エンジンによって内容が正確に理解され、関連するキーワードの検索結果に適切にランク付けされる可能性が高まるのです。
また、適切なマークアップによって、構造化データやリッチスニペットなどの高度なSEOテクニックも利用できます。そのため検索結果の表示をさらに最適化が可能となります。
マークアップエンジニアとは、Webサイトの実装において中心的な役割を果たす専門家です。主な作業内容は、「HTML」や「CSS」といったマークアップ言語を駆使して、デザインデータをベースに実際のWebサイトに変換することです。
また、マークアップエンジニアにとっては、ユーザビリティやアクセシビリティを考慮し、ユーザーが快適にサイトを利用できるように最適化することも重要なタスクといえます。
さらに、デザイナーやフロントエンドエンジニア・バックエンドエンジニアと連携を取りながら作業を進めるため、コミュニケーション能力が必要です。そして、デザイナーが作成したデザインを忠実に再現しつつ、技術的な制約やユーザビリティの観点からの提案も期待されます。
マークアップエンジニアとして活躍するためには、多岐にわたる知識やスキルが求められます。
まず、基盤となるのは「HTML」や「CSS」の知識です。マークアップ言語を使いこなすことで、デザインデータを正確にWebサイトに反映できます。しかし、現代のWebサイトは静的なものだけではありません。ユーザーとのインタラクションを持つ動的なサイトを構築するためには、「JavaScript」や「PHP」のようなプログラミング言語の知識も必要となります。
とくに「HTML」ファイルにプログラミング言語を組み込み、サーバ側と連携するのが一般的なため、「JavaScript」や「PHP」が組み込みやすい構成を考えて作成するスキルが求められます。
さらに、サイトが検索エンジンで上位に表示されるためのSEO知識も欠かせません。適切なマークアップや構造化データの実装により、サイトの内容が検索エンジンに正確に伝わり、ユーザーにとっての価値が高まります。
また、CMS(コンテンツ管理システム)の知識は、大規模なサイトやブログ・Eコマースサイトなどの効率的な運営に必要です。CMSを使いこなすことで、コンテンツの更新や管理がスムーズにおこなえるようになります。
マークアップエンジニアの年収は、経験やスキル・勤務形態によって大きく変動します。初心者や未経験者の場合、年収の相場は300万円から400万円程度が一般的です。しかし、経験を積むことで、年収が500万円を超えることも可能です。
また、勤務形態によって年収に差が出ることもあります。正社員の場合、安定した年収を期待できますが、アルバイトや契約社員だと年収が300万円以下となることも考えられます。他にもフリーランスとして独立することで、プロジェクトごとの収入が増える可能性もあるでしょう。
さらに、マークアップエンジニアとしてのスキルや知識を高めることで、特定の企業やプロジェクトでの需要が高まるため年収が上昇する可能性もあります。
マークアップの技術は、今後もWebの発展とともに重要性を増していくと予想されます。とくにSEOの観点から見ると、検索エンジンがWebサイトの内容を適切に評価するためには、そのページが正確に構造化されていることが必要です。
そのため、マークアップエンジニアの役割は、ページのデザインだけでなく内容を検索エンジンに適切に伝えるための構造化をおこなう必要があります。
また、テクノロジーの進化により、人工知能や機械学習が検索エンジンのアルゴリズムにも取り入れられてきました。しかし技術が進化しても、Webサイトの内容を正確に解析するには、適切なマークアップが必要です。そのため、マークアップエンジニアの仕事は、今後も継続的に求められると考えられます。
さらに、Webのコンテンツが増加する中、管理や整理のためのマークアップ言語技術も進化していくことが予想されます。
つまりマークアップの技術は、Webの発展とともにその価値を増していくでしょう。
本記事では、マークアップについて解説しました。WebデザインやWebサイト制作をする場合、マークアップの知識は必要不可欠です。さらに、「HTML」や「XML」などのマークアップ言語のスキルは今後も需要があるため、習得することをおすすめします。
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