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最終更新日: 2024.01.30 (公開: 2024.01.30)

フルスタックエンジニアとは?仕事内容や必要なスキル、年収などを解説

フルスタックエンジニアとは?仕事内容や必要なスキル、年収などを解説

フルスタックエンジニアは、近年IT業界で注目を集めている職種です。しかし、具体的な仕事内容や求められるスキル、年収について詳しく知らない方も多いはずです。

本記事ではフルスタックエンジニアとは何か、具体的な業務内容・必要とされる技術的スキル・平均的な年収について詳しく解説します。IT業界に興味がある方やキャリアアップを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

フルスタックエンジニアとは?

フルスタックエンジニアという言葉は、IT業界でのポジションを指す用語として近年注目を集めています。

フロントエンド・バックエンド・インフラなど、さまざまな知識と経験・スキルを兼ね備えており、プロジェクトの始めから終わりまで、幅広い工程を担当する仕事です。

またフルスタックエンジニアは、技術者としての役割だけでなく、顧客との折衝・プロジェクトの設計やチームマネジメントに参加することもあります。

フルスタックエンジニアが持つ多様なスキルと経験は、複雑なシステム開発において非常に有効で、プロジェクトの効率化や品質向上に欠かせません。フルスタックエンジニアは、プロジェクトを成功に導くための鍵を握る存在であり重要性の高い職種です。

フルスタックエンジニアの仕事内容

フルスタックエンジニアは、以下のようなITの多岐にわたる領域において、幅広い技術と知識を活用して業務を進めます。

  • フロントエンド開発でWebサイトの作成
  • バックエンド開発でサーバーやデータベースの操作
  • モバイルアプリ開発でOSごとに親和性の高いアプリ開発
  • インフラ関連の構築・保守
  • Webデザインの作成

ここからは、フルスタックエンジニアの役割や業務の詳細について解説します。

フロントエンド開発でWebサイトのコーディングを担う

フロントエンド開発では、Webデザイナーが設計したデザインをもとに、Webサイトのコーディングを行います。具体的には、デザインをベースに「HTML」や「CSS」「JavaScript」を使いページのレイアウトや動きを制作します。そのため、さまざまなデバイスで適切に表示されるように設計する技術が重要です。

また、フルスタックエンジニアの中には、バックエンドのデータをフロントエンド表示するためつなぎ込みをおこなう業務が含まれるケースもあります。Webデザイナーが作ったデザインをコードに変換して実際のWebサイトを作る工程は、技術とクリエイティブが融合する瞬間です。

バックエンド開発でサーバーやデータベースの操作

バックエンド開発は、Webシステムの心臓部を構築する役割を担当します。ユーザーの目には触れない部分でも、その動きがサービスのクオリティを左右します。

ECサイトで商品を購入する際の受注処理やクレジットカードの決済処理、商品の発送管理など、バックエンド側の論理処理は非常に重要です。開発言語としては、「Java」や「PHP」、
「Ruby」「Python」「Go」などが一般的に使用されます。また、効率的な開発のために、各言語のフレームワークやライブラリも駆使されます。

これらの技術を駆使して、安定したシステムのバックボーンを築くのがバックエンド開発者の主な仕事です。

モバイルアプリ開発でOSごとに親和性の高いアプリ開発

モバイルアプリ開発では、特定のOSに最適化されたアプリケーションの作成が求められます。フルスタックエンジニアは、これを実現するためにOSの特性や要件の深い理解が必要です。

たとえば、Androidアプリの開発では「Java」や「Kotlin」の使用が一般的です。一方で、iOSアプリでは「Swift」が主流となっています。

これらの言語は、それぞれのOSの特性を最大限に生かすために設計されています。またWebアプリケーションの場合は、ブラウザとの親和性が重要です。「JavaScript」や「PHP」「Java」を活用して、レスポンシブで使いやすいアプリケーションを開発するのが役目です。

インフラ関連の構築・保守

インフラに関連する業務は、開発したWebアプリケーションを世界に発信するための重要な役割を果たしています。サーバーやネットワークの構築から、運用・保守まで幅広い業務が求められます。とくにサーバーの設計やネットワークの安定的な運用は、ビジネスの成長を支える基盤です。また、OSやミドルウェアのアップデート、データのバックアップといった日々の保守業務も欠かせません。

これらの業務は、専門的な知識を持つインフラエンジニアが中心になって取り組むのが一般的です。しかし、フルスタックエンジニアがインフラ業務に関与することで、障害の原因特定や迅速な復旧などの効率的な対応ができます。

Webデザインの作成

Webデザインの作成は、ビジュアル要素だけでなく機能性やユーザビリティにも重点を置いています。通常、Webデザイナーがビジュアルのデザインを手掛けますが、近年ではフルスタックエンジニアがこの役割を担当することも増えています。Webデザインは、綺麗・かっこいいなどの感情にプラスし、「HTML」「CSS」でコーディングが可能かを考えて制作することが重要です。

プログラミング言語のスキルを持つフルスタックエンジニアは、デザインとコーディングの一貫した作業を効率的に進められます。

フルスタックエンジニアが必要となる背景

フルスタックエンジニアの需要が高まる背景には、以下のような要因が考えられます。

  • 分野ごとの人件費の削減が可能なため
  • 素早いシステム開発ができるため
  • 企業がオールラウンダーなエンジニアを求める傾向にあるため
  • 独立や起業を考えているエンジニアが増加しているため

そのためのスキルとして、フルスタックエンジニアが注目されているのです。ここからは、それぞれの背景について解説します。

分野ごとの人件費の削減が可能なため

分野ごとの人件費の削減は、企業経営戦略の中心です。通常ITエンジニアは、特定の役割に特化していますが、フルスタックエンジニアの登場により変革が起こりました。フルスタックエンジニアは、フロントエンドからバックエンドまでの複数の業務を一手に担当する能力があるため、あらゆる工程に対応できます。人件費の削減に大きく貢献するので、企業にとって経済的な利益をもたらすでしょう。

特定の工程しか担わないエンジニアより、1人のフルスタックエンジニアを雇うことで、その時々のミッションをクリアできます。そのため企業は新しく従業員を雇用することなく、人件費の大幅な削減ができるようになりました。

素早いシステム開発ができるため

素早いシステム開発は、競争力の大きな助けとなります。従来は、複数の担当者がそれぞれの専門領域で業務を進める分業体制が主流でした。しかし、1人の担当者がワンストップで全ての作業をおこなうフルスタックエンジニアが増えています。その理由として、情報の引き継ぎやコミュニケーションの時間を大幅に削減できるからです。

作業の効率化は、プロジェクトのスピードアップに直結し、結果として迅速な開発を実現します。また、ミスのリスクも低減されるため、品質とエンドユーザーの満足度向上が期待でき、プロジェクトの成功率を高められます。

企業がオールラウンダーなエンジニアを求める傾向にあるため

最近の企業は、ITエンジニアに対し、多岐にわたる技術を持つオールラウンダーを希望しています。その背景としてある特定の工程を担う人材は、人件費を抑えるためにアジア圏などの海外のエンジニアを利用する企業が増加しているからです。

さらにクラウドサービスの普及により、特定のエンジニアが不在でも企業が独自にシステムを組めるようになりました。

多角的な知識を有するエンジニアは、変化するビジネス環境に柔軟に対応できるため、企業にとっての魅力的な存在となっています。

独立や起業を考えているエンジニアが増加しているため

近年、フルスタックエンジニアとして活躍していた人が、独立や起業を志向するエンジニアが増加しています。企業がフルスタックエンジニアを求める背景がある一方で、エンジニア自身が多岐にわたる技術や知識を習得し、より幅広い業務に挑戦したいという希望も高まっています。

独立や起業を目指す動機として、自らの技術を最大限に生かし自由な働き方を追求や独自サービスの開発に対する思いがあるからです。エンジニアは多様なプロジェクトに参加できることから、キャリアの選択肢も広がります。この流れが、フルスタックエンジニアの存在価値をさらに高めています。

フルスタックエンジニアに必要なスキル

フルスタックエンジニアとして活躍するためには、以下のような多岐にわたるスキルが求められます。

  • プログラミング言語の知識とスキル
  • OSやミドルウェアの知識・スキル
  • クラウドサービスの知識・スキル

これらのスキルを磨くことで、フルスタックエンジニアとしての価値を高められます。

プログラミング言語の知識とスキル

フルスタックエンジニアとして活躍するには、多岐にわたるプログラミング言語の知識とスキルが必要です。ユーザーが直接目で見て触れ合う部分は、「HTML」「CSS」「JavaScript」が主要な言語です。これらを駆使することで、使いやすく見た目の美しいWebページが作成できます。

一方で、バックエンド(サーバーサイド)では、PythonやJava、RubyにNode.jsなど多くの言語スキルが要求されます。これにより、Webサイトの基盤を作りデータベースと連携する処理などを実装が可能です。また、データベース操作のためのSQLの知識も必須です。これらの技術を組み合わせることで、多機能を備えたWebアプリケーションを開発と運用ができます。

OS・ミドルウェアの知識・スキル

OSに関する知識は、システムを効率的に動作させる上で欠かせません。たとえば、LinuxやWindowsサーバーの環境設定・プロセス管理・メモリの最適化などがあげられます。次にミドルウェアは、アプリケーションとOSの間で動作するソフトウェアで、データベースやWebサーバーなどが該当します。

ミドルウェアの知識を保有すると、システム全体のパフォーマンスを向上させるチューニングやトラブルシューティングが可能です。これらの知識やスキルは、フルスタックエンジニアとしての幅広い対応に必須となります。

クラウドサービスに関する知識・スキル

フルスタックエンジニアには、クラウドサービスに関する知識とスキルが不可欠です。まず、基本的なクラウドの仕組みや種類、PaaSやIaaSやSaaSの違いなどを理解することが重要です。

次に、主要なクラウドコンピューティングサービスである、AWSやAzureなどのサービス内容や特徴を把握する必要があります。これにより最適なサービスを選択し、コストを効率的に運用管理できます。

また、クラウド上でのデータの保管やセキュリティ対策も必要不可欠です。クラウドサービスを利用して、アプリケーションのスケーリングや負荷分散を実現する技術も、フルスタックエンジニアとしてのスキルとして求められる領域です。

フルスタックエンジニアの年収はどのくらい?

フルスタックエンジニアの年収について、具体的な数字は多少変動するものの一般的な傾向や参考データはあります。2017年の経済産業省の資料によれば、SE・プログラマーの平均年収は568.5万円とされています。この中で、スキルや経験による差異も明確に示されており、中堅人材としての能力を持つレベル3の年収平均は576.0万円です。

一方で、チームリーダーとして部下を指導できるレベル4では、年収は726.1万円と飛躍的に伸びます。このように、フルスタックエンジニアとしての役割やスキルに応じて、相応の年収を手に入れられます。

フルスタックエンジニアになるための主なロードマップとは?

まずは、エンジニアの基礎部分を学習することが必要です。この段階では、プログラミングの基本的な概念やデータ構造やアルゴリズムの知識、使用する言語の文法を習得が求められます。

次にネットワーク・OS・ミドルウェアなど、なぜWebアプリケーションがインターネットを通じて世界に公開されるか、インフラを理解する必要があります。内容は難しいですが理解できているITエンジニアも多いため、習得すればITの現場で即戦力です。

次に、開発業務をトータルで学ぶ段階に入ります。ここでの重要なポイントは、実際の開発フローを体験し、フロントエンドからバックエンドまでの開発を経験することです。プロジェクトでのチームとの連携やデータベースの操作など、具体的な作業を通して全体像をつかみます。

最後の段階は、上流工程を経験することです。ここでは、要件定義や設計・クライアントとの打ち合わせなど、プロジェクトの初期段階から関与することが重要です。ビジネスニーズを理解し、それに基づいて最適なシステムを提案・実現する能力を習得することが目的です。

これらのステップを経ることで、フルスタックエンジニアとしての幅広いスキルセットと深い知識を習得できます。

フルスタックエンジニアになる主な方法

フルスタックエンジニアになるための進むべき道は、多岐にわたります。

  • 専門分野を持とう
  • 常にスキルアップをしよう
  • 業界情報を常にキャッチアップしよう

これらの方法を取り入れることで、フルスタックエンジニアとして成長できるでしょう。

専門分野を持とう

フルスタックエンジニアとは、顧客との折衝から始まり、設計・フロントエンドからバックエンド・インフラまでの開発全体に対応できるエンジニアです。しかし、それだけでなく専門分野を持つことが大切になります。なぜなら、特定の技術や領域に深い知識やスキルを持つことで、より高度な開発タスクに対応できるからです。

たとえば、データベースの設計や最適化・セキュリティ対策・特定のプログラミング言語やフレームワークの専門知識など、狭い領域での深いスキルが求められる場面は多くあります。フルスタックエンジニアとして幅広い技術を持つことは大切ですが、専門分野を持つことでその価値はさらに高まるでしょう。

常にスキルアップをしよう

フルスタックエンジニアとして活躍するには、常にスキルアップを図りましょう。技術は日々進化しており、昨日までの知識が今日では古くなる可能性もあるからです。新しいツールや言語・フレームワークが次々と登場するため、適応するには継続的な学びは必須です。

また幅広い技術を持つフルスタックエンジニアは、特定の領域だけでなく、多岐にわたる技術のトレンドを把握する必要があります。これにより、多様なプロジェクトでの対応能力を高め、競争力を保持できるでしょう。

常に学び続ける姿勢は、キャリアの長期的な成長をサポートし、自身の市場価値を高める手助けとなります。

業界情報を常にキャッチアップしよう

フルスタックエンジニアとして成功するためには、技術のスキルや知識だけでなく常にアンテナを建てて業界情報をキャッチアップしていくことが重要です。なぜなら、IT業界は新しい技術やトレンドが日々生まれるため、常に最新の情報にアップデートしておくことで、効率的で最先端の技術を取り入れられるからです。

また、業界の動向を知ることで、将来のビジネスチャンスや技術選定の際の方向性を正確につかめます。クライアントとのコミュニケーションの中でも、最新の情報を元に提案や助言をすることが求められることが多く、信頼性や価値を高める要因となるでしょう。

フルスタックエンジニアの需要は高まっている!

近年、IT業界の急速な変化とともに、フルスタックエンジニアの需要は高まっています。フルスタックエンジニアは、クライアントサイドからバックエンドまでシステム全体を概観から、顧客との折衝・設計まで一貫して開発に関わる能力を持っている集団です。

このようなスキルセットは、効率的な開発や柔軟な対応ができるようになり、多くの企業から求められています。また、フルスタックエンジニアはひとつの専門領域にとどまらず、多様な技術の習得を目指すことが重要です。

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